即席麺業界の動向や現状、ランキングなどを研究

カップラーメン

即席麺(インスタント麺)業界の動向や現状、ランキング&シェアなどを研究しています。データは2021-2022年。即席麺業界の過去の市場規模の推移をはじめ、即席麺(袋麺、カップ麺)の生産量の推移、2021年のコロナの影響と売上高ランキング、各社の海外展開の動向などを解説しています。

即席麺業界(2021-2022年)

即席麺業界の推移と基本情報

業界規模

0.8兆円

成長率

-0.2

利益率

3.6

平均年収

606万円

  • 15年
  • 16年
  • 17年
  • 18年
  • 19年
  • 20年
  • 21年

即席麺業界の過去の業界規模の推移を見ますと、横ばいで推移しています。

即席麺業界の動向と現状(2021-2022年)

2022年の即席麺生産は横ばい 原材料高の懸念も

農林水産省の食品産業動態調査によると、2022年の即席麺の生産量は前年比1.8%減の389,759トンでした。袋麺は同13.3%減の168,224トン、カップ麺は9.1%増の221,515トンでした。

即席麺の生産量の推移(出所:農林水産省、グラフは業界動向サーチが作成)

即席麺は主に「袋麺」と「カップ麺」に分けられます。「袋麺」はいわゆるインスタントラーメンと呼ばれるもので、麺を鍋などで茹でて調味料を加えて食べるタイプのものです。カップ麺は容器に麺がセットされており、そのままお湯を入れて食べるタイプのものです。

即席麺の生産量の推移をみますと、2014年から2022年までほぼ横ばいで推移しています。袋麺、カップ麺も同様の推移を見せており横ばいの推移です。

2021-2022年は、昨年から続く新型コロナ感染拡大の影響に伴う巣ごもり消費増加の影響で、即席麺の売上高は堅調な推移を見せました。一方で、2021年後半からは経済再開の動きが見られ、家族が家で食べる機会の多かった昨年に比べて袋麺の売上が減少しました。また、2021年後半から2022年にかけて、原材料である小麦やパーム油等の価格の高騰が見られ、今後の収益性の低下が懸念されています。

2022年に入り即席麺業界では、主力商品や高付加価値商品の他、リニューアルや人気アニメとのコラボなどが功を奏し好調に推移しています。一方、小麦粉や油脂などの原材料費、パッケージやエネルギー価格、物流費などのコストが高騰しており、価格改定を行っています。その影響から、一部の商品で販売数量の減少が見られています。

即席麺業界 売上トップ5(2021-2022年)

順位 企業名 売上高(億円)
1 日清食品HD 3,915
2 東洋水産 2,097
3 サンヨー食品 1,379
4 エースコック 313
5 シマダヤ 312

※は即席麺関連の部門売上高です。即席麺業界の2021-2022年の売上高ランキングを見ますと、日清食品HD、東洋水産、サンヨー食品が高いシェアを占めています。首位の日清食品HDは明星食品を傘下に持っており、「チキンラーメン」、「出前一丁」、「カップヌードル」を展開しています。

東洋水産は「マルちゃん正麺」、「赤いきつね」などを、サンヨー食品は「サッポロ一番」、「カップスター」などを展開しています。いずれも定番の馴染みのある商品ばかりですね。2021-2022年は、大手即席麺メーカー5社中2社が増収、2社が減収、1社が横ばいとなりました。全体としては「横ばい」で推移しています。

国内の即席麺は成熟市場へ 「海外事業」を強化

海外を模索する人々

国内の即席麺市場は成熟期を迎え、近年では横ばいの推移となっています。今後も高齢化や人口減少など市場環境が良いとは言えません。こうした動向を踏まえ、即席麺メーカーは海外事業の強化に取り組んでいます。

即席麺首位の日清食品HDは「カップヌードル」を武器に、海外事業に力を入れています。カップヌードルは今や世界100カ国以上で販売され、販売額は2,000億円に達します。各地域の市場環境や消費者の好みに合わせて最適化され、欧州、中国・アジア、北中米、南米を中心に販売されています。

発売50周年を迎え、世界累計販売500億食を突破した『カップヌードル』

発売50周年を迎え、世界累計販売500億食を突破した『カップヌードル』

即席麺2位の東洋水産も海外事業の強化に力を入れています。東洋水産では米国やメキシコを中心に、タイや中国、台湾など一部アジアでも展開しています。今後も、好調な米国とメキシコをメインに、テキサス工場の第6ラインの増産など生産体制の強化を図ります。

「サッポロ一番」などを展開するサンヨー食品は、中国や東南アジア、北米、サブサハラアフリカを中心に海外展開しています。グループ会社に中国即席麺の最大手、麺康師傅(カンシーフ)があり、中国を中心に展開を進めます。

2021年の即席麺業界は、昨年からの巣ごもり需要の追い風もあり、堅調に推移しました。一方、2021年後半から2022年にかけて、原材料価格の上昇など一部で懸念要因もあります。国内の即席麺業界は成熟市場となっていますが、海外ではまだまだ成長の余地があります。日本で培われた高い技術力や生産力を活かし、海外でのさらなる発展を期待したいところです。

即席麺業界 ランキング&シェア

即席麺業界の売上高ランキング&シェアをはじめ、純利益、利益率、総資産、従業員数、勤続年数、平均年収などをランキング形式でまとめました。各種ランキングを比較することで即席麺市場のシェアや現状、動向を知ることができます。

即席麺業界 売上高&シェアランキング(2021年-2022年)

順位 企業名 売上高(億円)
1 日清食品HD 3,915
2 東洋水産 2,097
3 サンヨー食品 1,379
4 エースコック 313
5 シマダヤ 312
6 マルタイ 79
7 ユタカフーズ 46

※日清食品HDは日清食品+明星食品+米州地域+中国地域事業、東洋水産は国内即席麺+海外即席麺事業、ユタカフーズは即席麺事業の売上高です。シェアとは即席麺業界全体に対する各企業の売上高が占める割合です。シェアを比較することで即席麺市場における各企業の占有率を知ることができます。矢印は対前年比の増減を表しています。下記のランキングをクリックするとそれぞれ即席麺業界の詳細ランキングページにジャンプします。

その他のランキング

関連リンク

即席麺業界を見た人は他にこんなコンテンツも見ています。関連業種の現状や動向、ランキング、シェア等も併せてご覧ください。

即席麺業界 対象企業一覧

日清食品HD、東洋水産、サンヨー食品、エースコック、シマダヤ、マルタイ、ユタカフーズの計7社

注意・免責事項

即席麺業界の動向や現状、ランキング、シェア等のコンテンツ(2021-2022年)は上記企業の有価証券報告書または公開資料に基づき掲載しております。即席麺業界のデータは上記企業のデータの合計または平均を表したものです。掲載企業に関しましてはできる限り多くの企業を反映させるよう努めていますが、全ての企業を反映したものではありません。あらかじめご了承ください。また、情報に関しましては精査をしておりますが、当サイトの情報を元に発生した諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負うものではありません。重要な判断を伴う情報の収集に関しましては、必ず各企業の有価証券報告書や公開資料にてご確認ください。