製紙業界の動向、ランキング、シェア、現状等(2021年版)

製紙業界

PAPER MAKING

製紙業界の2021年版(2020-21年)の業界レポート。動向や現状、シェア、売上高、純利益、勤続年数、平均年収等のランキングを掲載しています。製紙業界の過去の推移をはじめ、近年急増している段ボール需要の動向、新素材の取り組みなども解説しています。就職や転職、ビジネスや投資の参考資料としてご活用ください。

業界規模

4.9兆円

(52位/190業界)

成長率

-1.2%

(109位/190業界)

利益率

+3.0%

(78位/190業界)

平均年収

564万円

(142位/190業界)

※矢印は前年比の増減、成長率は直近3年間の平均。平均年収は上場企業の平均ですので、実態よりも高めに出る傾向があります。

目次

製紙業界の現状と動向(2021年版)

グラフは製紙業界の業界規模(対象企業の29計)の推移をグラフで表したものです。

製紙業界の規模の推移を見ることでその市場の大まかな現状や動向を把握することができます。

2020年-2021年の製紙業界の業界規模(主要対象企業29社の売上高の合計)は4兆9,630億円となっています。

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製紙業界の過去11年間の業界規模の推移

ネット通販急増で「段ボール」増加も2020年は減少に

製紙業界の推移を見ますと、2010年から2018年まで緩やかな増加傾向にありましたが、2018年から2020年には減少に転じています。

紙・板紙の国内生産量の推移(出所:経済産業省、グラフは業界動向サーチが作成)

2020年の紙・板紙の国内生産量は前年比10.0%減の2,287万トンでした。内訳を見てみると、紙は前年比17.0%減の1,121万トン、板紙は同2.0%減の1,165万トンとなり、紙、板紙ともに前年割れを記録しています。

製紙業界が生産する紙は、主に「紙」と「板紙」に大別されています。「紙」は新聞、雑誌、書籍向けの印刷・情報用紙や包装用紙、ティッシュやトイレットペーパーなどの衛生用品に使用されます。「板紙」は主に段ボールに利用される原紙となります。

近年の製紙業界の動向を見ますと、デジタル化の進行によって新聞や雑誌・書籍、チラシなど需要が低迷。それに伴い「印刷・情報用紙」の需要も減少傾向にあります。一方、ネット通販の拡大により、段ボール需要は堅調に推移、加えてティッシュなどの衛生用紙も底堅い伸びを見せています。

国内の紙需要は一部カテゴリーにおいては堅調さを見せるものの、市場全体では縮小傾向にあり、今後もさらにペーパーレス化が進むと予想されています。ただし、ネット通販は今後も拡大することが想定されており、段ボールの材料となる板紙の需要は堅調に推移すると思われます。

また、製紙業界の追い風となるのが『脱プラスチック』の動きによる需要の増加です。海を汚染する海洋プラスチックゴミは世界規模で問題とされており、ストローやペットボトルといった使い捨てプラスチック製品から、紙製品に切り替える動きが高まっています。こうした動向により、製紙業界ではプラスチック代替製品としての紙の需要拡大が期待されています。

「段ボール強化」相次ぐ 新素材「CNF」の汎用性にも注力

ペーパーレス化や人口減少などの影響により、国内の紙需要は減少傾向にあります。一方で、国内、海外ともに段ボール原紙の需要は伸びていることから、大手製紙各社は生産体制を見直し「用紙」から「段ボール原紙」にシフトしています。

その他、M&Aや海外市場の開拓も加速。さらに『脱プラスチック』事業を新たな収益柱とすべく、植物由来の新素材開発にも注力しています。

業界首位の王子HDは、2018年に千葉県に国内最大級の段ボール工場を建設。2019年3月には三菱製紙との業務提携を発表しました。海外では中国に工場を設立し、マレーシアの「GSペーパー&パッキング」を買収するなど、あらたな市場の開拓を行ってきました。2018から20年にかけてはマレーシアやベトナム、インド、インドネシアなどの東南アジアで、段ボール原資工場の増設や新設を行い海外事業の拡大を図っています。

業界2位の日本製紙も同様に段ボール原紙に注力。2015年に特種東海製紙と段ボール原紙事業で統合しました。海外展開では、2009年に豪州のオーストラリアンペーパーを買収、19年には豪州の包装メーカーであるオーロラリミテッドから、段ボールとパッケージ事業を買収。同年4月にはマレーシアで軟包材加工事業を買収しアジアのパッケージ市場へ参入します。

板紙専業で首位のレンゴーも段ボール事業の拡大を図り、2018年に三和段ボール、翌年には2社の段ボールケースメーカー2社を子会社化しました。海外事業では2019年にメキシコとトルコに新会社を設立、20年1月にはフィリピンで段ボール原紙事業の参入を発表しました。

北越コーポレーションも段ボール原紙事業へ進出。約20億円を投じて新潟に工場を設立し20年4月より生産を開始。2015年にはカナダ最大規模のパルプ会社を買収、海外事業の拡大を図っています。家庭紙で首位の大王製紙は17年に日清紡HDから家庭用紙事業を買収。海外事業では、2020年にトルコとブラジルの衛生用品メーカーを買収し、中国をはじめとするアジア地域の展開を強化しています。

段ボールに注力する各社ですが、近年では新素材の「セルロースファイバー(CNF)」の開発にも注目が集まっています。セルロースナノファイバーは、木質繊維(パルプ)をナノレベルまで細かくして生じる最先端のバイオマス素材です。

CNFは透明で軽く、高い増粘効果も有しており、食品や化粧品、おむつ、自動車分野などで採用されています。今後も幅広い分野での活用が期待されており、大きな潮流を生み出す可能性があります。

製紙業界シェア&ランキング(2021年版)

製紙業界内における売上高及びシェアのランキングをはじめ、純利益、利益率、総資産、従業員数、勤続年数、平均年収をランキング形式でまとめました。
各々のランキングを比較することで製紙市場内のシェアや現状、動向を知ることができます。

製紙業界 売上高&シェアランキング(2020年-2021年)

順位 企業名 売上高 シェア
1 王子HD 13,589 27.4
2 日本製紙 10,073 20.3
3 レンゴー 6,807 13.7
4 大王製紙 5,629 11.3
5 リンテック 2,359 4.8
6 北越コーポレーション 2,224 4.5
7 トーモク 1,756 3.5
8 三菱製紙 1,623 3.3
9 中越パルプ工業 819 1.7
10 ザ・パック 784 1.6
※シェアとは製紙業界の規模(対象企業の29社合計)に対する各企業の売上高が占める割合です。シェアを比較することで製紙市場における各企業の占有率を知ることができます。各ランキングをクリックするとそれぞれ製紙会社の詳細ランキングページにジャンプします。矢印は各企業の売上高の前年比の増減を表しています。

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製紙業界 対象企業一覧
王子HD、日本製紙、レンゴー、大王製紙、リンテック、北越コーポレーション、トーモク、三菱製紙、中越パルプ工業、ザ・パック、特種東海製紙、ダイナパック、朝日印刷、巴川製紙所、スーパーバッグ、イムラ封筒、昭和パックス、大石産業、古林紙工、ニッポン高度紙工業、阿波製紙、イチカワ、ハビックス、日本フエルト、岡山製紙、中央紙器工業、光ビジネスフォーム、大村紙業、国際チャートの計29社
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