電力業界の動向や現状、ランキングなど

電気塔と電力

電力業界の動向や現状、ランキング、売上高シェアなど研究しています。データは2021-2022年。過去の電力業界の市場規模の推移をはじめ、電気事業者の販売電力量の推移、原子力や火力発電所の実情、電力自由化や再生可能エネルギーの動向、電力各社の取り組みなどを統計を交えて解説しています。

電力業界(2021-2022年)

電力業界の推移と基本情報

業界規模

19.2兆円

成長率

-3.7

利益率

0.3

平均年収

808万円

  • 11年
  • 12年
  • 13年
  • 14年
  • 15年
  • 16年
  • 17年
  • 18年
  • 19年
  • 20年
  • 21年

電力業界の過去の業界規模の推移を見ますと、直近の2018年から2021年にかけては減少傾向にあります。

電力業界の動向と現状(2021-2022年)

再稼働7基もゼロの東日本 原発のテロ対策施設、工事遅延

資源エネルギー庁によると、2021年度の電気事業事業者の発電電力量は、前年度比2.1%増の8,635億kWhでした。内訳は水力が858億kWh(9.9%)、火力が6,814億kWh(78.9%)、新エネルギーが546億kWh(6.3%)、原子力が678億kWh(7.8%)でした。

電気事業者の発電電力量の推移

電気事業者の発電電力量の推移(出所:資源エネルギー庁、グラフは業界動向サーチが作成)

需要電気量の都道府県別でみると、最も多いのが東京都の764億kWh、次いで愛知県の581億kWh、大阪府の542億kWhの順でした。主要都市部において電力の消費量が多いことが分かります。

2021-2022年の電力業界は、2020年に発生した新型コロナウイルスによる感染拡大の影響を受け続けています。低迷していた経済活動は徐々に回復がみられたものの、小売電力販売量は減少しました。一部電力会社では、原子力発電の利用率増加や他社への販売電力量が増加したものの、大半の電力企業が減収を記録しています。特に上位企業の減収が業界規模に大きな影響を与えることとなりました。

また、燃料費調整額の減少、為替や電力販売の競争激化なども、マイナス要因となっています。

2021年初頭には記録的な寒波の到来により、電力需給が逼迫する事態となりました。また、直近の動向では、2022年2月のロシア・ウクライナ危機によって、LNG価格の高騰が起こっています。近年の火力発電は脱炭素の影響でLNGの需要が高まっており、LNGが主力の火力発電所は厳しい状況です。

こうした市況から現在、原子力の再稼働が注目されており、原子力発電所を取り巻く状況は一変する可能性が高くなっています。2022年7月、政府は同年の冬に原子力発電所の稼働を最大9基の発表しています。2021年8月現在、稼働中の原子力発電所は33基中わずか7基のみです。再稼働が可能となったのはすべて西日本側、東日本側においては依然ゼロという状況です。

原子力発電所においては新たな課題も浮かび上がっています。電力各社にはテロ対策施設の設置義務が設けられていますが、施設の建設が期限に間に合わない場合、原発の停止が求められています。

2020年から2022年かけて、新型コロナの感染拡大よって経済活動が低迷、電力需要の落込みも見られています。今後の回復も不透明であることから、電力業界にとっても新型コロナの影響は大きな懸念材料となっています。

電力業界 売上トップ5(2021-2022年)

順位 企業名 売上高(億円)
1 東京電力HD 53,099
2 関西電力 28,518
3 中部電力 27,051
4 東北電力 21,044
5 九州電力 17,433

2021年の電力業界の売上高ランキングを見ますと、首位は東京電力、2位が関西電力、中部電力、東北電力、九州電力と続きます。東京電力の2021年の売上高は6兆円を割り込んだものの、2位以下を大きく引き離し独走状態にあります。

電力首位の東京電力HDは、電気やガスの小売、送配電、火力発電や再生可能エネルギーなどの事業を展開。電気とガスの小売事業のみで5兆円に達しており、全売上高の約80%を占めます。2位の関西電力においては、エネルギーや情報通信、送配電事業を展開。原子力や火力発電、再エネなどのエネルギー事業が全売上高の約73%を占めています。

2021-2022年の電力業界の業績を見ますと、5社中4社が減少、2ケタ増は1社のみでした。その内、東京電力は9.5%減と二ケタ近いマイナスとなり、前年から約5,500億円の減収を記録しています。

