音楽業界の動向や課題、今後の見通しは?

音楽を聴く人や歌う人たち

音楽業界の業界地図や現状と動向、課題や今後の見通しなどをご紹介します。音楽業界の現状や課題、将来の見通しなど全体を一通り学べるようにまとめてあります。就職やマーケティングなどの参考にご活用下さい。

音楽業界の現状や動向

いくつかのデータやボタンを押す指の画像

音楽業界の現状や動向について解説していきます。

業界地図:音楽配信が成長市場 海外勢の参入過多

音楽業界では、主な販売チャネルにCDなどの音楽ソフトの販売、ダウンロード、配信型のストリーミングがあります。現在、音楽市場の売上の約7割は「音楽ソフト」が占めますが、ここ数年は「配信型」が成長市場となっています。

音楽業界の業界地図

上の図は音楽業界の業界地図です。音楽業界は主に、「レコード会社」、「音楽配信」、「物販」、「著作権管理」の市場に分けられます。なかでも、「音楽配信」市場は海外企業が多く参入している分野でもあります。

動向1. コロナがCD縮小に追い打ち オンラインライブは伸長

部屋でくつろいでライブ配信を視聴する男性

2020-2021年の音楽業界の動向を分析します。日本レコード協会によると、2020年から2021年の音楽市場規模は2,700億円から2,800億円で推移しており、コロナ前の水準である3,000億円を下回るなど縮小傾向です。

2020年-2021年の音楽業界は、新型コロナによる感染拡大の影響を大きく受けた年でした。CDは販売延期やセールスが低下し、ライブにおいても延期や中止が相次ぐなど厳しい状況となりました。

近年はDLやストリーミングなど、音楽を聴く環境が変化・多様化した影響で、CDの需要は縮小傾向にあります。残念ながら、新型コロナは縮小するCD市場に追い打ちをかける形となってしまいました。

一方、延期や中止が相次いだライブにおいては、コロナをきっかけに「オンラインライブ」の需要が伸びました。外出自粛などの影響で在宅時間が長くなり、ライブ配信を視聴する消費者が増加傾向にあります。

動向2. ストリーミングは6割増 サブスクの利用も増加

最近の音楽配信の動向を見ますと、ストリーミング配信が市場をけん引しています。2018年にストリーミングがダウンロードを上回って以降、右肩上がりで増加しており、音楽市場全体の約3割を占めるまでに成長しました。

ストリーミングは通信料はかかりますが、消費者は聴きたい曲のみを手持ちの端末で気軽に聴けるため、利用者が増加しています。さらに、コロナ禍では巣ごもりによって「ながし聴き」をする消費者が増えたため、コロナ前の2019年からストリーミングの需要は60%増加しています。

こうしたストリーミングの需要拡大に伴い、定額制音楽配信サービス『サブスク』の需要も伸びています。定額で数多くの曲が聴き放題のため、利用者は増加傾向です。さらに、コロナ禍では、国内の人気アーティストが続々とストリーミング配信を解禁したことも追い風となり、ストリーミングの再生回数とサブスクの利用が大きく伸びました。

音楽業界の課題と問題点

グラフやレポートを分析する人たち

変革期にある音楽業界ですが、課題や問題点も多くあります。ここでは近年、音楽業界が抱える課題や問題点の中から特に重要なポイントをピックアップします。

課題1. 国内のストリーミング市場は世界に出遅れ

国内のストリーミング市場は大きな成長を見せていますが、日本の市場は世界に比べ出遅れています。2020年の世界のストリーミング売上は134億ドルにも達しており、音楽市場全体の約6割以上を占めます。一方、国内ではCDやDVDなどの音楽ソフトの売上が7割りを占め、世界と剥離している状況です。

課題2. オンラインライブのデメリット

コロナをきっかけに、「オンラインライブ」の開催の需要が伸びていますが、一方でデメリットもいくつか挙げられます。2020年は「オンラインライブ」の利用者は増えたものの、無料コンテンツで十分と感じる消費者が多くいることです。チケット相場もリアルライブと比較すると半分以下の水準です。また、グッツ販売の低下やライブ開催直前までチケットが売れないなども課題に挙げられています。

音楽業界の今後の見通しについて

パソコンやデータのイラスト

音楽業界は今後、どうなる?

音楽業界は今後、CDなどの音楽ソフトは縮小する一方、『サブスク』を利用したストリーミング配信はさらに拡大するなど、2極化が進む可能性があります。

一方、会場でのリアルライブにおいては、しばらくは新型コロナウイルスの影響に左右される可能性が高いと言えます。2021年末頃には人数制限などを行いつつ、有観客でのリアルライブも行われていますが、再度感染が拡大すれば、再び中止や延期、無観客ライブになる可能性があります。

今後の音楽ライブにおいては、リアルとオンラインの同時開催が増えることが予想されます。すでに、2021年末頃からリアルとオンラインでの同時開催が行われており、こうしたライブの普及はさらに進む可能性があります。

また、最近ではNFTが音楽業界で注目されています。実際、エイベックスでは2021年4月にNFT事業に本格参入しており、所属アーティストのアイテム販売を開始、今後もライヴ配信やファンミーティングなどのイベント開催を見込んでいます。音楽業界は一部の市場で縮小が見られる一方で、デジタル面では今後も発展の余地はあります。音楽業界のデジタル化が進むにつれ、新たなサービスが登場することが予想されます。