化学業界のランキング、動向、現状などの研究レポート。

化学業界

CHEMISTRY

化学業界の2021年版(2020-21年)の業界レポート。動向や現状、シェア、売上高、純利益、勤続年数、平均年収等のランキングを掲載しています。対象企業の過去の業績を追うことで化学業界全体の現状や動向、傾向を知ることができます。

業界規模

29兆円

伸び率

-1.3%

利益率

+4.7%

平均年収

627万円

目次

化学業界の現状と動向(2021年版)

グラフは化学業界の業界規模(対象企業の194計)の推移をグラフで表したものです。

化学業界の規模の推移を見ることでその市場の大まかな現状や動向を把握することができます。

2020年-2021年の化学業界の業界規模(主要対象企業194社の売上高の合計)は29兆9,685億円となっています。

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  • 11年
  • 12年
  • 13年
  • 14年
  • 15年
  • 16年
  • 17年
  • 18年
  • 19年
  • 20年

化学業界の過去11年間の業界規模の推移

米中貿易の対立、コロナ禍で苦戦 自動車向け需要が低迷

化学業界の過去の推移を見ますと、2010年から2018年はおおむね増加傾向にありましたが、2018年から2020年にかけて減少に転じています。

経済産業省の工業統計調査によると、2019年の化学工業の製造品出荷額は、前年比1.7%減の29.2兆円でした。

化学工業の製造品出荷額の推移(出所:経済産業省、グラフは業界動向サーチが作成)

前年に比べて若干の減少となりましたが、ここ数年の動向は横ばいで推移していると言えます。

今まで化学業界の動向を振り返りますと、2007年までの化学業界の好調を牽引してきたのが、中国などアジア市場の需要拡大によるものです。こうしたアジア市場の活況により、化学大手5社は08年3月決算で過去最高の売上高を記録。業界規模も順調に拡大してきました。

しかしながら、2008年に入り、世界的な原油価格の高騰で石油化学事業を中心に収益が減少。さらに08年後半以降は金融危機等の影響で需要が減退。10年3月決算(他時期決算企業あり)でも主要化学メーカー195社中168社が売上高前年割れを記録しています。

2010年には回復したものの、化学品の世界的な需要減や石油化学分野の業績悪化の影響などを受け、12年までは横ばいを記録。13年以降は、石油価格の下落、世界景気の回復に伴い、再び増加に転じています。

2017年から2018年は自動車や半導体を中心とした世界的な経済成長と、化学原料であるナフサ価格の上昇を背景に若干の増加を記録しています。一方、19年は米中貿易摩擦と新型コロナウイルスの影響が重なったことで、自動車向け需要の低迷が見られました。

化学業界上位5社の2021年3月決算によると、三菱ケミカルHDが前年比9.0%減、住友化学が同2.7%増、信越化学工業が3.0%減、三井化学が10.2%減、旭化成が9.3%の減少でした。化学メーカー上位5社中4社が減収を記録する厳しい一年となりました。

プラントの停止、汎用品分野からの撤退など動きが活発化

化学業界は一般的に、石油や天然ガスを原材料に、樹脂やゴム、合成繊維などを作り出します。一般に石油化学とも呼ばれ、化学業界は原料となる石油の値段が業績に大きく影響します。

2011年から13年は世界的な原油価格の上昇の影響により、化学メーカーの収益性が悪化。リーマンショック後の景気拡大局面にもかかわらず、業界全体での業績は足踏み状態でした。14年ごろから原油価格が下落局面に。原材料の下落に加え、円安基調もプラスに働き、業績も若干の増加に転じています。

原油価格の下落に伴い、近年、増加傾向にある化学業界ですが、今後の見通しはさほど明るくありません。各社とも危機感を持っており、国内外で様々な動きが見られます。

2009年には業界3位の三井化学が東セロを完全子会社化。また、同年2月には東レが新日本石油、三菱重工業など民間6社でバイオエタノール革新技術研究組合を設立。翌10年には三菱ケミカルHDが三菱レイヨンを連結子会社化しました。

また、三菱ケミカルHDの子会社の三菱化学は2014年に鹿島事業所のプラント2基のうち1基を停止。住友化学も15年までに千葉工場のプラントを停止する予定。

さらに2016年には旭化成と三菱ケミカルが共同で岡山県の水島工場の再編に動き出します。化学メーカー各社は、設備過剰となっているエチレンプラントの停止や再編を行うことで収益の改善を試みます。

近年の化学業界は、低価格した汎用品分野からの撤退、プラントの停止など収益性の向上を図る取組みを積極的に行っています。

また、近年、乱高下する原油価格の影響を少なくするため、石油化学への依存度を下げる取り組みも見られます。近年は増加に転じた化学業界ですが、いまだ先行き不透明な状況が続き、さらなる経営体質の改善が進むものと見られます。

化学業界シェア&ランキング(2021年版)

化学業界内における売上高及びシェアのランキングをはじめ、純利益、利益率、総資産、従業員数、勤続年数、平均年収をランキング形式でまとめました。
各々のランキングを比較することで化学市場内のシェアや現状、動向を知ることができます。

化学業界 売上高&シェアランキング(2020年-2021年)

順位 企業名 売上高 シェア
1 三菱ケミカルHD 32,575 10.9
2 住友化学 22,869 7.6
3 信越化学工業 14,969 5.0
4 三井化学 12,117 4.0
5 旭化成 9,912 3.3
6 日本酸素HD 8,182 2.7
7 エア・ウォーター 8,066 2.7
8 日本ペイントHD 7,811 2.6
9 日東電工 7,613 2.5
10 東ソー 7,328 2.4
※は化学部門の売上高で、旭化成はマテリアル事業の売上高です。シェアとは化学業界の規模(対象企業の194社合計)に対する各企業の売上高が占める割合です。シェアを比較することで化学市場における各企業の占有率を知ることができます。各ランキングをクリックするとそれぞれ化学メーカーの詳細ランキングページにジャンプします。矢印は各企業の売上高の前年比の増減を表しています。

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三菱ケミカルHD、住友化学、信越化学工業、三井化学、旭化成、日本酸素HD、エア・ウォーター、日本ペイントHD、日東電工、東ソー、東レ、DIC、宇部興産、三菱瓦斯化学、カネカ、クラレ、積水化学工業、JSR、昭和電工マテリアルズ、ダイセル、日亜化学工業、関西ペイント、デンカ、ADEKA、丸善石油化学、トクヤマ、日本ゼオン、日本触媒、東洋インキSCHD、ニフコなどの計194社
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