2021年の農薬業界の動向、ランキング、市場規模などをご紹介しています。

農薬業界

PESTICIDE

2021年の農薬業界の動向、現状、ランキング等を分析しています。過去の農薬業界の市場規模の推移をはじめ、農薬の出荷金額と数量の推移、国内の農業の課題と世界の食糧不足の問題、大型再編の動向などを解説しています。就職や転職、市場調査などの参考資料としてご活用ください。

業界規模

0.7兆円

伸び率

+6.1%

利益率

+6.4%

平均年収

703万円

目次

農薬業界の現状と動向(2021年版)

グラフは農薬業界の業界規模(対象企業の9計)の推移をグラフで表したものです。

農薬業界の規模の推移を見ることでその市場の大まかな現状や動向を把握することができます。

2020年-2021年の農薬業界の業界規模(主要対象企業9社の売上高の合計)は7,819億円となっています。

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農薬業界の過去6年間の業界規模の推移

農生産、農薬市場は横ばい 農家の高齢化など課題も

近年の農薬業界の業界規模の推移をみますと、「横ばい」となっています。

農薬の出荷金額と数量の推移(出展:農薬工業会、グラフは業界動向サーチが作成)

日本の農業を取り巻く環境は、農家の高齢化や労働力不足、後継者不足による耕作放棄地の拡大など多くの課題や問題を抱えています。農業生産力も横ばいが続いており、抜本的な改革が必要とされています。

上のグラフは国内の主な企業の農薬の出荷金額と数量の推移をあらわしたものです(出農薬工業会より出展)。出荷数量は若干の減少傾向にありますが、出荷額はほぼ横ばいで推移しています。出荷額については各メーカーが工夫を重ね、単価を上げてきた経緯があります。元来、農薬業界は経済変動の影響が小さく、他の業界に比べ業績が安定しているという特性を持っています。

農薬には「殺虫剤」、「殺菌剤」、「除草剤」、「成長調整剤」などの種類があり、主に害虫や病気の防除を目的とします。市場では低価格で効果の高い「化学農薬」が使われることが一般的で、卸売りの約4割が農協関係企業となっています。

国内で規制強化の動き 「農業競争力強化プログラム」

農薬は研究開発から販売まで長い期間とコストがかかります。開発から販売までは10年ほどかかるのが通例で、スクリーニングから初期開発、本格開発と多くの工程を必要とします。

2016年11月には政府主導で「農業競争力強化プログラム」が開始されました。このプログラムでは農業生産者の競争力強化を目的とし、農薬価格の引き下げを提言しています。実際に、業界にはジェネリック農薬の開発と利用を促しており、今後の農薬価格の下落が懸念されます。

さらに、2018年には「農薬取締法の一部を改正する法律」が施行され、農薬の安全性についてのさらなる向上が要求されています。こうした「値下げ」や「安全性向上」の圧力は今後も強まる可能性が高く、国内環境はさらに厳しくなることが予想されます。

世界市場は「食糧不足」を背景に拡大へ 再編も活発化

こうした国内の動向を受け、日本の農薬メーカーは海外市場に成長を見出しています。

一般的に、「農薬」と聞くと国内のイメージがありますが、日本の農薬メーカーはすでに、海外展開を進めています。主に北米やアジア、中南米などに展開しており、海外売上高比率は50%を超えます。近年では、世界最大市場である「ブラジル」や、人口増加が著しい「インド」に注目が集まっています。

現在、世界的に人口は増加の一途をたどり、2050年には100億人ほどまで増加する見込みです。一方で、農地面積には限りがあり、「食糧不足の問題」が懸念されています。

農作物を害虫や病気から守る農薬は、不足している食糧の生産性を向上させるカギとも言えます。こうした世界的なニーズを背景としていることから、世界の農薬市場は今後、中長期的に拡大していくと予想されます。

こうした動向を受け、世界では再編が活発化しています。

2017年6月、中国化工集団が業界大手のスイスのシンジェンタを買収しました。これにより、中国化工集団の売上高は3,001億元(約4兆9,000億円)となり、日本の農薬メーカーは売上高で大きな差をつけられました。翌2018年6月には、ドイツのバイエルが米国のモンサントを買収。部門売上高で中国化工集団を抜き、首位に浮上しています。ここ数年で世界的に大型再編が相次いでいます。

農薬業界は製薬業界と似た構造を持っており、「研究開発」と「安全性」に多くの時間とコストがかかります。「時間をお金で買う」という発想は、今後、多くの農薬メーカーで取り入れられることでしょう。世界的に注目されている業界だけに、さらなる再編の動きも予想されます。

農薬業界シェア&ランキング(2021年版)

農薬業界内における売上高及びシェアのランキングをはじめ、純利益、利益率、総資産、従業員数、勤続年数、平均年収をランキング形式でまとめました。
各々のランキングを比較することで農薬市場内のシェアや現状、動向を知ることができます。

農薬業界 売上高&シェアランキング(2020年-2021年)

順位 企業名 売上高 シェア
1 住友化学 4,230 54.1
2 クミアイ化学工業 793 10.1
3 日本農薬 653 8.4
4 日産化学 575 7.4
5 石原産業 483 6.2
6 日本曹達 482 6.2
7 北興化学工業 249 3.2
8 OATアグリオ 202 2.6
9 アグロ カネショウ 152 1.9
※住友化学は健康・農業関連事業、クミアイ化学工業は農薬及び農業関連事業、日本農薬は農薬事業、日産化学は農業化学品事業、石原産業は有機化学事業、日本曹達は農業化学品事業、北興化学工業は農薬事業の売上高です。シェアとは農薬業界の規模(対象企業の9社合計)に対する各企業の売上高が占める割合です。シェアを比較することで農薬市場における各企業の占有率を知ることができます。各ランキングをクリックするとそれぞれ農薬メーカーの詳細ランキングページにジャンプします。矢印は各企業の売上高の前年比の増減を表しています。

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農薬業界 対象企業一覧
住友化学、クミアイ化学工業、日本農薬、日産化学、石原産業、日本曹達、北興化学工業、OATアグリオ、アグロ カネショウの計9社
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