冷凍食品業界の動向とシェア、ランキングなど

ピザやチャーハンなどの冷凍食品

冷凍食品業界の動向や現状、シェアやランキングなどを研究・分析しています。データは2022-2023年。対象企業の過去の業績を追うことで冷凍食品業界全体の現状や動向、傾向を知ることができます。

冷凍食品業界(2022-2023年)

冷凍食品業界の推移と基本情報

業界規模

1.5兆円

成長率

4.1

利益率

4.8

平均年収

718万円

  • 16年
  • 17年
  • 18年
  • 19年
  • 20年
  • 21年
  • 22年

冷凍食品業界の過去の業界規模の推移を見ますと、2022年には増加に転じています。

冷凍食品業界の動向と現状(2022-2023年)

2023年の冷凍食品は7,600億円、高水準で推移 業務用が伸長へ

日本冷凍食品協会によると2023年の冷凍食品の生産金額は、前年比2.1%増の7,709億円でした。内訳では家庭用が同1.6%減の3,995億円、業務用が6.3%増の3,803億円でした。2022年は家庭用の伸び率が鈍化したものの業務用が伸長し、調査開始以来の最高水準で推移しています。

2023年の冷凍食品の生産量を品目別でみますと、畜産物が+11.8%、農産物が+1.3%と増加した一方で、調理食品、水産物、菓子類が5.5~3.3%減少しています。前年から伸長した製品は卵製品+13.9%、春巻き+4.4%。減少は炒飯-10.7%、シュウマイ-15.7%、ギョウザ-5.6%でした。ちなみに、国内生産量の全体の約7割を占めるのが調理食品です。

近年は、スーパーの冷凍食品売り場の拡大に加え、ドラッグストアでの取り扱いも増えています。さらに、コンビニのPB商品の増加など、冷凍食品の販売は拡大傾向にあります。

共働きや単身世帯、シニア層の増加にともない「時短や簡便」ニーズが高まるなか、新型コロナウイルスの感染拡大を機に、その動きはさらに強まりました。器を必要としないトレー付きの麺類や袋のまま食べられる炒飯、おかずと御飯がセットになった冷凍食品が注目されています。

2022-2023年の冷凍食品業界は、経済活動の再開に伴い、落ち込んでいた業務用冷凍食品の需要が回復しました。一方、円安の進行や、原材料やエネルギー価格が上昇しており、コストが高騰しています。大手冷凍食品メーカーでは2022年から2023年にかけて、商品価格の値上げ行い収益の確保を図っています

冷凍食品業界 売上トップ5(2022-2023年)

順位 企業名 売上高(億円)
1 ニッスイ 3,820
2 ニチレイ 2,756
3 味の素 2,672
4 日本たばこ産業 1,555
5 マルハニチロ 1,066

※は冷凍食品関連の部門売上高です。2022-2023年の冷凍食品業界の売上高ランキングを見ますと、首位がニッスイで、ニチレイ、味の素と続きます。売上規模は接戦で、今後ランキングの変動も考えられます。

首位の日本水産は「ニッスイ」の通称でも知られ、主力は食品事業と水産事業です。冷凍食品は家庭用と業務用を手掛け、日本をはじめ欧米やアジア、南米で展開しています。

2022-2023年の冷凍食品業界は、ランキング5社中4社が増収となり、好調な1年でした。

国内は堅調に推移 米国やアジアなど海外市場開拓も加速

海外市場と分析

国内では人口減少や少子高齢化が問題視される中、共働き、単身、高齢世帯の増加に伴い、冷凍食品需要は今後も底堅いと見られています。

また、飲食を提供する企業や店舗では、調理工程の短縮や負担軽減につながるため、冷凍食品の利用が人手不足解消の一つとなり、業務用冷凍食品の需要も伸びるとみられています。

課題はコストの増加です。世界的なインフレや円安の影響により、2022年から2024年は業界全体で値上げを実施しています。くわえて、冷凍食品は冷凍状態を維持するため、物流費のコストが高い点が挙げられます。配送ルートや共同配送といった物流の効率化が問われています。

さらに、今後は少子高齢化や人口減少の影響により、中長期的な国内市場の縮小は避けられません。簡便・時短ニーズは引き続き底堅いと思われますが、いずれは人口減少の影響を受けてしまうでしょう。こうした動向から、冷凍食品会社は海外市場に期待を寄せています。米国や欧州、カナダなど海外では冷凍食品の需要が多く、さらに今後は成長著しい東南アジアで冷凍食品の需要の拡大が期待できます。

こうした動向を受け、業界大手のニチレイは冷凍食品需要の高い北米やアジアで展開、さらに、米国ではアジアン系テイストの冷凍食品が好調で、今後は現地に合わせたスタイルを展開する予定です。

冷凍食品業界 ランキング&シェア

冷凍食品業界の売上高ランキング&シェアをはじめ、純利益、利益率、総資産、従業員数、勤続年数、平均年収などをランキング形式でまとめました。各種ランキングを比較することで冷凍食品市場のシェアや現状、動向を知ることができます。

冷凍食品業界 売上高&シェアランキング(2022年-2023年)

順位 企業名 売上高(億円)
1 ニッスイ 3,820
2 ニチレイ 2,756
3 味の素 2,672
4 日本たばこ産業 1,555
5 マルハニチロ 1,066
6 極洋 927
7 日清食品HD 868
8 東洋水産 528
9 日東ベスト 518
10 大冷 272

※ニッスイは食品事業、ニチレイは加工食品事業、味の素は冷凍食品事業、日本たばこ産業、マルハニチロは加工食品事業、極洋は冷凍食品事業、日清食品HDは低温・飲料事業、東洋水産は冷温食品事業の売上高です。シェアとは冷凍食品業界全体に対する各企業の売上高が占める割合です。シェアを比較することで冷凍食品市場における各企業の占有率を知ることができます。矢印は対前年比の増減を表しています。下記のランキングをクリックするとそれぞれ冷凍食品業界の詳細ランキングページにジャンプします。

その他のランキング

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冷凍食品業界 対象企業一覧

ニッスイ、ニチレイ、味の素、日本たばこ産業、マルハニチロ、極洋、日清食品HD、東洋水産、日東ベスト、大冷、イートアンドHDの計11社

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