石油業界の動向や現状、ランキング&シェアなど

石油業界

OIL

2020-2021年の石油業界の動向や現状、ランキング&シェアなどを研究しています。石油業界の過去の業界規模の推移をはじめ、国内燃料油の推移グラフ、2020年から2022年の原油価格の下落・上昇とコロナの影響、新エネルギーなど各社の取り組みなどを解説しています。

業界規模

16.0兆円

(19位/190業界)

成長率

-4.0%

(148位/190業界)

利益率

+0.8%

(131位/190業界)

平均年収

785万円

(19位/190業界)

※矢印は前年比の増減、成長率は直近3年間の平均。平均年収は上場企業の平均ですので、実態よりも高めに出る傾向があります。

目次

石油業界の現状と動向(2021年版)

グラフは石油業界の業界規模(対象企業の14計)の推移をグラフで表したものです。

石油業界の規模の推移を見ることでその市場の大まかな現状や動向を把握することができます。

2020年-2021年の石油業界の業界規模(主要対象企業14社の売上高の合計)は16兆1,935億円となっています。

  • 15年
  • 16年
  • 17年
  • 18年
  • 19年
  • 20年

石油業界の過去6年間の業界規模の推移

2020年の販売量は8.5%減 石油販売減で内需は縮小傾向

近年の石油業界の動向を見てみますと、増減を繰り返す傾向にあるのが分かります。2015年から16年の下落後、2017年と2019年には上昇を記録、2020年には再び減少に転じています。

下のグラフは、国内燃料油の販売量を示しています。経済産業省によると2020年の国内燃料油の販売量は、前年比8.5%減の1億5,129万キロリットルでした。

国内燃料油の販売量の推移(出所:経済産業省、グラフは業界動向サーチが作成)

グラフを見ますと、2013年から2020年にかけて8年連続で減少しています。さらに、2020年は前年に比べ減少幅が拡大しており、1億5千万キロリットル前半にまで縮小しました。

2020年の石油業界は、新型コロナの影響を大きく受けた一年でした。コロナによる移動制限や外出自粛による影響から、自動車や飛行機向けの燃料販売量が大幅に減少し、石油製品需要は減少しました。2020年は原油価格が1バレル20ドル以下になるなど、石油業界には逆風の一年でした

一方、状況が落ち着き始めた2020年半ばから2021年にかけて、経済活動が再開し始めました。政府による『GoToトラベルキャンペーン』の影響も加わり、一時的な石油需要の回復も見られました。

石油業界 売上高ランキング

2020年の石油業界売上高ランキングを見ますと、1位がENEOS HD、2位が出光興産、3位がコスモエネルギーHDと続きます。首位のENEOS HDは2020年にJXTG HDから社名を変更、国内の燃料油販売シェアは50%を占め、販売量でも国内トップの座についています。

出光興産は2019年4月に昭和シェルと経営統合し、ガソリンスタンドのブランド統一化を進めています。コスモエネルギーHDはガソリンスタンドのコスモ石油を展開し、キグナス石油にも燃料油を供給しています。

歴史的な原油安から価格高騰へ 7年ぶりの高値更新

原油価格が高騰している様子

2020年は新型コロナによる世界的な感染拡大によって経済活動は停滞し、石油需要は大きく減少しました。この影響から原油価格が一時は1バレル20ドル台まで下落、2020年4月には米国の原油先物価格が史上初のマイナスとなるなど、歴史的な原油安を記録しました。

一方、2021年に入り原油価格は上昇基調となり、2022年1月には7年ぶりの高値を更新、その後も2月には1バレル90ドルを超える高値で推移しています。こうした原油高に伴い石油製品価格やガソリン価格も上昇しています。2022年1月31日時点のレギュラーガソリン価格は「1リットル当たり170.9円(全国平均)」となり、4週連続で値上がりしています。

原油価格が高騰している理由は様々ですが、主に世界的に経済活動が活発化している一方で、供給量が不足しているため、需要と供給のバランスが崩れていることが挙げられます。燃料価格の高騰は輸送費の上昇要因となるため、石油価格がさらに上がりやすい仕組みになっています。

