ディスカウントストア業界の業界レポート。動向や現状、シェア、売上高、純利益、勤続年数、平均年収等のランキングを掲載しています。データは2022-2023年。対象企業の過去の業績を追うことでディスカウントストア業界全体の現状や動向、傾向を知ることができます。
業界規模
4.0兆円
成長率
6.8%
利益率
2.3%
平均年収
533万円
ディスカウントストア業界の過去の業界規模の推移を見ますと、増加傾向にあります。
2022-2023年のディスカウントストア業界上位5社の業績を見ますと、売上高はPPIH(旧ドン・キホーテHD)が前年比5.8%増、トライアルが同9.7%増、オーケーが5.4%増、サンドラッグ(ディスカウント事業)が5.9%増、大黒天物産が8.1%増と、上位5社の売上高は揃って前年比増加を計上しています。
ディスカウントストアは、食品や衣類、家具、家電、日用品などの幅広い商品を取り扱い、低価格で販売するスタイルが特徴です。一次問屋や二次問屋といった中間マージンを排除したり、店内のディスプレイを簡素化することで、商品をできるだけ安く提供することに重きを置いています。
国内のディスカウントストア業界を見ますと、首位のPPIH(旧ドン・キホーテHD)が断トツの売上高を誇ります。2023年6月決算では34期連続の増収増益を記録しました。
同社はコロナ禍の2020年と2021年はインバウンド需要が激減し、例年に比べて苦戦を強いられました。一方で季節商品の需要が好調だったことや、PB商品の開発、OEM(委託生産)の強化が記録更新に寄与しました。
2022年10月には海外からの水際対策が緩和され、予想を上回るインバウンド需要の回復が見られました。また、外出やイベント需要の回復により旅行用品や化粧品、季節商品などが伸長、さらに物価上昇にともなう消費者の生活防衛意識の高まりで、PB商品が功を奏しています。
近年はショッピングモールの「アピタ」や「ピアゴ」をドン・キホーテに業態転換しているほか、売り場面積の狭い小型店舗を展開し、駅や空港、高速道路などにも出店を増やしています。また、海外では北米66店舗、アジア38店舗(2024年5現在)を出店し、アジアでは「DON DON DONKI」の名称で展開しています。
順位 | 企業名 | 売上高(億円) | |
1 | パン・パシフィック・インタ… | 19,367 | |
2 | トライアルHD | 6,531 | |
3 | オーケー | 5,533 | |
4 | サンドラッグ ※ | 2,885 | |
5 | 大黒天物産 | 2,422 |
※は部門売上高。ディスカウントストア業界の売上高ランキングでは、パン・パシフィック・インターナショナルが2位以下を大きく引き離し独走状態です。ドン・キホーテを展開する同社は米国の高級スーパー「Gelson's」運営のGRCY HDを2021年4月に買収、国内では出店を加速させ事業規模の拡大を図っています。
2022年のディスカウント業界の業績は、主要企業9社中5社が対前年比で増加を記録しました。前年に比べコロナ特需や巣ごもり需要の反動減が見られた企業もありますが、全体では業界規模は拡大傾向です。
現在、堅調な推移を見せているディスカウントストア業界においては、国内の景気の先行きがより不透明になればさらなる需要の増加も予想されます。
近年のディスカウント業界の動向を見ますと、2020-2021年においては、生活用品や食品のみならず、新型コロナウイルスの感染拡大を機にマスクやアルコール消毒液といった衛生用品の販売量が急増しました。一方、2022-2023年はインバウンド需要により免税品が急回復、さらに外出需要の高まりで旅行やコスメ用品が伸長しました。
また、ディスカウントショップでは食品の需要が高まっています。サンドラッグが展開する「ダイレックス」では、生鮮食料品の導入および食料品の販売に注力しています。 また、2024年3月にオープンしたMEGAドン・キホーテ成増店においても、精肉や生鮮食品など豊富な品揃えで販売を強化しています。
一方、近年では100円均一、格安スーパーをはじめ、ドラッグストアや家電量販店でも、食品や日用品を多く扱うようになり、業界の垣根が消えつつあります。業界内のみならず業界外でも競争が激しくなっています。
2022年以降はウクライナ危機や円安の進行などを受けコストが高騰、幅広い分野で値上げが行われています。こうしたことからも今後、消費者の節約志向が高まり、企業間での価格競争も激しくなることが予想されます。また、消費者の見る目も厳しくなっており、低価格でも高品質なものや食品の鮮度の良さといった、商品のクオリティも重要となってきます。
ディスカウントストア業界の売上高ランキング&シェアをはじめ、純利益、利益率、総資産、従業員数、勤続年数、平均年収などをランキング形式でまとめました。各種ランキングを比較することでディスカウントストア市場のシェアや現状、動向を知ることができます。
順位 | 企業名 | 売上高(億円) | シェア | |
1 | パン・パシフィック・インタ… | 19,367 | ||
2 | トライアルHD | 6,531 | ||
3 | オーケー | 5,533 | ||
4 | サンドラッグ ※ | 2,885 | ||
5 | 大黒天物産 | 2,422 | ||
6 | ミスターマックス・HD | 1,269 | ||
7 | PLANT | 953 | ||
8 | Olympicグループ | 859 | ||
9 | マキヤ | 715 |
※サンドラッグはディスカウントストア事業の売上高です。シェアとはディスカウントストア業界全体に対する各企業の売上高が占める割合です。シェアを比較することでディスカウントストア市場における各企業の占有率を知ることができます。矢印は対前年比の増減を表しています。下記のランキングをクリックするとそれぞれディスカウントストア業界の詳細ランキングページにジャンプします。
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パン・パシフィック・インタ…、トライアルHD、オーケー、サンドラッグ、大黒天物産、ミスターマックス・HD、PLANT、Olympicグループ、マキヤの計9社
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ディスカウントストア 売上高ランキング(2022-23)
企業名 | 売上高 | ||
1 | パン・パシフィック・インタ… | 19,367 | |
2 | トライアルHD | 6,531 | |
3 | オーケー | 5,533 | |
4 | サンドラッグ | 2,885 | |
5 | 大黒天物産 | 2,422 |