牛丼業界の現状や動向、ランキング・シェアなどを研究しています。データは2022-2023年。牛丼業界の市場規模の推移をはじめ、大手牛丼チェーンの売上高と月次動向の推移グラフや各社の取り組みについて解説しています。
業界規模
0.4兆円
成長率
3.6%
利益率
2.4%
平均年収
665万円
牛丼業界の過去の業界規模の推移を見ますと、直近では上昇傾向にあります。
以下のグラフは、牛丼大手3社の過去7年間の売上高の推移です。2022年のゼンショーHDは前年比12.7%増の2,621億円、吉野家HDは前年比6.3%増の1,137億円、松屋フーズは同13.0%増の824億円でした(いずれも牛丼部門の売上高)。
牛丼大手3社の売上高の推移(出所:各社決算資料、グラフは業界動向サーチが作成)
牛丼大手3社の過去の売上高の推移をみますと、コロナにより2020年は若干の減少に転じましたが、2021年には業績が回復、2022年にはコロナ前の水準を上回る結果となっています
牛丼業界の売上高の規模としては、ゼンショーが一歩リードしており、吉野家、松屋と続きます。ゼンショーHDは「すき家」と「なか卯」を展開しています。「すき家」は店舗数日本一の牛丼チェーン店です。ゼンショーは今までM&Aで会社を拡大し、業績を伸ばしてきました。
吉野家HDは、「吉野家」を全国展開しています。吉野家は日本橋の魚市場から発足した創業100年を超える老舗牛丼店です。牛丼や豚丼を中心に展開しています。松屋フーズHDは、「松屋」を展開しています。定食やカレーや丼などメニューが豊富で、季節メニューも定評があります。
続いて、2021年から2023年、さらに直近の2024年10月の牛丼業界の動向を見ていきましょう。グラフは2021年から2024年10月までの牛丼チェーン3社の既存店売上高の推移です。数字は前年同月比となっています。
牛丼チェーン3社の既存店売上高の推移(出所:各社公表資料、グラフは業界動向サーチが作成)
2021-2024年の牛丼チェーン3社の推移は上昇傾向にあります。月によって増減はあるものの2021年から2024年まで上昇が継続しており、全体的には増加傾向にあることが分かります。
2022-2023年の牛丼業界は、コロナにより定着したテイクアウトニーズに加え、経済再開に伴う店内飲食の回復から好調な業績となりました。上図の月次推移を見ても2021年末から2023年にかけて緩やかな増加傾向になっています。
2020年のコロナ以降、飲食業界の環境は一変しました。牛丼業界は他の飲食業に比べて、テイクアウトが定着していましたが、コロナ以降はこの動きがより鮮明になっています。牛丼大手各社は従来の店内飲食に加え、テイクアウトを充実させるの施策を行ってきました。
「すき家」を展開するゼンショーは、中食需要を取り込むために「アプリ」、「WEB」、「電話」の3つ方法での予約注文が可能となっています。とくにアプリは使用時に自動的にクーポンが適用され、最安値になるなど利用の促進に力を入れています。
自動的にクーポンが適用される「すき家」の注文用アプリ
吉野家は、デリバリーや冷凍食品事業を強化しています。吉野家は「ウーバーイーツ」や「出前館」と提携し、18年比で25倍になっているデリバリー事業を強化します。さらに吉野家は、1.6倍に伸びている冷凍食品も強化。公式通販ショップも展開しており、「牛丼の具」など吉野家の味を自宅で食べることができます。
牛丼3位の松屋は、持ち帰り弁当やデリバリーの強化に加え、強みである商品開発に力を入れています。2020年は月に2回ほどのペースで季節限定商品の販売を進めています。
コンビニや中食に加え、コロナにより多くの飲食店がテイクアウトを始めたことから、牛丼業界を取り巻く環境はより厳しいものとなりました。一方で、2023年に入りコロナによる行動制限も落ち着いたことから店内飲食需要が回復。各社とも好調な業績を記録しています。
牛丼業界の売上高ランキング
&シェアをはじめ、純利益、利益率、総資産、従業員数、勤続年数、平均年収などをランキング形式でまとめました。各種ランキングを比較することで牛丼市場のシェアや現状、動向を知ることができます。
※ゼンショーHDは牛丼カテゴリー、吉野家HDは吉野家事業、松屋フーズは牛めし定食事業の売上高です。シェアとは牛丼業界全体に対する各企業の売上高が占める割合です。シェアを比較することで牛丼市場における各企業の占有率を知ることができます。矢印は対前年比の増減を表しています。下記のランキングをクリックするとそれぞれ牛丼業界の詳細ランキングページにジャンプします。
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