ホームセンター業界の動向や現状、ランキングを解説

ホームセンターの売り場

ホームセンター業界の動向や現状、ランキング&シェアなどを研究しています。データは2021-2022年。過去のホームセンター業界の業界規模の推移をはじめ、ホームセンター販売額の推移グラフ、2021年の動向と月次売上高、商品別販売額の分析などを行っています。

ホームセンター業界(2021-2022年)

ホームセンター業界の推移と基本情報

業界規模

3.6兆円

成長率

5.8

利益率

3.7

平均年収

553万円

  • 16年
  • 17年
  • 18年
  • 19年
  • 20年
  • 21年

ホームセンター業界の過去の業界規模の推移を見ますと、2020年に大幅に増加し、2021年は横ばいで推移しています。

ホームセンター業界の動向と現状(2021-2022年)

2022年の販売額は1.4%減の3.3兆円 『巣ごもり特需』の反動減続く

経済産業省の「商業動態統計(2023年2月公表)」によると、2022年のホームセンターの販売額は、前年比1.4%減の3兆3,420億円でした。

ホームセンターの販売額の推移

ホームセンターの販売額の推移(出所:経済産業省、グラフは業界動向サーチが作成)

ホームセンターの過去9年の販売額の推移を見ますと、2019年までの6年間は横ばいで推移し、2020年は増加に転じました。一方、2021年と2022年は減少していますが、中長期的には横ばいで推移しています。

2020年のホームセンター業界は『コロナ特需』や『巣ごもり需要』の恩恵を受けた年で、マスクやトイレタリー、DIYや園芸用品が好調に推移し、大幅な増収を記録しました。

一方、2021年は『コロナ特需』や『巣ごもり需要』の反動減が見られました。感染の再拡大があったのの、衛生用品であるマスクやアルコール消毒剤、室内用トレーニング用品やカー用品など、コロナ関連商材の特需は落ち着きを見せました。一方、ペット用品やアウトドア用品、園芸、ビジネスチェアや机などは比較的好調でした。

近年、ホームセンター業界は新規出店で事業を拡大してきましたが、ここ数年はオーバーストア化や異業種との競合により飽和状態にあります。そのため、各社は新規出店のスピードを抑え、再編や新規事業の展開、プロ向け事業の強化などにシフトしています。

DCMホールディングスは、2021年3月に事業会社5社を統合した他、物流センターの新設、ECやアプリなどのデジタル分野を強化しています。コーナン商事はプロ専門店の拡大や、新業態のキャンプ専門店「CAMP DEPO」を20年9月にオープンしています。

2020年11月には、ニトリHDが「島忠」を買収しましたが、同買収を巡ってはDCM HDと競争を繰り広げることとなりました。また、2022年3月にはカインズが東急ハンズを完全子会社化するなど、業界内では再編に向けた動きが高まっています

ホームセンター業界 売上トップ5(2021-2022年)

順位 企業名 売上高(億円)
1 カインズ 4,826
2 DCMホールディングス 4,447
3 コーナン商事 4,412
4 コメリ 3,760
5 アークランズ 3,571

2021年のホームセンター業界の売上高ランキングを見ますと、5社中4社が前年比マイナスを記録、プラスはビバホームの連結子会社化で大幅増収となったアークランズ1社のみでした。増減幅ではカインズが前年比0.6%減、DCMホールディングスが同5.6%減、コーナン商事が0.2%減、コメリが2.5%減、アークランズが100.1%の増加でした。

2021年のホームセンターの業界規模は前年から横ばいでした。主要企業23社のうち、売上高が前年を上回ったのは4社のみとなっており、こうしたことからも『コロナ特需』に陰りが見えていることが伺えます。

『巣ごもり特需』に一服感 2022年の月次売上は横ばいで推移

ホームセンター内を買い物する人

続いて2021年から2023年のホームセンターの動向を見ていきましょう。以下のグラフはホームセンター大手4社の月次売上高の推移です。数値は前年比の割合を示しています。

ホームセンター大手4社の月次売上高の推移

ホームセンター大手4社の月次売上高の推移(出所:各社公表資料、グラフは業界動向サーチが作成)

グラフを見ますと、2021-2022年はおおむね前年比100%を下回る水準で推移しています。加えて、2023年3月までのホームセンター各社の業績を見ますと、2020年のコロナによる『巣ごもり特需』に一服感が見られています。

また、円安の進行やエネルギー価格、原材料費などの高騰によって商品価格が上昇しており、消費者の節約志向が高まっています。こうした状況からも、先行きに対する不透明感が増しています。

主要商品の動向 『DIYと園芸用品』がコロナ前から需要増へ

続いて、2022年のホームセンターの商品別販売額の動向を見てみましょう。

ホームセンターの商品別販売額の推移

ホームセンターの商品別販売額の推移(出所:経済産業省、グラフは業界動向サーチが作成)

ここ数年、ホームセンターの市場は停滞気味でしたが、2020年は9カテゴリー中8つが前年比プラス、とくに主要商品の大幅な伸びが業績を牽引しました。一方、2021年と2022年は、全体的に2020年のコロナ特需の反動減が見られています。

全売上の6割を占めるのが「DIY用品」「家庭・日用品」「園芸・エクステリア」です。カテゴリー別で見ますと、DIY用品が前年比1.7%減、家庭・日用品が同1.2%減、園芸・エクステリアが0.2%減となりました。一方、コロナ前の2019年と比較すると「DIY用品」は7.0%増、「園芸・エクステリア」は12.6%も伸びています

2021年は感染予防や巣ごもり関連の需要が、前年から減少および横ばいでした。また、テレワークの普及に伴い、オフィス用品は2年連続で縮小しました。一方、ホームセンター大手を見ますと、プロ向けの資材や工具、作業用品やリフォーム関連の需要が伸びています。その他、園芸用品やアウトドア用品の需要も引き続き堅調でした。

2020年のホームセンター業界は『コロナ特需』の恩恵を受け、業績は好調な結果となりましたが、2021年に入り『コロナ特需』に陰りが見え始めています。コロナ禍の恩恵を受けてきたホームセンター業界ですが、今後の動向を注意して見ていく必要があります。

ホームセンター業界 ランキング&シェア

ホームセンター業界の売上高ランキング&シェアをはじめ、純利益、利益率、総資産、従業員数、勤続年数、平均年収などをランキング形式でまとめました。各種ランキングを比較することでホームセンター市場のシェアや現状、動向を知ることができます。

ホームセンター業界 売上高&シェアランキング(2021年-2022年)

順位 企業名 売上高(億円)
1 カインズ 4,826
2 DCMホールディングス 4,447
3 コーナン商事 4,412
4 コメリ 3,760
5 アークランズ 3,571
6 ナフコ 2,065
7 アレンザHD 1,569
8 ニトリHD 1,370
9 ジョイフル本田 1,235
10 バローHD 1,229

※シェアとはホームセンター業界全体に対する各企業の売上高が占める割合です。シェアを比較することでホームセンター市場における各企業の占有率を知ることができます。矢印は対前年比の増減を表しています。下記のランキングをクリックするとそれぞれホームセンター業界の詳細ランキングページにジャンプします。

その他のランキング

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ホームセンター業界 対象企業一覧

カインズ、DCMホールディングス、コーナン商事、コメリ、ナフコ、アークランドサカモト、アレンザHD、島忠、ジョイフル本田、バローHD、ケーヨー、ワークマン、Olympicグループ、PLANT、綿半HD、スーパーバリュー、サンデー、ジュンテンドー、カンセキ、エンチョー、ハンズマン、セキチュー、大塚家具、カッシーナ・イクスシーの計23社

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