カフェ業界の課題と問題点とは?

カフェのイメージ

カフェ業界が抱えている課題や問題点についてお話します。この記事では、今後のカフェ業界に大きな影響を与える課題や問題点にはどのようなもがあるのか、3つを取り上げてご紹介していきます。

カフェ業界の課題と問題点【2021年】

2021年現在、カフェ業界が抱えている課題は以下のとおりです。

カフェ業界の課題1. 人口減小に伴うカフェ市場の縮小

カフェ市場の縮小を示す画像

カフェ業界が抱えている課題の1つが、人口減小に伴うカフェ市場の縮小です。国内では少子高齢化が進んでおり、すでに人口減少時代に突入しています。

今現在、カフェ業界ではパンケーキやモーニン需要に加え、空前のコーヒー消費時代が到来するなどカフェブームが起こっています。

このような市況から、カフェ業界では新規出店や新業態店の出店が相次ぎました。ファミレス最大手のガストでは新業態となる「むさしの森珈琲」を、ドトール展開のドトール・日レスHDでは、フルサービスの「星乃珈琲」を展開しています。また、名古屋発の「コメダ珈琲」は全国展開をするなど、大手各社は出店を加速させてきました。

ですが、このような旺盛な需要も将来的には縮小することが予想されています。少子高齢化と人口減少下では、カフェの利用率や消費量が減り食の需要が低下するため、今後はカフェ市場の縮小が懸念されます。

このようなことから、大手カフェチェーンでは海外進出を進める企業も現れています。コメダHDは中国や台湾などで80店舗を展開し、ドトール・日レスHDの「星乃珈琲」では、シンガポールや台湾、マレーシアやインドネシアに出店しています。

ただ、依然として海外事業の比率が低いのも実情です。そして、2020年以降新型コロナウイルスによる世界的な感染拡大の影響も受けており、コメダHDは現地での新規出店の遅れを発表しています。

カフェ業界の課題2. 『2050年問題』

カフェ業界の2つ目の課題が、『2050年問題』です。

『2050年問題』とは、地球温暖化による気候変動によって、コーヒー豆の栽培地が大幅に減少してしまうことです。ワールドコーヒーリサーチ(WCR)では、世界的な気候変動や降雨の影響で、2050年までにコーヒー豆の原産地が現在のおよそ半分になると予測しています。

気温や温度の上昇、降雨量の減少など、従来とは異なる気候が訪れることで、病害や虫害なども発生しやすくなります。生育に影響を及ぼすことから、コーヒー豆の品質低下や生産量の減少を招きます

この現象はブラジルやその他の中南米、アフリカなどの、アラビカ種を栽培するコーヒーベルトと呼ばれる地域でおこると予想されています。コーヒーベルト地域には、生産量世界1位のブラジルが含まれているため、その影響はかなり大きなもとなるでしょう。

今現在、ネスレ(スイス)やキーコーヒーでは、気候変動や病害虫に強い品種の開発を行っており、『2050年問題』に向け大手企業が様々な取り組みを行っています。

『2050年問題』では、コーヒー豆生産量の減少が懸念されていますが、一方でコーヒーの消費量は世界的に増加傾向です。今後、コーヒー豆の価格上昇や豆の仕入れ先の変更、おいしいコーヒーが提供できなくなるなど、カフェ業界では様々な影響を受ける可能性があります。

カフェ業界の課題3. 原材料や最低賃金の上昇によるコスト高騰

コスト高騰のイメージ画像

カフェ業界が抱えている課題の3つ目が、原材料や最低賃金の上昇によるコスト高騰です。

カフェ業界ではコストの高騰が問題になっています。各原材料費や物流費、人件費などが増加し、その他にも光熱費や賃料なども負担になっています。

主に生乳の価格高騰、人手不足や最低賃金の引き上げによる人件費の高騰が響いています。人件費においては、人手不足によるサービス低下を防ぐため、スタッフの教育にかけるコストが増加してます。

2019年には大手カフェが相次いで値上を発表しました。スターバックスやドトール、タリーズ、エクセルシオールでは、飲料価格を10~20円の値上を実施しています。

各社は一部商品の値上に踏み切りましたが、依然として消費者の節約志向は根強い傾向にあります。2018年の増税やコロナ禍の影響で消費者の節約意識はさらに高まっており、値上をすることによる顧客離れが懸念されています。