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グラフはゴム・タイヤ業界の業界規模(対象企業の19計)の推移をグラフで表したものです。
ゴム・タイヤ業界の規模の推移を見ることでその市場の大まかな現状や動向を把握することができます。
2020年-2021年のゴム・タイヤ業界の業界規模(主要対象企業19社の売上高の合計)は5兆6,851億円となっています。
ゴム・タイヤ業界の過去11年間の業界規模の推移
ゴム・タイヤ業界の過去の推移を見ますと、2010年から2018年まで緩やかな増加傾向にありましたが、2018年から2020年にかけて減少傾向にあります。
経済産業省の生産動態統計によると、2020年の自動車用タイヤの販売本数は前年比16.7%減の1億2,338万本、販売金額は前年比18.4%減の9,915億円でした。
二輪車の販売台数と販売金額の推移(出所:生産動態統計、グラフは業界動向サーチが作成)
前年まで横ばいで推移してきたタイヤ販売本数ですが、2020年には減少に転じました。
近年のタイヤ業界は円安、景気回復、消費の増加、先進国、新興国市場の堅調な推移など追い風もあり、各社とも業績を回復させていましたが、ここ数年は横ばいを記録しています。
2020年に入り、新型コロナウイルス感染症が世界的に拡大しました。当初、需要の落込みが激しいと思われていた自動車メーカーですが、同年11月に2021年度の業績予想を相次いで上方修正しています。ただ、感染症が収まるまでは依然として油断はできない状況で、タイヤ業界の今後の先行きも不透明といえるでしょう。
2020年決算のゴム・タイヤ業界の上位5社の業績は、住友理工が5.2%減、TOYO TIREが同4.0%減、ブリヂストンが前年比3.4%の減少、一方、横浜ゴムは±0%、住友ゴム工業は0.1%減と、横ばいでした。
国内での自動車保有台数及び生産台数の減少に伴い、国内向けタイヤは減少傾向にあります。さらに、近年の消費者は節約志向から廉価品を好む傾向になり、収益性の確保も難しくなってきました。
一方で、海外向けタイヤはアジア、中近東での需要が堅調な推移。北米エリアでも需要回復が見られるなど、各社とも低燃費タイヤなど機能性に優れたタイヤを次々と投入し、シェア拡大に向け動き出しています。
ゴム・タイヤ業界において、ブリヂストンの動向は押さえておく必要があります。
ブリヂストンは2020年12月決算で売上高2兆9,990億円を計上。2位の住友ゴム工業の7,908億円と4倍近い開きがあり、同一業界でこれほどの開きがある業界はめったにありません。ちなみにブリヂストンは2005年には仏ミシュランを抜き、タイヤで世界首位のメーカーとなりました。
ブリヂストンは創業早くから世界展開を開始。昨今のグローバル化が進むはるか前から海外展開を加速してきました。現在では世界150ヶ国約140の生産・開発拠点(2021年5月時点)を持ち、連結従業員数は全世界で14万人を超えます。
ブリヂストンの日本での売上高比率はわずか20%にすぎず、米国、欧州、中近東、アフリカ、中国など海外の売上高比率は約8割になります(2020年12月現在)。まさに、日本では数少ない、真のグローバル企業と言えるでしょう。
順位 | 企業名 | 売上高 | シェア | 単位:億円 |
1 | ブリヂストン | 29,990 | 52.8 | |
2 | 住友ゴム工業 | 7,908 | 13.9 | |
3 | 横浜ゴム | 5,705 | 10.0 | |
4 | 住友理工 | 3,979 | 7.0 | |
5 | TOYOTIRE | 3,437 | 6.0 | |
6 | オカモト | 863 | 1.5 | |
7 | バンドー化学 | 813 | 1.4 | |
8 | 西川ゴム工業 | 802 | 1.4 | |
9 | ニッタ | 786 | 1.4 | |
10 | 三ツ星ベルト | 648 | 1.1 |