電子部品業界の動向や現状、ランキングなどを研究しています。電子部品業界の過去の業界規模の推移をはじめ、日本の電子部品の生産金額の推移グラフ、電子部品を取り巻く今後などについて解説しています。
業界規模
16.6兆円
成長率
10.5%
利益率
9.0%
平均年収
775万円
電子部品業界の過去の業界規模の推移を見ますと、2021年、2022年と増加傾向にあります。
経済産業省の生産動態統計(2023年6月公表)によると、2022年の電子部品の生産金額は前年比2.0%増の2兆8,853億円でした。
電子部品の生産金額の推移(出所:経済産業省、グラフは業界動向サーチが作成)
グラフを見ますと、電子部品の生産金額は2019年までは2兆円台前半を横ばいで推移していました。一方、2020年から2022年にかけて増加傾向となり、2兆8千億円まで伸長しています。
2022-2023年の電子部品業界は、一部で需要の減速が見られた年でした。なかでも、市場をけん引してきたスマートフォンの需要が縮小しています。またコロナ禍で需要が旺盛であった、パソコンにも一服感がみられました。
一方、自動車関連においては、半導体不足や部品不足による自動車生産台数に影響があったものの、EV化の進展により自動車搭載部品が増加、車載モーターやコンデンサーなどの受動部品が堅調に推移しました。また、円安の進行も業績に寄与しています。
近年の電子部品業界は、スマホ需要に一服感がみられるものの、通信基地局やデータセンターの通信部品需要、IoTや自動車関連向けセンサーや小型電池需要、工場のオートメーション化に伴う需要など、通信技術の発展に伴う電子部品需要が増加しています。
20年には新型コロナウイルスの世界的な拡大で、生産停止が相次ぎましたが、これを機にテレワークが普及、5Gやクラウド、ICTなど通信やデジタル需要が一段と高まりました。だたし、2022年にはこれら需要に一服感が見られています。そうしたなか、脱炭素の影響から自動車のEV化が進み電子部品の搭載数も増加、今後の成長を見据え各社が注力しています。
2022年の電子部品業界の売上高ランキングを見ますと、上位3社が揃って2兆円を越えています。首位の日本電産は2021年に工作機械事業に参入し、2023年3月期では初の2兆円を目指し達成することができました。直近の動向では、工作機械を手掛けるTAKISAWAへのTOBを2023年7月に発表しています。
2022-2023年の電子部品メーカー大手5社の業績は、4社が過去最高売上高を記録しました。また主要メーカー27社中24社が前年比増、うち19社が2ケタ増を記録しています。前年に比べ伸び率はわずかに縮小しましたが、円安効果も加わり2022年の電子部品業界は堅調であったことがわかります。
近年、業界をけん引してきたスマホ需要ですが、世界的な需要の一服感が見られ、伸び率は鈍化傾向に、収益性も低下傾向にあります。
一方で、あらゆるモノがインターネットにつながるIoT、5G関連の基地局やデータセンター、工場のオートメーション化、自動運転関連など今まで以上に電子部品のニーズが増えてきています。今後もこうした次世代通信の需要はさらに拡大するものとみられ、電子部品業界に大きな追い風となっています。
また、自動車向け電子部品はスマホ向け部品に比べ、高い利益率が見込まれます。自動運転車の普及や東南アジアをはじめとした新興国の自動車普及はこれから本格期を迎え、今後も高い需要が見込まれます。
電子部品業界の売上高ランキング&シェアをはじめ、純利益、利益率、総資産、従業員数、勤続年数、平均年収などをランキング形式でまとめました。各種ランキングを比較することで電子部品市場のシェアや現状、動向を知ることができます。
順位 | 企業名 | 売上高(億円) | シェア | |
1 | ニデック | 22,428 | ||
2 | TDK | 21,808 | ||
3 | 京セラ | 20,253 | ||
4 | 村田製作所 | 16,867 | ||
5 | ミネベアミツミ | 12,922 | ||
6 | アルプスアルパイン | 9,331 | ||
7 | 日東電工 | 9,290 | ||
8 | キーエンス | 9,224 | ||
9 | オムロン | 8,760 | ||
10 | ローム | 5,078 |
※シェアとは電子部品業界全体に対する各企業の売上高が占める割合です。シェアを比較することで電子部品市場における各企業の占有率を知ることができます。矢印は対前年比の増減を表しています。下記のランキングをクリックするとそれぞれ電子部品業界の詳細ランキングページにジャンプします。
電子部品業界を見た人は他にこんなコンテンツも見ています。関連業種の現状や動向、ランキング、シェア等も併せてご覧ください。
ニデック、キーエンス、サンケン電気、太陽誘電、アルプスアルパイン、イリソ電子工業、オムロン、村田製作所、京セラ、日本ケミコン、ヒロセ電機、日本シイエムケイ、マブチモーター、TDK、日本航空電子工業、イビデン、ローム、ミネベアミツミ、ニチコン、SMK、日東電工、新光電気工業、メイコー、大真空、スミダコーポレーション、ホシデン、日本電波工業の計27社
電子部品業界の動向や現状、ランキング、シェア等のコンテンツ(2022-2023年)は上記企業の有価証券報告書または公開資料に基づき掲載しております。電子部品業界のデータは上記企業のデータの合計または平均を表したものです。掲載企業に関しましてはできる限り多くの企業を反映させるよう努めていますが、全ての企業を反映したものではありません。あらかじめご了承ください。また、情報に関しましては精査をしておりますが、当サイトの情報を元に発生した諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負うものではありません。重要な判断を伴う情報の収集に関しましては、必ず各企業の有価証券報告書や公開資料にてご確認ください。