ホームセンター業界の動向や現状、ランキング&シェアなどを研究しています。データは2022-2023年。過去のホームセンター業界の業界規模の推移をはじめ、ホームセンター販売額の推移グラフ、2022年の動向と最新の月次売上高、商品別販売額の分析などを行っています。
業界規模
3.6兆円
成長率
4.2%
利益率
2.8%
平均年収
564万円
ホームセンター業界の過去の業界規模の推移を見ますと、直近では横ばいで推移しています。
経済産業省の「商業動態統計(2023年2月公表)」によると、2022年のホームセンターの販売額は、前年比1.4%減の3兆3,420億円でした。
ホームセンターの販売額の推移(出所:経済産業省、グラフは業界動向サーチが作成)
ホームセンターの過去9年の販売額の推移を見ますと、2019年までは横ばいで推移し、2020年は増加に転じています。一方、2022年は2年連続で減少となりましたが、中長期的には横ばいで推移しています。
2022年のホームセンター業界の動向を見ますと、昨年から引き続きアウトドア用品や園芸関連、ペットやカー用品が堅調に推移しました。また、金物や農薬、堆肥、リフォーム資材などプロ向け商材も好調となりました。
また、2022年は行動制限が緩和された一方で、ウクライナ危機や急速な円安、原材料費やエネルギー価格の高騰で、消費者の節約意識が高まっています。買い控えが見られる反面、省エネ対応の冷暖房用品、防寒グッツや断熱カーテンなどは好調でした。一方、洗剤などの日用品、インテリア、収納用品は低調となるなど、在宅需要の反動減が見られています。
近年、ホームセンター業界は新規出店で事業を拡大してきましたが、ここ数年はオーバーストア化や異業種との競合により飽和状態にあります。そのため、各社は新規出店のスピードを抑え、再編や新規事業の展開、プロ向け事業の強化などにシフトしています。
DCMホールディングスは、2021年3月に事業会社5社を統合し、物流センターを新設。ECやアプリなどのデジタル分野を強化し、2022年3月には家電ECのエクスプライスを買収しました。コーナン商事はプロ専門店を中心に出店を加速、⼯具や作業服専⾨店「PRO WORK&TOOL」、建設資材や工具のアウトレット「建deMOT」など新業態も展開しています。
また、2021年にはニトリが島忠を完全子会社か、2022年3月にはカインズが東急ハンズを完全子会社化するなど、業界内では再編に向けた動きが高まっています。
順位 | 企業名 | 売上高(億円) | |
1 | カインズ | 5,158 | |
2 | DCMホールディングス | 4,768 | |
3 | コーナン商事 | 4,390 | |
4 | コメリ | 3,794 | |
5 | アークランズ | 3,134 |
2022年のホームセンター業界の売上高ランキングを見ますと、5社中カインズとDCM HDの2社のみが増収でした。増減幅ではカインズが前年比6.9%増、DCM HDが同7.2%増、コーナン商事が0.5%減、コメリが0.9%減、アークランズが12.2%の増加でした。
2022年のホームセンターの業界規模は前年から横ばいでした。主要企業23社のうち、売上高が前年を上回ったのは3社のみとなっており、『コロナ特需』が消滅したことが伺えます。
続いて2021年から2024年のホームセンターの動向を見ていきましょう。以下のグラフはホームセンター大手4社の月次売上高の推移です。数値は前年比の割合を示しています。
ホームセンター大手4社の月次売上高の推移(出所:各社公表資料、グラフは業界動向サーチが作成)
グラフを見ますと、2021から2024年7月までは100%を下回る水準で推移しています。2024年7月までのホームセンター各社の業績を見ますと、新型コロナによる『巣ごもり特需』が一服し、反動減が続いていることが分かります。一方、8月に入り各社揃って100を上回っています。
また、2022年には円安の進行やエネルギー価格、原材料費などの高騰により、商品価格が上昇しています。消費者の節約志向の高まりによる買い控えも見られており、こうした状況から先行きに対する不透明感が増しています。
続いて、2022年のホームセンターの商品別販売額の動向を見てみましょう。
ホームセンターの商品別販売額の推移(出所:経済産業省、グラフは業界動向サーチが作成)
ここ数年、ホームセンター市場は停滞気味でしたが、2020年に9カテゴリー中8つが前年比プラスとなりました。とくにDIY用品や園芸、日用品などの主要商品が大幅に伸長し業績を牽引しています。一方、2021年と2022年は、コロナ特需の反動減が見られています。
ホームセンターの全売上の6割を占めるのが「DIY用品」「家庭・日用品」「園芸・エクステリア」です。2022年は、DIY用品が前年比1.7%減、家庭・日用品が同1.2%減、園芸・エクステリアが0.2%減となりました。
2022年はコロナ特需が消失しましたが、DIY用品や園芸は高水準で推移しています。
ここ数年、飽和状態にあったホームセンター業界ですが、20年は『コロナ特需』の恩恵を受け業績は好調でした。一方、2021年には『特需』に陰りが見え始め、2022年には消失したと言えるでしょう。コロナ禍の恩恵を受けてきたホームセンター業界ですが、2022年以降は経済活動が再開されており、今後の動向を注意して見ていく必要があります。
ホームセンター業界の売上高ランキング&シェアをはじめ、純利益、利益率、総資産、従業員数、勤続年数、平均年収などをランキング形式でまとめました。各種ランキングを比較することでホームセンター市場のシェアや現状、動向を知ることができます。
順位 | 企業名 | 売上高(億円) | シェア | |
1 | カインズ | 5,158 | ||
2 | DCMホールディングス | 4,768 | ||
3 | コーナン商事 | 4,390 | ||
4 | コメリ | 3,794 | ||
5 | アークランズ | 3,134 | ||
6 | ナフコ | 2,022 | ||
7 | アレンザHD | 1,491 | ||
8 | ニトリHD ※ | 1,343 | ||
9 | ワークマン | 1,282 | ||
10 | バローHD ※ | 1,249 |
※ニトリHDは島忠事業、バローHDはホームセンター事業の売上高です。シェアとはホームセンター業界全体に対する各企業の売上高が占める割合です。シェアを比較することでホームセンター市場における各企業の占有率を知ることができます。矢印は対前年比の増減を表しています。下記のランキングをクリックするとそれぞれホームセンター業界の詳細ランキングページにジャンプします。
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カインズ、DCMホールディングス、コーナン商事、コメリ、アークランズ、ナフコ、アレンザHD、ニトリHD、ワークマン、バローHD、ジョイフル本田、ケーヨー、PLANT、Olympicグループ、綿半HD、スーパーバリュー、サンデー、ジュンテンドー、カンセキ、エンチョー、セキチュー、ハンズマン、カッシーナ・イクスシーの計23社
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ホームセンター 売上高ランキング(2022-23)
企業名 | 売上高 | ||
1 | カインズ | 5,158 | |
2 | DCMホールディングス | 4,768 | |
3 | コーナン商事 | 4,390 | |
4 | コメリ | 3,794 | |
5 | アークランズ | 3,134 |