UDON
目次
グラフはうどん業界の業界規模(対象企業の7計)の推移をグラフで表したものです。
うどん業界の規模の推移を見ることでその市場の大まかな現状や動向を把握することができます。
2020年-2021年のうどん業界の業界規模(主要対象企業7社の売上高の合計)は1,142億円となっています。
うどん業界の過去6年間の業界規模の推移
この記事では外食のうどん業界の動向や現状について解説していきます。うどん業界(外食)の業界規模の推移を見ますと、2019年までは増加傾向にありましたが、2020年には減少に転じています。
下のグラフは主なうどん・和食チェーンの既存店売上高(前年比)の推移で、2020年から2022年の最新のうどん業界の動向を知ることができます。
主なうどん・和食チェーンの既存店 売上高の推移(各社公表資料、グラフは業界動向サーチが作成)
各社の既存店売上高は、2020年2月をピークに大幅減少し、4月の底値から上昇に転じています。21年4月、5月は前年が大きく落ち込んだため、急騰となっていますが、全体的には回復傾向にあることが分かります。とくに、2021年後半から2022年にかけて一定の上昇が見られます。
2020年のうどん業界は新型コロナによる外食自粛の影響を受け、減収減益を記録しています。2020年前半はコロナの影響で大幅に減少したものの、半ばからロードサイドを中心に回復。9月以降はショッピングセンターや都心も回復傾向にあります。しかしながら、全体的に他の飲食業に比べて戻りは鈍い傾向にあります。
ハンバーガーや弁当と異なり、「うどん」が持ち帰りに適していないことが戻りが鈍い原因として考えられます。コロナの動向が読めない現在、テイクアウトの需要をいかに取り込めるかが今後の課題となります。
うどん業界の2020年の売上高ランキングを見ますと、1位がトリドール、2位が吉野家HDでした。上位2社の売上高が大きいことが分かります。トリドールは「丸亀製麺」、吉野家HDは「はなまるうどん」を展開しています。
ちなみに、グルメ杵屋は「杵屋」や「めん坊」、サガミHDは「味の民芸」や「どんどん庵」、フジオフードは「つるまる」などを展開しています。2020年はランキング上位5社ともに減収となりました。
2020年は新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、うどん業界は減収減益を記録しました。飲食業界の中でも「うどん」はテイクアウトと相性が悪く、他の飲食業よりも巣ごもり需要を取り込めていない可能性があります。そのため、各社は様々な施策を実行しています。
「丸亀製麺」を展開するトリドールは、テイクアウト専門の容器を開発し、できたての食感を提供します。また、並ばずに持ち帰りができる「モバイルオーダー」や麺と具材をセットにした「丸亀うどん弁当」も展開。テイクアウトのさらなる取り込みを目指します。
丸亀製麺はテイクアウトを強化している「丸亀うどん弁当」
「はなまる」を展開する吉野家HDもモバイルオーダーなどテイクアウト事業を強化。さらに不採算店舗を50店退店するなど経営体質の改善に着手しています。「味の民芸」などを展開するサガミHDは、電話注文による宅配サービス「ごちたく」を展開しています。また、うどんやめんつゆなどのオンラインショップも手がけています。
ここ数年堅調に推移してきたうどん業界ですが、2020年のコロナにより状況は一変しました。イートイン割合が85%を超えるうどん業界は、今後もコロナの影響を大きく受けるでしょう。ポートフォリオの見直しと、どんな状況でも稼げる販売チャネルの構築が求められています。
順位 | 企業名 | 売上高 | シェア | 単位:億円 |
1 | トリドールHD ※ | 809 | 70.9 | |
2 | 吉野家HD ※ | 201 | 17.6 | |
3 | サガミHD ※ | 53 | 4.6 | |
4 | グルメ杵屋 ※ | 37 | 3.2 | |
5 | フレンドリー ※ | 18 | 1.6 | |
6 | フジオフードグループ本社 ※ | 14 | 1.2 | |
7 | ライフフーズ ※ | 10 | 0.8 |