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目次
グラフは飲料業界の業界規模(対象企業の14計)の推移をグラフで表したものです。
飲料業界の規模の推移を見ることでその市場の大まかな現状や動向を把握することができます。
2020年-2021年の飲料業界の業界規模(主要対象企業14社の売上高の合計)は4兆2,194億円となっています。
飲料業界の過去11年間の業界規模の推移
2020年の飲料の販売金額は、前年比7.3%減の3兆7,978億円億円でした。2019年の過去最高から約3,000億円のマイナスを記録しました。生産販売量も前年比4.8%減と同様に減少を記録しています。
2020年の飲料の品目別生産割合は、「茶系飲料」が最も多く、全飲料の約25%に相当します。続いて「ミネラルウォーター類」、「炭酸飲料」、「コーヒー飲料等」、「果実飲料」、「スポーツ飲料」、「紅茶」が占めます。
近年の飲料業界の動向を振り返りますと、2019年は夏場の記録的な天候不順で冷夏に見舞われた上に、大型ペットボトルの値上が行われましたが、販売金額、生産量ともに微減で済みました。一方、紅茶飲料の生産量は過去最高を記録、エネジードリンク市場も好調でした。
2020年には、新型コロナウイルの感染拡大で、オフィス内の自動販売機やコンビニでの販売量が減少。さらに、外出自粛の影響からレジャーでの飲料需要も減少しています。自宅で過ごす消費者が増えたことで、小型ペットボトルの販売は振るわないものの、大型ペットボトルの需要喚起は見られています。
近年の飲料業界のトレンドとしては、無糖タイプの強炭酸飲料が人気です。『ウィルキンソン』や『THE TANSAN』などがヒット。無糖・強炭酸タイプのこちらの飲料は健康志向を求める大人を中心にヒットしました。
国内の飲料業界内の勢力図としては、コカ・コーラ系列が高シェアを誇っており、サントリー、キリンといったビール系メーカーが追随の構え。さらに、ボルビックやエビアンなど海外ミネラルウォーター勢も加わり、厳しいシェア争いを繰り広げています。
こうした動向の中、2015年7月、サントリー食品インターナショナルは日本たばこ産業(JT)の自動販売機事業を約1,500億円で買収。17年4月には、コカ・コーライーストジャパンとコカ・コーラウエストが経営統合し、コカ・コーラボトラーズジャパンが発足。統合後の売上高は、単純合算で1兆円を超え、国内最大級の飲料会社が誕生することになります。
人口減少に伴い、国内消費が頭打ちを迎える中、業界内の競争が激化しています。また、それに伴い再編も加速しており、業界の勢力図が塗りかえられています。今後ともさらなる動きがあると見られ、中国や東南アジアなど海外での事業展開も活発化しています。
順位 | 企業名 | 売上高 | シェア | 単位:億円 |
1 | サントリーHD ※ | 11,729 | 27.8 | |
2 | コカ・コーラボトラーズ… | 7,919 | 18.8 | |
3 | 伊藤園 | 4,462 | 10.6 | |
4 | ヤクルト本社 | 3,857 | 9.1 | |
5 | アサヒグループHD ※ | 3,453 | 8.2 | |
6 | 大塚HD ※ | 3,340 | 7.9 | |
7 | キリンHD ※ | 2,542 | 6.0 | |
8 | ダイドーグループHD | 1,582 | 3.7 | |
9 | サッポロHD ※ | 1,258 | 3.0 | |
10 | カゴメ ※ | 743 | 1.8 |