ジュエリー業界の動向や現状、ランキングなどを分析

ダイヤモンドとリング

ジュエリー業界の動向や現状、ランキング、シェアなどを分析・研究しています。データは2022-2023年。ジュエリー業界の過去の市場規模の推移をはじめ、消費者の家計支出の推移、インバウンドの現状や個人消費のトレンド、各社の今後への取り組みなどを解説しています。

ジュエリー業界(2022-2023年)

ジュエリー業界の推移と基本情報

業界規模

0.2兆円

成長率

2.5

利益率

2.7

平均年収

407万円

  • 14年
  • 15年
  • 16年
  • 17年
  • 18年
  • 19年
  • 20年
  • 21年
  • 22年

ジュエリー業界の過去の業界規模の推移を見ますと、2020年に大きく落ち込みましたが、2022年には回復傾向にあります。

ジュエリー業界の動向と現状(2022-2023年)

2022年のジュエリー業界 女性向けジュエリーが回復傾向に

下のグラフは、2022年までのアクセサリー(宝石、貴金属類)の1世帯あたり年間の支出の推移を示したものです。

装身具(宝石、貴金属類)の1世帯あたり1か月の支出額の推移

装身具(宝石、貴金属類)の1世帯あたりの支出の推移(出所:総務省統計局、グラフは業界動向サーチが作成)

グラフを見ますと、2010年から2022年まで年によりばらつきはありますが、長期的には1世帯当たりのアクセサリー支出額は縮小傾向にあります。

2022年から2023年のジュエリー業界では、行動制限の緩和にともない個人消費が緩やかに持ち直したことで、女性向けファッションジュエリーの販売が堅調に推移しました。また、オンライン販売や法人向けの売上も前年を上回りました。

一方、新型コロナの流行によって結婚式の需要や婚姻組数の減少が響き、中価格帯のブライダルジュエリーは苦戦することとなりました。経済活動の正常化が進んだ2022年においても、引き続きブライダル向けは苦戦している状況です。

さらに、近年のブライダルジュエリーにおいては、晩婚化による婚姻組数の減少が影響し、婚約指輪や結婚指輪は落ち込んでいます。また、若者の間では『ジュエリー離れ』が加速し、最大需要期であるクリスマス商戦の売上減少も見られています。

国内では少子高齢化による人口減少や消費税増税などの影響により、今後もジュエリー業界にとっては厳しい環境が続くことが予想されています。

厳しい状況のなか、さらにジュエリー業界を追い込んだのが、新型コロナウイルスでした。世界的な感染拡大で、訪日外国人が激減し高額商品の売れ行きに影を落としました。一方、2022年の業界規模は前年から増加、さらに2023年8月には3カ月連続で訪日外国人が200万人を突破しており、百貨店の宝飾品需要も増加するなどインバウンドの恩恵が期待されています。

ジュエリー業界 売上トップ5(2022-2023年)

順位 企業名 売上高(億円)
1 コメ兵HD 812
2 エステールHD 296
3 TASAKI 261
4 ミキモト 258
5 サマンサタバサジャパンリミテッド 252

※はジュエリー関連の部門売上高。2021年のジュエリー業界の売上高ランキングを見ますと、首位がコメ兵HD、2位がエステールHD、TASAKI、ミキモト、サマンサタバサジャパンリミテッドでした。

中古ブランド品首位のコメ兵は、小売や会員企業向けの法人オークションを行い、宝飾品やブランド品の買取専門店の出店を拡大、商品取扱量の拡充に注力しています。エステールHDはショッピングセンターを中心に出店、宝飾品の生産から販売の一貫体制が特徴です。

2022-2023年のジュエリー業界は、5社中3社が増加、2社が横ばいとなりました。なかでも真珠の国内トップのTASAKIと、ミキモトは前年比約50~80%増と大幅プラスを記録しています。

各社今後に向け様々な策を展開 ECサイトの強化や不採算店の圧縮など

様々なデータを分析している様子

ジュエリー業界では、国内消費の落込みや人口減少によって、市場の縮小が懸念されています。さらに、ECサイトやフリマサイト及びアプリの台頭、海外販売といった販路の多様化、海外ブランドとの競争や新規参入企業の増加に伴い、競争は激化しています。

