製粉業界の現状、動向、ランキングなどを解説

小麦の製粉作業の工程

製粉業界の動向や現状、ランキング、売上高シェアなどを掲載しています。データは2021-2022年。過去の製粉業界の市場規模の推移をはじめ、小麦消費量の推移や最近の消費者のトレンド、製粉大手3社の海外事業の現状、製粉業界の今後の動向などをご紹介しています。

製粉業界(2021-2022年)

製粉業界の推移と基本情報

業界規模

1.4兆円

成長率

3.8

利益率

3.2

平均年収

499万円

  • 11年
  • 12年
  • 13年
  • 14年
  • 15年
  • 16年
  • 17年
  • 18年
  • 19年
  • 20年
  • 21年

製粉業界の過去の業界規模の推移を見ますと、2018年まではほぼ横ばいで推移し、2019年は増加、以降2021年まで概ね横ばいで推移しています。

製粉業界の動向と現状(2021-2022年)

2021年の小麦消費量は21%減 相次ぐ小麦価格の値上げ

下のグラフは小麦の国内消費仕向量の推移をあらわしたものです。

小麦の国内消費仕向量の推移

小麦の国内消費仕向量の推移(出所:農林水産省、グラフは業界動向サーチが作成)

農林水産省の食糧需給(2022年8月5日公表)によると、2021年度の小麦の消費仕向量(国内で小麦粉に使用される小麦の量)は、前年度比21.4%減の508.5万トンとなりました。

2021-2022年の製粉業界の動向を見ますと、国内では経済活動の回復が徐々に見られたことで、業務用の需要は回復傾向にありました。一方、家庭用は前年の巣ごもり需要の高まりから一転して需要が縮小しています。海外市場においては、主に米国での業績が好調に推移、小麦の相場上昇や為替なども業績に貢献することとなりました。

2021-2022年に入り、大手製粉会社は相次いで値上げを実施しています。小麦の価格高騰に加え、円安や燃料費高などの影響を大きく受けており、コスト上昇分を商品価格に転嫁し始めています。

2022年3月期の大手製粉会社の業績は、日清製粉グループ本社が売上高前年度比±0%、ニップンが11.4%増、昭和製粉は12.4%の増加となりました。

製粉大手3社が海外に積極進出 日清製粉6割が海外

大手製粉会社では海外事業を成長事業の一つと位置付けており、海外における製粉会社の買収および小麦粉やプレミックスの新工場の建設を進めています。

業界首位の日清製粉グループ本社は、すでに小麦粉の生産能力は海外が60%を占めており、国内の1.5倍の規模に拡大しています。2012年の米国進出をきっかけにニュージーランドの製粉事業やタイの製粉会社を買収。2018年には豪州最大の製粉会社「アライド・ピナクル」の買収で、豪州市場への本格参入を果たしています。

業界2位の日本製粉は、ASEAN地域におけるプレミックス需要の高まりを受け、中国とタイにプレミックス工場を増設、海外での生産能力の増強を図っています。その他、米国やインドネシアにも進出しており、今後も海外事業比率を伸ばす意向です。

同3位の昭和産業も同様にASEAN地域でのプレミックスの製造を強化しており、2018年にはベトナムに新会社を設立。また、2019年11月には台湾の「大成集団」との合弁事業を発表し、事業領域の拡大を進めています。

国内市場は少子高齢化に伴う需要の減少で、今後大きな消費が見込めないことが予想されています。こうした市況により、製粉大手3社は成長著しいASEAN地域や消費の拡大が見込める海外での事業拡大を加速させています。

「小麦」不安定な相場続く TPP発効による関税引き下げ

製粉業界は、原材料である小麦の価格に影響を受けやすい業界です。

日本で消費される小麦は約9割が輸入頼みです。政府が一括で買い入れた小麦を国内の製粉会社が買取る「政府売渡制度」が設けられており、輸入小麦の価格は政府によって決められています

また、小麦の価格は関税や為替、天候不順、輸送コスト、新興国の食生活の変化など様々な要因が反映されており、小麦粉価格は下落や上昇を繰り返すなど不安定な相場が続いています。さらに、2022年2月のロシア・ウクライナ危機により、小麦の国際価格が高水準で推移しています。このような市況は製粉会社の業績に大きな影響を与えています。

国際貿易関係では2018年の「TPP11協定」、2019年の「日EU・EPA協定」や日米貿易協定が発足し、小麦や小麦粉製品の二次加工製品の関税引下げが進んでいます。

そうした中、製粉業界では貿易協定をリスク要因の一つとして認識しています。関税引き下げによる輸入品の二次加工品(パスタやクッキー等)の需要拡大により、国内の小麦粉需要は減退し、製粉業界の規模が縮小する恐れがあります。

今後、世界的な人口の増加、異常気象による穀物の収穫減など世界の穀物相場の高騰と食料争奪のリスクが懸念されます。また、ビジネス環境が大きく変化することで業界内での競争激化、さらなる事業拡大を求め、業界再編や事業提携など大きな動きが起きる可能性もあります。

製粉業界 ランキング&シェア

製粉業界の売上高ランキング&シェアをはじめ、純利益、利益率、総資産、従業員数、勤続年数、平均年収などをランキング形式でまとめました。各種ランキングを比較することで製粉市場のシェアや現状、動向を知ることができます。

製粉業界 売上高&シェアランキング(2021年-2022年)

順位 企業名 売上高(億円)
1 日清製粉グループ本社 6,797
2 ニップン 3,213
3 昭和産業 2,876
4 日東富士製粉 593
5 日本食品化工 506
6 鳥越製粉 227

※シェアとは製粉業界全体に対する各企業の売上高が占める割合です。シェアを比較することで製粉市場における各企業の占有率を知ることができます。矢印は対前年比の増減を表しています。下記のランキングをクリックするとそれぞれ製粉業界の詳細ランキングページにジャンプします。

その他のランキング

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製粉業界 対象企業一覧

日清製粉グループ本社、日本製粉、昭和産業、日東富士製粉、日本食品化工、鳥越製粉の計6社

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