石油業界の動向や現状、ランキング&シェアなど

石油タンカーなどの設備

石油業界の動向や現状、ランキング&シェアなどを研究しています。データは2022-2023年。石油業界の過去の業界規模の推移をはじめ、国内燃料油の推移グラフ、2020年から2023年の原油価格の推移、新エネルギーなど各社の取り組みなどを解説しています。

石油業界(2022-2023年)

石油業界の推移と基本情報

業界規模

30.9兆円

成長率

17.6

利益率

8.9

平均年収

841万円

  • 16年
  • 17年
  • 18年
  • 19年
  • 20年
  • 21年
  • 22年

石油業界の過去の業界規模の推移を見ますと、2020年には下落しましたが、2021年、2022年には大きく上昇しています。

石油業界の動向と現状(2022-2023年)

2022年の販売量は微減、販売価格上昇も内需は縮小傾向

下のグラフは、国内燃料油の販売量を示しています。経済産業省によると2022年の国内燃料油の販売量は、前年比1.6%減の1億5,180万キロリットルでした。

国内燃料油の販売量の推移(出所:経済産業省、グラフは業界動向サーチが作成)

グラフを見ますと、2022年の販売量は微減となりました。国内販売量の水準は1億5千万キロリットル前半まで減少するなど、長期的に縮小傾向です。

2022年の石油業界の動向を見ますと、行動制限の緩和により燃料油の需要が回復しました。なかでも、航空旅客輸送の回復がみられたことから、ジェット燃料が前年から増加しています。一方、ナフサの減少が響き灯油石油製品の販売量は、前年とほぼ同水準で推移しています。

一方で、円安や原油価格の高騰により、石油や灯油、ガゾリンなどの石油製品の販売価格が上昇しました。販売量では不振となったものの円安と原油高の恩恵により、業界の規模は大幅に上昇しています。

2022年はロシアによるウクライナ侵攻の影響で原油価格が高騰、加えてEUによるロシア産原油禁輸措置の導入で供給不足となり、原油価格は一時的に1バレル119ドルにまで上昇しました。その後は、米国の景気後退懸念や中国経済の減退などを受け、原油価格は下落しています。

一方、2023年10月には中東で新たな紛争が起こっています。世界銀行によると今後、戦闘が激化した場合、原油価格が最大で75%上昇するの見方もしています。為替も11月には1ドル150円を超える水準にまで円安が進むなど不透明要因が高まっています。

石油業界 売上トップ5(2022-2023年)

順位 企業名 売上高(億円)
1 ENEOSホールディングス 127,064
2 出光興産 94,562
3 コスモエネルギーHD 27,918
4 INPEX 23,246
5 三菱商事エネルギー 9,764

※はエネルギー事業の売上高。2022年の石油業界の売上高ランキングを見ますと、トップのENEOS HDと2位の出光興産が業界をけん引しています。業界再編によって、石油元売りは上位3社に集約されましたが、なかでもENEOS HDは出光興産と約3兆円もの差をつけており、圧倒的な首位となっています。

2022-2023年の石油業界の業績を見ますと、大手3社ともに増加となりました。コスモエネルギーHDを除く2社は、前年から約40%の大幅増を記録しました。

歴史的な原油安から価格高騰へ 13年ぶりの高値水準へ

ガソリンと車、価格のグラフ

石油業界の近年の動向を見ますと、2020年は新型コロナによる世界的な感染拡大によって経済活動が停滞し、石油需要は大きく減少しました。この影響から原油価格は一時、1バレル20ドル台まで下落、2020年4月には米国の原油先物価格が史上初のマイナスとなるなど、歴史的な原油安を記録しました。

一方、原油価格は上昇基調となり、2022年1月には7年ぶりの高値を更新しています。さらに、2022年3月には1バレル130ドルを超え、13年ぶりの高値水準まで上昇しました。国内ではこうした原油高に円安も加わって、石油製品価格やガソリン価格も上昇しています。

2023年10月30日時点のレギュラーガソリン価格は「1リットル当たり173.4円(全国平均)」となりました。2023年11月現在、原油価格はピークから減少していますが、中長期的には高値圏で推移しています。

原油価格が高騰している理由は様々ですが、世界的に経済活動が活発化している一方で供給量が不足しているため、需要と供給のバランスが崩れていることが挙げられます。燃料価格の高騰は輸送費の上昇要因となるため、石油価格がさらに上がりやすい仕組みになっています。

