キャッシュレス業界の動向や課題、今後の見通しは?

スマホ持つ手と多様なアイコン

キャッシュレス業界の現状と動向、課題や今後の見通しなどをご紹介します。キャッシュレス決済のなかでも、現在成長中の『QRコード』や『電子マネー』を中心に手がけました。この記事を読むことで、キャッシュレス業界の動向や将来の見通しなどを一通り学ぶことができます。

キャッシュレス業界の業界地図と現状や動向

データやグラフを分析する人たち

キャッシュレス業界の業界地図と最近の現状や動向について解説していきます。

業界地図:「コード決済」と「電子マネー」

キャッシュレス業界は、おもに「コード決済」と「電子マネー」に大別されます。近年はキャッシュレス業界に新規に参入する企業が相次いでおり、進出企業の業種は多岐にわたります。

キャッシュレス業界の業界地図

上の図はキャッシュレス業界の業界地図です。「コード決済」と「電子マネー」が大半を占めており、海外系の企業がこれに続きます。近年は「コード決済」が急成長しており、通信やインターネット、流通系の企業が多く参入しています。

動向1. コロナ禍で非接触のキャッシュレスに追い風

キャッシュレス決済で買物をする人たち

続いて、キャッシュレス業界の動向を見ていきましょう。経済産業省の発表によると、2020年の国内のキャッシュレス決済比率は、前年から2.9ポイント上昇し29.7%でした。

決済手段別では、「QRコード」の利用額は前年比275%増の4兆2,000億円、「電子マネー」は同4.9%増の6兆342億円でした(2020年、キャッシュレス推進協議会日本銀行)いずれも前年に比べて利用額は増加していますが、QRコード決済の伸びが著しく大きいことが分かります。

2020-2021年は、新型コロナウイルスの感染拡大によって、キャッシュレス決済が注目されています。感染を防ぐため、衛生的な観点から「電子マネー」や「QRコード」などの非接触となるキャッシュレス決済の利用が増加しました。一方、外出自粛の影響から、交通系の電子マネーの利用は減少しています。

動向2. 「QRコード決済」の需要増 再編で事業強化へ

キャッシュレス業界は全体的に増加傾向ですが、近年著しく成長しているが「QRコード決済」です。

現在のQRコード決済市場は、「PayPay」をはじめ「LINE Pay」、「楽天ペイ」、「d払い」、「auPAY」など多数が乱立しています。なかでも「PayPay」の利用者数は4,000万人を超え、2021年3月末の決済回数は20億回、取扱高は3.2兆円に達しました。

こうした動向のなか、業界ではさらなる市場の拡大を見越した動きが見られます。ソフトバンクGは2022年4月をメドに「LINE Pay」と「PayPay」を統合する予定です。メルカリも2020年2月に「オリガミペイ」を子会社しました。また、2021年9月にはグーグルが送金アプリの「プリン」を買収しています。

キャッシュレス業界の課題と問題点

グラフやレポートを見ながら会議をする男女

好調に市場を拡大しているキャッシュレス業界ですが、当然、課題や問題点もあります。ここでは近年、キャッシュレス業界が抱える課題や問題点の中から、特に重要なポイントをピックアップしてみました。

課題1. キャッシュレス比率の低さ

世界と比較すると日本のキャッシュレス比率は低い傾向にあります。世界のキャッシュレス決済比率(2018年現在)を見ますと、最も高いのが韓国で94.7%、続いてカナダ62.0%、オーストラリア59.0%、アメリカ47.0%と欧米でも40~60%の水準です。一方、日本の比率は29.7%と先進主要国のなかでも低いことが分かります。

課題2. 乱立する決済手段

現在、日本のキャッシュレス業界は様々な企業が乱立しています。通信や流通、交通など様々な企業がそれぞれの手段を用意しており、まとまりがありません。これでは消費者がどれを使ったら良いのか分かりませんよね。決済手段が多いことが、かえってキャッシュレス決済の普及を阻害している可能性があります。

キャッシュレス業界の今後の見通しについて

パソコンやレポートのイラスト

キャッシュレス業界の今後は?

今後のキャッシュレス業界は順調に推移する可能が高いと言えます。日本のキャッシュレス化は依然として低い水準にありますが、キャンペーンの効果などもあり、近年では増加傾向にあります。

政府も国内キャッシュレス決済の普及を推進しており、2025年までにキャッシュレス決済比率40%、将来的には80%を目指すとされています。また、課題であった決済手段の乱立も統合と淘汰により、最終的にはいくつかに集約されることが予想されます。

新型コロナの影響により、図らずともキャッシュレス決済の普及は進みました。人間は一度手にした利便性をなかなか手離すことはできません。積み上げ式のように今後も普及は進んでいくものとみられます。キャッシュレス業界は未だ成長期であり、さらなる発展の余地が期待できます。