カー用品店業界の動向や現状、ランキング、シェアなどを分析・研究しています。データは2022-2023年。カー用品店業界の過去の市場規模の推移をはじめ、カーグッズの売れ筋の現状、消費者のトレンドの動向、各社の取り組みと海外展開の状況などを解説しています。
業界規模
0.5兆円
成長率
2.7%
利益率
5.5%
平均年収
544万円
カー用品店業界の過去の業界規模の推移を見ますと、緩やかな増加傾向にあります。
カー用品店大手5社の売上高の推移(各社公表資料、グラフは業界動向サーチが作成)
グラフは2022年のカー用品業界上位5社の売上高の推移です。オートバックスは前年比3.4%増の2,362億円、イエローハットは同0.6%減の1,471億円、フジ・コーポレーションは10.8%増の430億円、G-7 HDは10.4%増の405億円、アイエーグループは6.1%増の297億円でした。
2022-2023年のカー用品業界は、半導体不足が製品の販売に良くも悪くも影響を与えた年でした。新車減産に伴い既存車両のメンテナンス需要が増加し、タイヤやオイル、バッテリーなどの販売が好調でした。また、値上げ前の駆け込み需要や寒波による冬季用品の需要が高まり、スタッドレスタイヤの販売が好調に推移しました。
一方、半導体不足による自動車メーカーの減産を受け、カーナビやドライブレコードなどの需要は減少することとなりました。
近年ではあおり運転の相次ぐ報道に伴いドライバーの安全意識が高まり、ドライブレコーダーの販売台数が急伸しています。高機能な前後2カメラタイプや360度タイプといった高単価製品が好調で、不振のカーナビ需要をカバーする形となりました。その他、行政の補助金対象となる急発進防止装置ペダルも注目を集めました。
カー用品業界では消費者の節約志向など生活防衛意識の高まりから需要が伸び悩み、一人当たりのカー用品の販売単価が下落しているのが現状です。ピーク時の1990年代後半と比較すると、業界規模は緩やかな縮小傾向にあります。
さらに、新車販売時におけるカー用品の標準装備化、自動車の性能向上によるメンテナンス用品の交換サイクルの長期化、スマホ地図アプリの普及によるカーナビ需要の低下、ネット販売の市場拡大など逆風が続いています。
また、若年層の『クルマ離れ』も深刻な問題となっています。カー用品は新車の販売台数に影響を受けるため、新たな買い手である若年層のニーズが減少していることは、今後の業界の先行きに大きな影を落とします。
各社ともにこうした動きを受け、カー用品の販売拡充に加え、タイヤ交換やメンテナンスといった、車検や整備など付帯サービスの強化や新たな市場の模索を行っています。
順位 | 企業名 | 売上高(億円) | |
1 | オートバックスセブン | 2,362 | |
2 | イエローハット | 1,471 | |
3 | フジ・コーポレーション | 430 | |
4 | G-7HD ※ | 405 | |
5 | アイエーグループ ※ | 297 |
※はカー用品関連部門の売上高。カー用品店業界の売上高ランキングを見ますと、首位がオートバックスセブン、2位がイエローハット、3位にフジ・コーポレーションが入っています。カー用品では売上高トップのオートバックスは、コロナ禍でも利益も順調に伸ばし、増益を記録しています。
2022-2023年のカー用品店業界の大手5社の業績は、前年から3社が増加、2社が横ばいで推移しました。また、主要企業12社の合計を見ますと、コロナ前の2019年の水準を上回り足元では回復傾向にあります。
国内のカー用品市場は、少子高齢化や人口減少、自動運転車の開発、シェアリングサービスなどの新たな市場の登場を背景に、縮小していくことが予想されています。こうした市況から、カー用品店各社は事業の多角化や海外進出に乗り出しています。
カー用品店国内最大手のオートバックスセブンでは、事業の多角化や海外展開を行っています。国内では中古車や新車の販売事業、アウトドア用品専門店を展開。海外では卸売、小売・サービスビジネスでは7つの国と地域で78店舗を運営(2023年3月末現在)し、フランスやオーストラリア、シンガポール、中国、マレーシアなどに進出しています。
オートバックスセブンの海外事業
同社は、2022年に日本初となる車を通じたライフスタイルショップ『JACK & MARIE』を立ち上げアパレル事業をスタート、さらにオリジナルブランド「GORDON MILLER」を墨田区で展開、2023年5月にはコンセプトストア「ARTA」オープンしました。また、2032年をめどに既存事業の拡大とマイクロモビリティなどの新規事業の推進で売上高5,000億円を目指します。
業界2位に位置するイエローハットは、ホームセンターや介護などの事業の多角化戦略を図っていましたが、不採算事業の縮小や撤退を行いました。主力のカー用品事業のさらなる拡大に加え、車検や二輪事業も強化しています。
G-7HDはオートバックスのFC他、業務スーパーのFCも展開しています。業務スーパーに加え精肉店や全国各地の厳選食品、PB商品の開発を手掛けるなど、食品関連事業は売上全体の65%を占めています。その他、農産物直売所運営のアグリ事業を展開、海外事業はオートバックス事業とバイク用品事業でタイとマレーシアに進出しています。
アイエーGPは、オートバックスのFCとブライダル事業の2本柱としています。売上高構成比はオートバックスが84%、ブライダルが11%、その他では不動産事業なども手掛けます。
カー用品店業界の売上高ランキング&シェアをはじめ、純利益、利益率、総資産、従業員数、勤続年数、平均年収などをランキング形式でまとめました。各種ランキングを比較することでカー用品店市場のシェアや現状、動向を知ることができます。
順位 | 企業名 | 売上高(億円) | シェア | |
1 | オートバックスセブン | 2,362 | ||
2 | イエローハット | 1,471 | ||
3 | フジ・コーポレーション | 430 | ||
4 | G-7HD ※ | 405 | ||
5 | アイエーグループ ※ | 297 | ||
6 | ホットマン ※ | 167 | ||
7 | ソフト99コーポレーション ※ | 147 | ||
8 | バッファロー | 107 | ||
9 | オートウェーブ | 79 | ||
10 | KeePer技研 ※ | 73 |
※G-7HDは車関連事業、アイエーグループはカー用品事業、ホットマンはイエローハット事業、ソフト99コーポレーションはファインケミカル事業、KeePer技研はキーパー製品等関連事業の売上高です。シェアとはカー用品店業界全体に対する各企業の売上高が占める割合です。シェアを比較することでカー用品店市場における各企業の占有率を知ることができます。矢印は対前年比の増減を表しています。下記のランキングをクリックするとそれぞれカー用品店業界の詳細ランキングページにジャンプします。
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オートバックスセブン、イエローハット、フジ・コーポレーション、G-7HD、アイエーグループ、ホットマン、ソフト99コーポレーション、バッファロー、オートウェーブ、KeePer技研、ムラキ、ウェッズの計12社
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カー用品店 売上高ランキング(2022-23)
企業名 | 売上高 | ||
1 | オートバックスセブン | 2,362 | |
2 | イエローハット | 1,471 | |
3 | フジ・コーポレーション | 430 | |
4 | G-7HD | 405 | |
5 | アイエーグループ | 297 |