飼料業界の動向や現状、ランキング&シェアなどを掲載しています。データは2022-2023年。対象企業の過去の業績を追うことで飼料業界全体の現状や動向、傾向を知ることができます。
業界規模
0.8兆円
成長率
12.8%
利益率
1.4%
平均年収
575万円
飼料業界の過去の業界規模の推移を見ますと、直近で大きく上昇しています。
農林水産省によると、2022年度の配・混合飼料の生産量は前年比0.7%減の2,406万トンでした。
配・混合飼料生産量の推移(出所:農林水産省、グラフは業界動向サーチが作成)
飼料生産量のグラフによると、ここ数年は2,400万トン前後と横ばいで推移しています。
2022年の飼料業界の動向を見ますと、畜産や水産飼料の販売数量が増加、加えて平均販売価格も大幅に増加しています。一方、ロシアによるウクライナ侵攻や米国での天候不順、エタノール生産の影響も受け、主原料であるとうもろこし価格が高水準で推移しています。また、円安の影響により国内の原材料価格が上昇、光熱費や物流費なども高騰しています。業界では飼料価格の値上げを行っていますが、利益を圧迫している状況です。
飼料業界では、原材料価格の上昇に加え飼料価格安定基金※の負担金増加など、コストの増加は継続しています。今後もしばらくはこうした状況は続きそうです。
(※飼料価格安定基金とは、飼料価格上昇による畜産経営者への影響を緩和する制度です。飼料メーカーや国が負担金を積み立て価格上昇時に畜産経営者に補填金を交付します。)
飼料業界は、国内外から家畜の飼料となる穀物や生草などの原材料を購入し、家畜に合わせた加工や配合で栄養価の高い餌を作ります。飼料は主に2種で、「粗飼料」は生草や牧草を発酵させたサイレージが原料、乳牛や肉牛用となります。一方「濃厚飼料」は栄養価が高いのが特徴で、原料は穀類やマメ類、油脂類となり豚や鶏の餌となります。
安全でおいしい食材の提供には良質で安全な飼料が必要不可欠なため、飼料業界はフードチェーンの川上的存在と言えます。
飼料業界は、原材料であるとうもろこしや大豆などの価格に影響を受けやすい業界です。天候のみならず原材料の大半は輸入のため、為替や地政学リスクの影響が価格に反映されます。年度ごとに業績が安定しないのもこうした要因によるものです。今後も原材料価格や為替の推移に合わせて、業績が左右されることが予想されます。
近年、国内では飼料用米の生産に力を入れています。飼料用のコメはとうもろこしとほぼ同等の栄養価があるとして畜産農家の間で利用が増えており、飼料用米の作付けが拡大傾向にあります。
一方、2022年度の国内飼料自給率(概算)は26%と前年と同水準で、ここ10年は25~26%付近で推移しています。政府は2030年度までに飼料自給率を現状の26%から、34%へと目標を掲げています。「粗飼料」は78%から100%に、濃厚飼料は13%から15%に上げることを発表しています。
※は飼料関連の部門売上高。2022-2023年の飼料業界の売上高ランキングを見ますと、首位はフィード・ワン、2位は中部飼料、日本農産工業、昭和産業と続きます。
2022-2023年は、飼料メーカー上位5社ともに増収、前年から12~29%の増加となりました。一方で、純利益においては4社中2社が減益でした。
飼料業界の売上高ランキング&シェアをはじめ、純利益、利益率、総資産、従業員数、勤続年数、平均年収などをランキング形式でまとめました。各種ランキングを比較することで飼料市場のシェアや現状、動向を知ることができます。
順位 | 企業名 | 売上高(億円) | シェア | |
1 | フィード・ワン ※ | 2,640 | ||
2 | 中部飼料 ※ | 2,297 | ||
3 | 日本農産工業 | 1,807 | ||
4 | 昭和産業 ※ | 594 | ||
5 | 日和産業 ※ | 529 | ||
6 | 林兼産業 ※ | 192 | ||
7 | ヨンキュウ ※ | 129 | ||
8 | 日本甜菜製糖 ※ | 125 |
※フィード・ワン、中部飼料、昭和産業、日和産業、林兼産業、日本甜菜製糖は飼料事業、ヨンキュウは餌料・飼料の販売事業の売上高です。シェアとは飼料業界全体に対する各企業の売上高が占める割合です。シェアを比較することで飼料市場における各企業の占有率を知ることができます。矢印は対前年比の増減を表しています。下記のランキングをクリックするとそれぞれ飼料業界の詳細ランキングページにジャンプします。
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フィード・ワン、中部飼料、日本農産工業、昭和産業、日和産業、林兼産業、ヨンキュウ、日本甜菜製糖の計8社
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