各企業は根本的な打開策が必須として、ECサイトへの注力、集客力のある地域への新規出店や不採算店の見直しなど、販路の拡大や新規顧客獲得へと動いています。

ジュエリーやブランド品のリユースでトップのコメ兵では、買取および販路を強化、法人向けオークションビジネスの拡大に取り組んでいます。商品の拡充や商材面での専門性強化を図っており、買取専門店は2024年3月期までに100店舗の出店を計画しています。

20~30代の女性に人気のサマンサタバサジャパンリミテッドは、出店戦略を見直し不採算店を閉店。ジュエリー部門を担う4店舗を閉めると共に、人件費や広告宣伝費の削減を行っています。2ブランド廃止を決定し、さらに米国事業から撤退することを公表、事業基盤の強化に取り組んでいます。

ツツミでは、20~30代の女性をターゲットにした新たなブランド「TODAYS DIAMONDS」を立ち上げ、新規の顧客獲得を図っています。

一方、ナガホリは富裕層マーケットを重点にし、新商品の拡充や百貨店の店舗ごとに富裕層向け商品を企画し、2021年9月よりイタリアンジュエリーブランド「Zoccai(ゾッカイ)」の店舗展開を始めました。コスト低減による共同仕入れや加工、ECサイト等の販路拡大による収益強化も図っています。

このような市況の中、最近のジュエリー界業界では合成ダイヤモンドの登場に注目が集まっています。天然ダイヤモンドの生産最大手であるデビアスが、合成ダイヤモンドを使用したジュエリーの販売を発表。「LIGHTBOX JEWELRY」名でブランドを立ち上げ話題となりました。

合成ダイヤモンドの市場価格はラパポルト(国際基準)の5~7割程度とされています。有名ブランドにおける合成ダイヤモンドの販売により、業界内では今後「ブライダルジュエリーでは高級品の天然ダイヤモンド、ファッションアイテムでは合成ダイヤモンド」と、二分することが想定されています。

近年では消費者のニーズや好みのブランドも多様化する傾向にあります。以前に比べ、消費者ニーズを捉えにくく、ターゲティングとブランディングがますます重要になってきています。

ジュエリー業界 ランキング&シェア

ジュエリー業界の売上高ランキング&シェアをはじめ、純利益、利益率、総資産、従業員数、勤続年数、平均年収などをランキング形式でまとめました。各種ランキングを比較することでジュエリー市場のシェアや現状、動向を知ることができます。

ジュエリー業界 売上高&シェアランキング(2022年-2023年)

順位 企業名 売上高(億円)
1 コメ兵HD 812
2 エステールHD 296
3 TASAKI 261
4 ミキモト 258
5 サマンサタバサジャパンリミテッド 252
6 NEW ART HD 214
7 ヨンドシーHD 185
8 ツツミ 181
9 ナガホリ 176
10 ハピネス・アンド・ディ 136

※コメ兵HDはブランド・ファッション事業、ヨンドシーHDはジュエリー事業の売上高です。シェアとはジュエリー業界全体に対する各企業の売上高が占める割合です。シェアを比較することでジュエリー市場における各企業の占有率を知ることができます。矢印は対前年比の増減を表しています。下記のランキングをクリックするとそれぞれジュエリー業界の詳細ランキングページにジャンプします。

その他のランキング

関連リンク

ジュエリー業界を見た人は他にこんなコンテンツも見ています。関連業種の現状や動向、ランキング、シェア等も併せてご覧ください。

ジュエリー業界 対象企業一覧

コメ兵HD、エステールHD、TASAKI、ミキモト、サマンサタバサジャパンリミテッド、NEW ART HD、ヨンドシーHD、ツツミ、ナガホリ、ハピネス・アンド・ディ、フェスタリアHD、ベリテ、光・彩、クロスフォーの計14社

注意・免責事項

ジュエリー業界の動向や現状、ランキング、シェア等のコンテンツ(2022-2023年)は上記企業の有価証券報告書または公開資料に基づき掲載しております。ジュエリー業界のデータは上記企業のデータの合計または平均を表したものです。掲載企業に関しましてはできる限り多くの企業を反映させるよう努めていますが、全ての企業を反映したものではありません。あらかじめご了承ください。また、情報に関しましては精査をしておりますが、当サイトの情報を元に発生した諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負うものではありません。重要な判断を伴う情報の収集に関しましては、必ず各企業の有価証券報告書や公開資料にてご確認ください。