こうした原油高はいつまで続くのか見通しは分かりませんが、ウクライナ危機などの地政学的リスクも加わったことで、しばらく続くのではないかと予想されています。

石油から再生可能エネへ 各社新エネルギー分野を模索

再生可能エネルギーのイメージ画像

近年では、世界的な脱炭素の流れも加わり、国内の石油需要は縮小する見通しです。近年その動きはさらに加速し、出光興産では2050年に国内需要が7割減小する予測をしています。各社は新たな収益柱の育成が急務となっており、化石燃料に代わる「新たなエネルギー事業の拡大」を進めています。

国内シェア首位のENEOS HDは、全売上高のうち主力のエネルギー事業が約8割を占めますが、2021年5月に石炭権益を売却しました。現在、新たな稼ぎ頭として『再生可能エネルギー事業』を強化しており、2022年度までに国内外における総発電容量を、100万kW以上に拡大することを掲げています。

ENEOS HDの「国内の再生可能エネルギー発電事業所」

ENEOS HDの「国内の再生可能エネルギー発電事業所」

同社は近年『洋上風力発電』に力を入れており、2022年から26年頃にかけて国内外の9か所で運開を予定しています。また、戸田建設など6社合同での浮体式の洋上風車の建設に加え、2022年1月には再エネ新興企業の「ジャパン・リニューアブル・エナジー」を買収しています。

出光興産は、石油に代わる新たな燃料として『アンモニア事業』に注力しています。UAEからのアンモニア輸送の実証検証や、豪州でのアンモニア事業化を2024年に予定しています。また、JERAや外資系化学メーカーと共にアンモニアサプライチェーンの早期構築を目指しています

コスモエネルギーHDでは洋上風力の本格進出を開始し、風力発電のリーディングカンパニーを目指しています。コスモは陸上風力も手掛けつつ、長期的には『洋上風力』を軸に事業を拡大していく予定です。2022年下期には秋田県にて洋上風力を開始する予定で、今後も東北エリアで5件の事業プロジェクトを検討しています。

2020年の石油業界は新型コロナと原油価格の下落が大きく響き、業績は低迷しました。一方で、2021年から2022年には原油価格の高騰が寄与し、各社の業績は回復の兆しが見えています。将来的には国内の石油業界は需要の縮小が懸念されています。エネルギー動向の先行きが不透明な中、新エネルギーの開拓や新燃料の開発など、各社手探りの状態が続きます。

石油業界シェア&ランキング(2021年版)

石油業界内における売上高及びシェアのランキングをはじめ、純利益、利益率、総資産、従業員数、勤続年数、平均年収をランキング形式でまとめました。
各々のランキングを比較することで石油市場内のシェアや現状、動向を知ることができます。

石油業界 売上高&シェアランキング(2020年-2021年)

順位 企業名 売上高 シェア
1 ENEOSホールディングス 59,985 37.0
2 出光興産 45,566 28.1
3 コスモエネルギーHD 22,332 13.8
4 国際石油開発帝石 7,710 4.8
5 三菱商事エネルギー 6,147 3.8
6 三愛石油 4,738 2.9
7 太陽石油 4,576 2.8
8 富士石油 3,446 2.1
9 丸紅エネルギー 2,796 1.7
10 石油資源開発 2,400 1.5
※ENEOSホールディングスはエネルギー事業の売上高です。三菱商事エネルギー、丸紅エネルギーは2019年の売上高です。シェアとは石油業界の規模(対象企業の14社合計)に対する各企業の売上高が占める割合です。シェアを比較することで石油市場における各企業の占有率を知ることができます。各ランキングをクリックするとそれぞれ石油会社の詳細ランキングページにジャンプします。矢印は各企業の売上高の前年比の増減を表しています。

石油業界 国内のランキング

石油業界 海外のランキング

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石油業界 対象企業一覧
ENEOSホールディングス、出光興産、コスモエネルギーHD、国際石油開発帝石、三菱商事エネルギー、三愛石油、太陽石油、富士石油、丸紅エネルギー、石油資源開発、三井石油開発、日新商事、富士興産、東亜石油の計14社
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