こうした原油価格の乱高下はいつまで続くのか見通しは分かりませんが、円安やウクライナ危機、さらに2023年10月には中東情勢悪化など地政学的リスクも加わったことで、しばらく続くのではないかと予想されています。

2023-24年の石油業界のニュース

2023-2024年の石油業界の主なニュースを抜粋してみました。最新の石油業界の動向を把握するのにお役立て下さい。

石油業界ニュース 一覧

石油から再生可能エネへ 各社新エネルギー分野を模索

近年では、世界的な脱炭素の流れも加わり、国内の石油需要は縮小する見通しです。近年その動きはさらに加速し、出光興産では2050年に国内需要が7割減小する予測をしています。各社は新たな収益柱の育成が急務となっており、化石燃料に代わる「新たなエネルギー事業の拡大」を進めています。

国内シェア首位のENEOS HDは、全売上高のうち主力のエネルギー事業が約8割を占めますが、2021年5月に石炭権益を売却しました。現在、新たな稼ぎ頭として『再生可能エネルギー事業』を強化、2023年10月には合成燃料の事業化を見据え東芝と提携、さらにNECからEV用充電器の事業を取得しています。

ENEOS HDの「国内の再生可能エネルギー発電事業所」

ENEOS HDの「国内の再生可能エネルギー発電事業所」

同社は近年『洋上風力発電』に力を入れており、2022年から26年頃にかけて国内外の9か所で運開を予定しています。また、戸田建設など6社合同での浮体式の洋上風車の建設に加え、2022年1月には再エネ新興企業の「ジャパン・リニューアブル・エナジー」を買収しています。

出光興産は、石油に代わる新たな燃料として『アンモニア事業』に注力しています。UAEからのアンモニア輸送の実証検証や、豪州でのアンモニア事業化を2024年に予定しています。また、JERAや外資系化学メーカーと共にアンモニアサプライチェーンの早期構築を目指しています

コスモエネルギーHDでは洋上風力の本格進出を開始し、風力発電のリーディングカンパニーを目指しています。コスモは陸上風力も手掛けつつ、長期的には『洋上風力』を軸に事業を拡大していく予定です。2022年下期には秋田県にて洋上風力を開始する予定で、今後も東北エリアで5件の事業プロジェクトを検討しています。

2022年から2023年の石油業界は、各社の業績は好調に推移しました。一方、将来的には国内の石油業界は需要の縮小が懸念されています。エネルギー動向の先行きが不透明ななか、新エネルギーの開拓や新燃料の開発など、各社手探りの状態が続きます。

石油業界 ランキング&シェア

石油業界の売上高ランキング&シェアをはじめ、純利益、利益率、総資産、従業員数、勤続年数、平均年収などをランキング形式でまとめました。各種ランキングを比較することで石油市場のシェアや現状、動向を知ることができます。

石油業界 売上高&シェアランキング(2022年-2023年)

順位 企業名 売上高(億円)
1 ENEOSホールディングス 127,064
2 出光興産 94,562
3 コスモエネルギーHD 27,918
4 INPEX 23,246
5 三菱商事エネルギー 9,764
6 富士石油 8,508
7 太陽石油 7,118
8 三愛オブリ 6,478
9 石油資源開発 3,364
10 富士興産 650

※シェアとは石油業界全体に対する各企業の売上高が占める割合です。シェアを比較することで石油市場における各企業の占有率を知ることができます。矢印は対前年比の増減を表しています。下記のランキングをクリックするとそれぞれ石油業界の詳細ランキングページにジャンプします。

その他のランキング

関連リンク

石油業界を見た人は他にこんなコンテンツも見ています。関連業種の現状や動向、ランキング、シェア等も併せてご覧ください。

石油業界 対象企業一覧

ENEOSホールディングス、出光興産、コスモエネルギーHD、INPEX、三菱商事エネルギー、富士石油、太陽石油、三愛オブリ、石油資源開発、富士興産、日新商事、丸紅エネルギー、三井石油開発の計13社

注意・免責事項

石油業界の動向や現状、ランキング、シェア等のコンテンツ(2022-2023年)は上記企業の有価証券報告書または公開資料に基づき掲載しております。石油業界のデータは上記企業のデータの合計または平均を表したものです。掲載企業に関しましてはできる限り多くの企業を反映させるよう努めていますが、全ての企業を反映したものではありません。あらかじめご了承ください。また、情報に関しましては精査をしておりますが、当サイトの情報を元に発生した諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負うものではありません。重要な判断を伴う情報の収集に関しましては、必ず各企業の有価証券報告書や公開資料にてご確認ください。