トラック業界の動向や現状、ランキング&シェアなどを研究・分析しています。データは2021-2022年。対象企業の過去の業績を追うことでトラック業界全体の現状や動向、傾向を知ることができます。
業界規模
4.8兆円
成長率
-0.7%
利益率
0.9%
平均年収
696万円
トラック業界の過去の業界規模の推移を見ますと、2018年まで増加傾向にありましたが、2018年から2020年には減少、2021年には再び増加に転じています。
経済産業省の生産動態統計によると、2021年のトラックシャーシ(コンテナを載せてけん引する車体部分のこと)の販売台数は前年比10.0%増の114.7万台、販売金額は同16.7%増の2兆9,986億円でした。
トラックシャーシの販売台数と販売金額の推移(出所:経済産業省、グラフは業界動向サーチが作成)
グラフを見ますと、2020年には販売金額、販売台数ともに大きく落ち込込みましたが、2021年は一転して増加となりました。コロナ前である2019年と比較すると、販売台数は縮小しているものの、販売金額においてはコロナ前の水準まで戻しています。
2021-2022年のトラック業界の動向を見ますと、半導体や部品不足の影響を受け、国内市場ではトラック販売台数が減少しました。一方、海外市場の需要は堅調で、なかでもアジアでの販売台数が増加しました。2021年は海外市場の多くの地域でコロナ前の2019年の水準まで回復しています。
近年はトラック業界(商用車)にも次世代車両の開発が急がれており、企業間の提携や解消が進んでいます。さらに世界的なディーゼルエンジンの規制強化の動きもあり、18年8月にはトヨタ自動車といすゞ自動車が資本提携を解消、2022年5月にはいすゞ自動車がGMとのディーゼルエンジンの合弁解消を発表しています。
一方、2021年4月には、トヨタ自動車といすゞ自動車、日野自動車(2022年8月、認証試験不正を踏まえ除名)が、車商用車向けのCASE技術開発の新会社「CJPT」を設立。同年7月にはスズキ、ダイハツ工業も参画しています。
トラックの世界シェアは海外企業が上位を占め、そのうち中国勢が中大型トラックの販売台数を増加させおり、世界市場10位以内に4社がランクインするなど勢いを増しています。国内ではトップシェアを誇るいすゞ自動車や日野自動車ですが、世界でのシェアは振るいません。
トラック業界では商用車の自動運転化や電動自動車の技術確立の競い合いがグローバルで展開されており、今後も世界的な再編が加速するとみられます。
2018年1月には、国内の大手4社が先行するトラックを自動運転車が隊列走行する実験を高速道路で開始し、政府は20年には新東名でトラックの無人隊列走行実用化を目指しています。2022年3月には、いすゞ自動車と三菱商事が福岡空港国内線・国際線旅客ターミナルビル間での実証実験を行うなど、次世代車両の開発を加速させています。
また、近年の日系企業はとりわけアジア市場に力を入れています。近年、めざましい経済成長を追い風にアジアではトラックを必要とする物流や輸送が拡大しています。今後トラック市場はアジアでの大きな伸びが期待され、市場シェアの拡大に大きな期待が向けられます。
現在トラック業界は、世界のトラック需要増と自動運転技術という二つの大きなテーマを追っています。いずれも拡大的、革新的な側面を持っており、大きな転換点を迎えてるのは間違いありません。
トラック業界の売上高ランキング&シェアをはじめ、純利益、利益率、総資産、従業員数、勤続年数、平均年収などをランキング形式でまとめました。各種ランキングを比較することでトラック市場のシェアや現状、動向を知ることができます。
※シェアとはトラック業界全体に対する各企業の売上高が占める割合です。シェアを比較することでトラック市場における各企業の占有率を知ることができます。矢印は対前年比の増減を表しています。下記のランキングをクリックするとそれぞれトラック業界の詳細ランキングページにジャンプします。
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