食肉業界の動向や現状、ランキングなどを解説

パッケージされた肉

食肉業界の動向や現状、ランキング&シェアなどを分析しています。データは2022-2023年。対象企業の過去の業績を追うことで食肉業界全体の現状や動向、傾向を知ることができます。

食肉業界(2022-2023年)

食肉業界の推移と基本情報

業界規模

3.7兆円

成長率

2.1

利益率

0.2

平均年収

624万円

  • 12年
  • 13年
  • 14年
  • 15年
  • 16年
  • 17年
  • 18年
  • 19年
  • 20年
  • 21年
  • 22年

食肉業界の過去の業界規模の推移を見ますと、2021年、2022年と増加傾向にあります。

食肉業界の動向と現状(2022-2023年)

国内の肉類消費量は高水準で推移 鶏肉の需要が高まる

農林水産省の食料需給表(2023年8月7日公表)によると、2022年度の肉類の国内消費仕向量は前年度比1.3%減の650.8万トンでした。

肉類の国内消費仕向量の推移

肉類の国内消費仕向量の推移(出所:農林水産省、グラフは業界動向サーチが作成)

グラフによると、2018年度までは増加傾向でしたが、その後2022年度まで横ばいで推移しています。品目別では、牛肉が前年比0.6%減の125.9万トン、豚肉が0.9%減の265.0万トン、鶏肉が1.8%減の255.4万トンでした。

現在、消費量のトップは豚肉ですが、最近では鶏肉の消費量が伸びており、近いうちに逆転する可能性も出ています。鶏肉が伸びている背景としては、消費者の健康志向が挙げられます。とくに「鶏むね肉」の人気が高く、コンビニ大手のセブン-イレブンから発売された「サラダチキン」は大ヒットを記録、その後コンビニやスーパーでも販売されるようになりました。また、節約志向や唐揚げブームも鶏肉需要を押し上げる要因となっています。

食肉業界においては、若者のみならず高齢者も食肉に慣れ浸しんできた世代であるため、需要は堅調に推移しています。

2022-2023年の食肉業界は、経済活動が回復傾向となり外食需要が増加、業務用の食肉需要が堅調でした。また、ソーセージなどの加工品においても業務用需要が好調に推移しました。一方、前年に高まった内食需要が落ち着いてきたことで、家庭用の食肉や加工品の需要が縮小しています。

円安の進行に加え、原材料価格や飼料価格、燃料費の高騰によるコストの上昇、さらに輸入肉の調達国での食肉の内需拡大などから世界的に食肉相場が上昇しました。価格転嫁を行う一方、コスト上昇分を吸収しきれず、利益に影響が出ることとなりました。また、物価高騰を受け消費者の節約志向も高まり、低価格帯へのシフトが進むなど厳しい状況が続きます。

食肉業界 売上トップ5(2022-2023年)

順位 企業名 売上高(億円)
1 日本ハム 12,597
2 伊藤ハム米久HD 9,226
3 プリマハム 4,307
4 スターゼン 4,251
5 エスフーズ 3,992

2022年の食肉業界の売上高ランキングを見ますと、首位の日本ハムが一歩リード、伊藤ハム米久HD、プリマハムと続きます。総合大手の日本ハムは食肉が強く、2位となる伊東ハム米久HDは加工品となるハム・ソーセージで首位を誇ります。

2022-2023年の食肉業界の業績は、日本ハムが前年比7.3%増、伊藤ハム米久HDが8.3%増、プリマハムが2.4%増でした。

高齢者の食肉需要も堅調 「惣菜」や「健康分野」にも注力

肉を調理する人たち

国内の食肉需要はしばらく続くと見られています。少子高齢化や人口減少傾向ではありますが、最近の高齢者は「肉に慣れ親しんだ時代」。食肉の需要はしばらくは堅調と見られています。

肉単体の需要も増加傾向にありますが、近年注目を浴びているのが「惣菜分野」。共働き世帯や単身世帯の増加で「食の簡便化」が求められており、簡単に食べられる惣菜のニーズが伸びてきています。

また、近年の健康志向の高まりにより、減塩や糖質ゼロのハムやソーセージ、ベーコン、サラダチキンなどのニーズも高まっています。食肉各社もこうした需要をとらえるべく、機能性を重視した商品の開発に力を入れています。

一方で、ハムやソーセージは、原材料費や人件費、物流費などのコストの増加が収益を圧迫しています。一方、以前ではこうしたコストを各社価格に転嫁できずにいましたが、2022年2月以降、ウクライナ危機や急激な円安などを受け、加工品や業務用の値上げに踏み切っています。今後さらなるコストの増加も懸念されており、値上げは必須になると予想されます。

食肉業界 ランキング&シェア

食肉業界の売上高ランキング&シェアをはじめ、純利益、利益率、総資産、従業員数、勤続年数、平均年収などをランキング形式でまとめました。各種ランキングを比較することで食肉市場のシェアや現状、動向を知ることができます。

食肉業界 売上高&シェアランキング(2022年-2023年)

順位 企業名 売上高(億円)
1 日本ハム 12,597
2 伊藤ハム米久HD 9,226
3 プリマハム 4,307
4 スターゼン 4,251
5 エスフーズ 3,992
6 丸大食品 2,219
7 滝沢ハム 294
8 福留ハム 248

※シェアとは食肉業界全体に対する各企業の売上高が占める割合です。シェアを比較することで食肉市場における各企業の占有率を知ることができます。矢印は対前年比の増減を表しています。下記のランキングをクリックするとそれぞれ食肉業界の詳細ランキングページにジャンプします。

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食肉業界 対象企業一覧

日本ハム、伊藤ハム米久HD、プリマハム、スターゼン、エスフーズ、丸大食品、滝沢ハム、福留ハムの計8社

注意・免責事項

 

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