カフェ業界の動向や現状、ランキングやトレンドなどを掲載しています。データは2022-2023年。対象企業の過去の業績を追うことでカフェ業界全体の現状や動向、傾向を知ることができます。
業界規模
0.1兆円
成長率
1.1%
利益率
2.7%
平均年収
616万円
カフェ業界の過去の業界規模の推移を見ますと、2020年に大きく下落しましたが、2021年、2022年と回復傾向にあります。
国内のカフェ業界で高いシェアを誇るのは、スターバックスコーヒージャパンです。スターバックスコーヒージャパンは米国本社より日本国内での『スターバックス コーヒー ストア』を開発・運営する独占的権利を付与された会社で、2001年にジャスダックに上場しました
その後、店舗展開を拡大し、13年には店舗数が1,000店を超え、15年には鳥取県に進出、47都道府県すべてに展開するに至りました。2021年には日本上陸25周年を迎えるとともに1,700店舗を突破、ハイペースな出店で拡大しています。2023年3月現在、国内では1,811店舗を展開しています。
スターバックスと並んで高いシェアを誇るのが、ドトールコーヒーです。ドトールコーヒーはドトール・日レスHDの子会社で、『ドトールコーヒー』、『エクセシオールカフェ』などを展開しています。総店舗数は国内1,274店舗、海外では1店舗を展開しています。(2023年2月末現在)。
また近年では、日本レストランシステム(ドトール・日レス傘下)が運営する『星乃珈琲店』が人気に。星乃珈琲店は落ち着いた雰囲気の中、ハンドドリップでいれるコーヒーが特徴で、フロートやスフレ、食事も好評です。オープンから12年目となり2023年2月末時点で、国内店舗数は280店舗まで拡大しています。
星野珈琲と同様にフルサービスでここ数年勢いを増しているのが、コメダHD展開の『コメダ珈琲店』です。名古屋を地盤に全国展開を図り、2023年2月現在で950店舗を展開するなど、ドトール・日レスHDに迫る勢いです。
2022年決算の上場企業6社の売上高によると、ドトール・日レスHDは前年比14.1%増、コメダHDは同13.5%増、伊藤園(飲食関連事業)は18.0%増、サンマルクHDは17.3%増、銀座ルノアールが35.6%増、キーコーヒーが8.6%の増加でした。立地により回復状況に差はありましたが、経済活動の再開にともない来店客数が回復しています。
一方、2022年はロシアによるウクライナ侵攻をきっかけに、エネルギーや小麦、コーヒー豆などのコモディティ価格が上昇、円安の進行も影響しコストが高騰しています。こうした状況から、大手チェーンでは付加価値の高いメニューを導入しつつ、値上げを行っています。
順位 | 企業名 | 売上高(億円) | |
1 | ドトール・日レスHD ※ | 754 | |
2 | コメダHD | 378 | |
3 | 伊藤園 ※ | 354 | |
4 | サンマルクHD ※ | 244 | |
5 | 銀座ルノアール | 61 |
※はカフェ関連事業の売上高。2022年から2023年のカフェ業界の売上高ランキングを見ますと、トップがドトール・日レスHD、2位がコメダHD、3位が伊藤園と続きます。
首位のドトール・日レスHDが展開する「ドトールコーヒー」は、SAエリアや書店併設店舗、小規模スペースを利用したドトールスタンドなど、新たな立地での新規出店を強化しています。
2022年-2023年のカフェ業界の業績は、ランキング上位6社すべてが増収となりました。うち5社は10~35%の増加となり、業界規模は前年から拡大しています。
近年のカフェ人気を背景に成長を続けてきたカフェ業界の業績は、緩やかな増加傾向となっています。好業績に合わせ、各社ともに店舗数は拡大傾向に。スターバックスとドトールの大手2社の店舗数の合計は3,000店を超えました。
一方で、2013年にはコンビニ大手のセブン-イレブンが、『セブンカフェ』を本格展開をしました。安価で淹れたてのコーヒーが飲めると評判になり、累計で70億杯(2022年2月末時点)を突破しています。
また、ハンバーガー首位のマクドナルドは3年ぶりに『プレミアムローストコーヒー』を刷新、1杯120円と低価格ながら、豆や焙煎にこだわったコーヒーを提供しています。
全日本コーヒー協会によると、日本のコーヒー消費量は2011年の42万トンから、2018年には47万トンとなり拡大傾向でした。一方、2021年は3年連続で減少し一時はピークから5万トンが縮小、2022年は増加に転じ43万トンまで回復しています。コーヒーは常用性の高い飲み物であるため、今までのスイーツブームとは異なり、ファンが離れにくい傾向にあります。
今後も根強いカフェ人気は続くと見られていますが、競争の激化が予想されます。コンビニやマクドナルドなど他業種のライバル勢も強く、出店余地も限られてきています。
ただ、2020年の新型コロナウイルスによって、店舗の休業や時短営業、外出自粛や在宅ワークが影響し来店客数が減少、カフェ業界に逆風が吹きました。一方、2021年の後半から2022年は経済再開の動きが見られ、減少したカフェ需要は回復傾向にあります。値上げの動きも見られますが、今後は経済再開に向けたカフェ人気の復活が期待されます。
カフェ業界の売上高ランキング&シェアをはじめ、純利益、利益率、総資産、従業員数、勤続年数、平均年収などをランキング形式でまとめました。各種ランキングを比較することでカフェ市場のシェアや現状、動向を知ることができます。
順位 | 企業名 | 売上高(億円) | シェア | |
1 | ドトール・日レスHD ※ | 754 | ||
2 | コメダHD | 378 | ||
3 | 伊藤園 ※ | 354 | ||
4 | サンマルクHD ※ | 244 | ||
5 | 銀座ルノアール | 61 | ||
6 | キーコーヒー ※ | 38 |
※ドトール・日レスHDはドトールコーヒーグループ事業、伊藤園は飲食関連事業、サンマルクHDは喫茶事業、キーコーヒーは飲食関連事業の売上高です。シェアとはカフェ業界全体に対する各企業の売上高が占める割合です。シェアを比較することでカフェ市場における各企業の占有率を知ることができます。矢印は対前年比の増減を表しています。下記のランキングをクリックするとそれぞれカフェ業界の詳細ランキングページにジャンプします。
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ドトール・日レスHD、コメダHD、伊藤園、サンマルクHD、銀座ルノアール、キーコーヒーの計6社
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