食肉業界の動向や現状、ランキング&シェアなどを分析しています。データは2021-2022年。対象企業の過去の業績を追うことで食肉業界全体の現状や動向、傾向を知ることができます。
業界規模
3.4兆円
成長率
-0.2%
利益率
1.4%
平均年収
620万円
食肉業界の過去の業界規模の推移を見ますと、2017年まで増加傾向、2018年から2021年にかけては概ね横ばいで推移しています。
農林水産省の食料需給表(2022年8月5日公開)によると、2021年度の肉類の国内消費仕向量は前年度比1.2%減の646.2万トンでした。
肉類の国内消費仕向量の推移(出所:農林水産省、グラフは業界動向サーチが作成)
グラフによると、近年は増加傾向にありましたが、2018年から2020年にかけて横ばい、2021年は微減で推移しています。品目別では、牛肉が前年比6.5%減の124.2万トン、豚肉が0.9%減の262.1万トン、鶏肉が1.3%増の254.9万トンでした。
現在、豚肉の消費量がトップですが、最近では鶏肉の消費量が伸びており、近いうちに逆転する可能性も出ています。鶏肉が伸びている背景としては、消費者の健康志向が挙げられます。とくに「鶏むね肉」の人気が高く、コンビニ大手のセブン-イレブンから発売された「サラダチキン」は大ヒットを記録しました。また、節約志向や唐揚げブームも鶏肉需要を押し上げる要因となっています。
食肉業界においては、若者のみならず高齢者も食肉に慣れ浸しんできた世代であるため、需要は堅調に推移しています。
2021年-2022年の食肉業界は、経済活動が回復傾向となり外食需要が増加、業務用の食肉需要が堅調でした。また、ソーセージなどの加工品においても業務用需要が好調で、前年を上回る結果となりました。
一方、前年に高まった内食需要が落ち着いてきたことで、家庭用の食肉や加工品の需要が縮小しています。また、飼料価格や燃料費の高騰によるコストの上昇、コンテナ不足や輸入肉の調達国での食肉の内需拡大などから世界的に食肉相場が上昇、利益に影響が出ることとなりました。
2021年の食肉業界の売上高ランキングを見ますと、首位の日本ハムが一歩リード、伊藤ハム米久HD、プリマハムと続きます。総合大手の日本ハムは食肉が強く、2位となる伊東ハム米久HDは加工品となるハム・ソーセージで首位を誇ります。
2021-2022年の食肉業界の業績は、日本ハムが前年比6.1%増、伊藤ハム米久HDが1.4%増、プリマハムが3.2%減でした。
国内の食肉需要はしばらく続くと見られています。少子高齢化や人口減少傾向ではありますが、最近の高齢者は「肉に慣れ親しんだ時代」。食肉の需要はしばらくは堅調と見られています。
肉単体の需要も増加傾向にありますが、近年注目を浴びているのが「惣菜分野」。共働き世帯や単身世帯の増加で「食の簡便化」が求められており、簡単に食べられる惣菜のニーズが伸びてきています。
また、近年の健康志向の高まりにより、減塩や糖質ゼロのハムやソーセージ、ベーコン、サラダチキンなどのニーズも高まっています。食肉各社もこうした需要をとらえるべく、機能性を重視した商品の開発に力を入れています。
一方で、ハムやソーセージは、原材料費や人件費、物流費などのコストの増加が収益を圧迫しています。一方、以前ではこうしたコストを各社価格に転嫁できずにいましたが、2022年2月以降、ウクライナ危機や急激な円安などを受け、加工品や業務用の値上げに踏み切っています。今後さらなるコストの増加も懸念されており、値上げは必須になると予想されます。
食肉業界の売上高ランキング&シェアをはじめ、純利益、利益率、総資産、従業員数、勤続年数、平均年収などをランキング形式でまとめました。各種ランキングを比較することで食肉市場のシェアや現状、動向を知ることができます。
順位 | 企業名 | 売上高(億円) | シェア | |
1 | 日本ハム | 11,743 | ||
2 | 伊藤ハム米久HD | 8,543 | ||
3 | プリマハム | 4,195 | ||
4 | スターゼン | 3,814 | ||
5 | エスフーズ | 3,588 | ||
6 | 丸大食品 | 2,186 | ||
7 | 滝沢ハム | 294 | ||
8 | 福留ハム | 244 |
※シェアとは食肉業界全体に対する各企業の売上高が占める割合です。シェアを比較することで食肉市場における各企業の占有率を知ることができます。矢印は対前年比の増減を表しています。下記のランキングをクリックするとそれぞれ食肉業界の詳細ランキングページにジャンプします。
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