住宅設備業界の動向や現状、今後の展望など

キッチン周りの住宅設備

住宅設備業界の動向や現状、ランキング、今後の展望などを分析しています。住宅設備業界の過去の業界規模の推移をはじめ、2022-2023年の業界の動向、今後の見通しなどを解説しています。

住宅設備業界(2022-2023年)

住宅設備業界の推移と基本情報

業界規模

9.4兆円

成長率

2.2

利益率

2.7

平均年収

591万円

  • 16年
  • 17年
  • 18年
  • 19年
  • 20年
  • 21年
  • 22年

住宅設備業界の過去の業界規模の推移を見ますと、2020年から2022年にかけて若干の増加傾向にあります。

住宅設備業界の動向と現状(2022-2023年)

2022年の新設住宅戸数は横ばい リフォーム需要が回復

住宅設備業界は住宅業界の動向に影響を受けやすい業界です。近年では国内の新設住宅着工戸数も堅調に推移するなか、リフォーム需要も相まって住宅設備業界も堅調な推移を見せています。

新設住宅着工戸数の推移(出所:国土交通省、グラフは業界動向サーチが作成)

上のグラフは国土交通省による、新設住宅着工戸数の推移を示したものです。2022年度の新設住宅着工戸数は前年比0.6%減の860,828件でした。2022年度は持家が11.8%の減少、貸家が5.0%増、分譲住宅は4.8%の増加でした。全体では昨年から5,081件の微減となり、2022年度は横ばいで推移しています。

2022年-2023年の住宅設備業界は、国内の新着着工件数の伸びに弱さが見られたものの、中高価格帯製品の売上比率の上昇やリフォーム向けの需要が堅調に推移しました。また、前年に滞ていた納期の正常化や製品価格の値上げも功を奏しました。

海外市場においては、低迷していたアジア地域での経済活動が回復した他、値上げや円安効果による増収がありました。一方、欧州ではサプライチェーンの混乱、米国では金融引き締め、中国ではのゼロコロナ政策などの影響を受けました。

住宅設備業界では2021年後半からは世界的な資源高や物流費の高騰が見られ、コストの増加が懸念されていました。このような市況から、2022年から各社で製品の値上げが行われています

近年では、各メーカーは海外需要の開拓に注力しています。また、新型コロナウイルスを商機と捉え、非接触型の『タッチレス水栓』、宅配ボックスなど、衛生面や健康面を重視した新たな商品開発が進められています。

住宅設備業界 売上トップ5(2022-2023年)

順位 企業名 売上高(億円)
1 LIXIL 14,959
2 TOTO 7,011
3 三和HD 5,881
4 YKK 5,084
5 リンナイ 4,252

※YKKは住宅設備関連の部門売上高。

2022-2023年の住宅設備業界の売上高ランキングを見ますと、首位にLIXILTOTO三和HDと続きます。2022-2023年は大手住宅設備会社5社中4社が増加を記録しており、全体としては好調な1年でした。

住宅設備業界の今後は?

上向きの矢印と人

矢野経済研究所の調査によると、2024年度の住宅設備機器の市場規模は21年度比で3.4%増の1兆8,660億円と予測しています。今後、数年間は横ばいで推移していくことが想定されます。

機器別では、水回り関連機器は同8.1%増、創エネ関連機器は6.2%と高い伸びを示しており、水回りや創エネルギー関連設備の需要が高まりそうです。

では、今後の長期的な住宅設備業界の動向はどうでしょうか?住宅設備業界の長期的な動向を占ううえで重要なポイントは、新築住宅の推移とリフォーム需要、海外展開です。

基本的に新築の住宅が増えれば増えるほど、住宅設備の需要は増えます。ところが今後は人口の減少により、新築の数は大幅に減少することが予測されています。野村総合研究所の調査によると、2030年度には19%減の70万戸、2040年度には43%減の49万戸になると予測されています(いずれも21年度比)。

そこでこれらの減少を補うために期待されているのが「リフォーム事業」や「海外事業」です。

国内の住宅は老朽化が進んでおり、多くの住宅がリフォームを必要としています。野村総合研究所の調査によると、国内のリフォーム市場は2040年まで微増傾向が予測されています。また、国内のリフォーム需要は政府の補助金支援も追い風となっています。

「海外事業」も住宅設備業界にとっては、成長を占う重要なセクターとなります。今後、米国や豪州、東南アジアなどは人口の増加に伴い、住宅の需要が高まることが想定されています。

今後の住宅設備業界は、国内の新築市場の落ち込みを「リフォーム」や「海外」でいかにカバーするかが重要になります。とくに、成長著しい海外での展開がポイントになるでしょう。住宅設備業界はしばらくは厳しい状況が想定されますが、新たな収益モデルの確保と業界の成長を期待したいところです。

住宅設備業界 ランキング&シェア

住宅設備業界の売上高ランキング&シェアをはじめ、純利益、利益率、総資産、従業員数、勤続年数、平均年収などをランキング形式でまとめました。各種ランキングを比較することで住宅設備市場のシェアや現状、動向を知ることができます。

住宅設備業界 売上高&シェアランキング(2022年-2023年)

順位 企業名 売上高(億円)
1 LIXIL 14,959
2 TOTO 7,011
3 三和HD 5,881
4 YKK 5,084
5 リンナイ 4,252
6 JKホールディングス 4,070
7 三協立山 3,703
8 渡辺パイプ 3,416
9 ニチアス 2,381
10 大建工業 2,288

※YKKはAP事業の売上高です。シェアとは住宅設備業界全体に対する各企業の売上高が占める割合です。シェアを比較することで住宅設備市場における各企業の占有率を知ることができます。矢印は対前年比の増減を表しています。下記のランキングをクリックするとそれぞれ住宅設備業界の詳細ランキングページにジャンプします。

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住宅設備業界 対象企業一覧

LIXIL、TOTO、三和HD、YKK、リンナイ、JKホールディングス、三協立山、渡辺パイプ、ニチアス、大建工業、タカラスタンダード、積水化学工業、ノーリツ、伊藤忠建材、文化シヤッター、ナイス、ジューテックHD、サンゲツ、橋本総業HD、ニチハ、吉野石膏、SMB建材、クリナップ、不二サッシ、パラマウントベッドHD、ホーチキ、コロナ、ノダ、アイナボHD、岡部などの計81社

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