電力自由化「新電力シェア23%」も、燃料高騰で新電力の倒産相次ぐ

電力設備を点検する人

これまでの電力業界は「発電→送配電→小売」と、電力会社が特定の地域を独占する「地域独占」状態にありました。現在は電力自由化の進展により、大手電力会社の垂直統合型ビジネスに変化が訪れています。

1995年の発電部門の自由化から始まった電力自由化は、2016年には小売り販売が完全自由化され、家庭やコンビニエンスストアなども対象となりました。従来の電力会社に加え、ガス、石油、通信など他分野からの新規参入が相次ぎ、電力業界の競争は激化しています。

2022年3月家庭向け電力販売のシェアは23.4%と、引き続き堅調な推移を見せています。当初よりも伸びが弱いとの声もありますが、高圧帯では26%まで上昇、今後もさらなる需要の伸長が想定されます。

2020年4月には新たに「発送電分離」が実施され、大手8社(沖縄電力除く)の発電と送配電事業が別会社に分離されました。発電と小売りの自由化によって多くの事業者が送配電設備の利用が必要となります。発送電分離によって大手や新規を含むすべての企業が、公平に利用できるようになります。

新規事業者が増えることでサービスや料金面での改善も活発化され、消費者の選択の幅も広がります。一方、顧客獲得競争が激化することで、電力会社の収益の不確実性が高まったとの見方もあります。

こうした市況の中、新電力企業が相次いで倒産しています。再エネによるLNG需要の高まりに加え、2022年のウクライナ危機が拍車をかけ、LNGや原油の価格急騰しています。こうした要因が新電力企業の経営を圧迫、苦しい経営状況に陥っています。2022年8月現在、LNG価格は落ち着きを見せていますが、今後も不安定な状況は続くとみられます。

進む「脱炭素化」再生エネルギー 火力発電依存が現状

太陽光パネルや風力発電などの再エネ

世界では「脱炭素化」に向け、再生可能エネルギーへのシフトが進んでいますが、コストが高い等の理由により日本は遅れをとっています。

国内の再生可能エネルギー導入率は2018年現在で16.9%、日本政府は2030年までに導入水準を22~24%との目標を掲げており、再生可能エネルギーへの取り組みが急務となっています。

しかしながら、東日本大震災以降原発が停止したことで、火力発電への依存度が高いのが現状です。石炭やLNGなどの火力による発電は、電力全体の約84%もの割合を占めています。

一方、再生可能エネルギーにはコスト面以外にも多くの課題があります。日本は平地が少ないことや、季節や天候によって発電量が変わります。発電量と消費量のバランスを取る必要があり、主力電源化にはあらゆる対策が必要となります。

再生可能エネルギー分野に新規参入する企業も増え、大手電力各社も太陽光や風力や洋上風力、水力発電など再生可能エネルギーの普及拡大に取り組んでいます。

安定した電力の供給と市場競争を促進をいかにマッチングさせるかなど、電力業界は新たな局面を迎えるとともに、新しい課題も見えつつあります。

電力業界 ランキング&シェア

電力業界の売上高ランキング&シェアをはじめ、純利益、利益率、総資産、従業員数、勤続年数、平均年収などをランキング形式でまとめました。各種ランキングを比較することで電力市場のシェアや現状、動向を知ることができます。

電力業界 売上高&シェアランキング(2021年-2022年)

順位 企業名 売上高(億円)
1 東京電力HD 53,099
2 関西電力 28,518
3 中部電力 27,051
4 東北電力 21,044
5 九州電力 17,433
6 中国電力 11,366
7 J-POWER 10,846
8 北海道電力 6,634
9 四国電力 6,419
10 北陸電力 6,137

※シェアとは電力業界全体に対する各企業の売上高が占める割合です。シェアを比較することで電力市場における各企業の占有率を知ることができます。矢印は対前年比の増減を表しています。下記のランキングをクリックするとそれぞれ電力業界の詳細ランキングページにジャンプします。

その他のランキング

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電力業界 対象企業一覧

東京電力HD、関西電力、中部電力、東北電力、九州電力、中国電力、J-POWER、北海道電力、四国電力、北陸電力、沖縄電力、イーレックスの計12社

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