CHILLED FOOD
目次
グラフは冷凍食品業界の業界規模(対象企業の11計)の推移をグラフで表したものです。
冷凍食品業界の規模の推移を見ることでその市場の大まかな現状や動向を把握することができます。
2020年-2021年の冷凍食品業界の業界規模(主要対象企業11社の売上高の合計)は1兆4,338億円となっています。
冷凍食品業界の過去6年間の業界規模の推移
冷凍食品業界の過去の推移を見ますと、2014年から2018年にかけ増加傾向、2018年から2020年は横ばいで推移しています。
2020年の家庭用冷凍食品の出荷額は、3,748億円と前年比18.4%増、生産数量は77万tで前年比11.3%増と6年連続で増加しました。2020年は新型コロナウイルスの感染拡大による自粛の影響に加え、時短や簡便を求める共働き世帯や単身世帯、高齢世帯の増加に伴い家庭用冷凍食品の需要が高まりました。
品目別で伸びが良かったのは、炒飯+19.5%、餃子+9.6%、うどん+3.9%、スパゲッティ+8.8%でした。また、ここ数年はお弁当の利用よりも、主食を伴う食卓への利用が増え、「簡単かつ美味しい」といった高品質な商品が開発されています。
販売ルートとしては、スーパーの安価なプライベート商品が増え、ドラッグストアでは種類も豊富に置くようになってきています。さらに、近年ではコンビニ業界や無印良品でも冷凍食品を開発するなど、他業界でも冷凍食品への期待が高まっています。
2020年に入り新型コロナウイルスの感染拡大によって、自宅で過ごす時間が増え、時短、簡便需要がさらに強まっています。特に器を必要としないトレー付きや袋のまま食べられる麺類や炒飯、おかずと御飯がセットになった冷凍食品が注目されています。一方、外食需要は下火のため、業務用冷凍食品の需要は減少しています。
国内では人口減少や少子高齢化が問題視される中、共働き、単身、高齢世帯の増加に伴い、冷凍食品需要は今後も底堅いと見られています。
また、飲食を提供する企業や店舗では、調理工程の短縮や負担軽減につながるため、冷凍食品の利用が人手不足解消の一つとなり、業務用冷凍食品の需要も伸びるとみられています。
課題はコストの増加で、2019年3~4月に業務用冷凍食品の値上げが実施されました。家庭用は値上げの動きは本格化していませんが、いずれ価格に転嫁される可能性があります。さらに冷凍食品は冷凍状態を維持するため常温の食品以上に物流費の比率が大きいのも欠点です。配送ルートや共同配送といった物流の効率化が問われています。
少子高齢化や人口減少の影響により、国内の冷凍食品市場は縮小が避けられないため、冷凍食品会社は海外市場に期待を寄せています。米国や欧州、カナダなど海外では冷凍食品の需要が多く、さらに今後は成長著しい東南アジアで冷凍食品の需要の拡大が期待できます。
こうした動向を受け、業界大手のニチレイは冷凍食品需要の高い北米やアジアで展開、さらに、米国ではアジアン系テイストの冷凍食品が好調で、今後は現地に合わせたスタイルを展開する予定です。
順位 | 企業名 | 売上高 | シェア | 単位:億円 |
1 | 日本水産 ※ | 3,300 | 23.0 | |
2 | マルハニチロ ※ | 2,266 | 15.8 | |
3 | ニチレイ ※ | 2,251 | 15.7 | |
4 | 味の素 ※ | 1,982 | 13.8 | |
5 | 日本たばこ産業 ※ | 1,493 | 10.4 | |
6 | 極洋 ※ | 797 | 5.6 | |
7 | 東洋水産 ※ | 762 | 5.3 | |
8 | 日清食品HD ※ | 618 | 4.3 | |
9 | 日東ベスト | 488 | 3.4 | |
10 | 大冷 | 225 | 1.6 |