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目次
グラフは菓子業界の業界規模(対象企業の22計)の推移をグラフで表したものです。
菓子業界の規模の推移を見ることでその市場の大まかな現状や動向を把握することができます。
2020年-2021年の菓子業界の業界規模(主要対象企業22社の売上高の合計)は1兆6,993億円となっています。
菓子業界の過去9年間の業界規模の推移
菓子業界の過去の推移を見ますと、2012年から18年にかけては微増傾向、2018年から2020年は横ばいで推移しています。
近年の国内の菓子業界は少子化の影響もあり、頭打ち状態にあります。近年の主要菓子メーカーの売上高も横ばいを記録しており、停滞感が強い印象となっています。
近年は米国への資金流入の影響により、為替は円高気味に動きましたが、少子化の影響により国内の菓子需要が頭打ちに、各社の業績も伸び悩みを見せています。特に2018年は夏場の猛暑の影響で、チョコレートをはじめとした売上が伸び悩み、業績に影響を与えました。
2019年のチョコレート需要は生産量は前年に比べ減少したものの、単価上昇で生産金額がアップしました。一方、アイスクリーム市場はここ数年好調に推移していましたが、天候不順が影響し販売金額の伸び悩みが見られました。
2019年は大手各社のロングセラー商品が相次いでリニューアルされました。明治HDは11年振りに『きのこの山』、『たけのこの里』を、ロッテは『チョコパイ』、『パイの実』、江崎グリコにおいては10年ぶりに『プリッツ』の中身とパッケージの同時リニューアルを行っています。
2020年には、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う『巣ごもり需要』の増加で、大袋タイプやロングセラー商品の需要が高まっています。コロナ禍で家にいる時間が以前にも増したことから、お菓子の消費時間も増加。2020年は菓子業界にとって若干の追い風となっています。
2020年(2021年3月決算)の大手菓子メーカの業績を見ますと、カルビーが売上高前年比で4.2%増、ロッテは同3.9%減、森永製菓は4.3%減、江崎グリコは25.1%増、明治HDは7.0%減、ブルボンが0.8%の増加でした。
国内市場が縮小へと向かう菓子業界において、海外市場に活路を見出す企業があらわれはじめています。
2009年7月、スナック菓子首位のカルビーは米国ペプシコと資本業務提携へ。ポテトスナック『じゃがビー』をペプシコ傘下のフリトレーブランドで展開。北米市場への足がかりとしました。さらに同社は韓国、中国、台湾、インドネシアで子会社を設立。海外展開を加速しています。
米菓首位の亀田製菓は北米、中国、タイに子会社を設立。亀田製菓は今後、2019年をメドに海外売上高比率を現状の1%から30%まで引き上げる目標を掲げています。
今後も少子化の影響により国内市場は縮小傾向にあります。国内での成長戦略が描けない今、今後も海外展開は加速するものと見られ今後の動向に注目が集まります。
順位 | 企業名 | 売上高 | シェア | 単位:億円 |
1 | カルビー | 2,667 | 15.7 | |
2 | ロッテ | 2,293 | 13.5 | |
3 | 森永製菓 | 1,999 | 11.8 | |
4 | 江崎グリコ ※ | 1,815 | 10.7 | |
5 | 明治HD ※ | 1,192 | 7.0 | |
6 | ブルボン | 1,184 | 7.0 | |
7 | 亀田製菓 | 1,033 | 6.1 | |
8 | 不二家 | 990 | 5.8 | |
9 | シャトレーゼ | 793 | 4.7 | |
10 | 井村屋グループ | 421 | 2.5 |