電子部品業界の動向や現状、ランキングなどを研究しています。電子部品業界の過去の業界規模の推移をはじめ、日本の電子部品の生産金額の推移グラフ、電子部品を取り巻く今後などについて解説しています。
業界規模
14.9兆円
成長率
6.0%
利益率
9.4%
平均年収
748万円
電子部品業界の過去の業界規模の推移を見ますと、直近の2020年までは横ばいで推移していましたが、2021年には増加に転じています。
経済産業省の生産動態統計(2022年6月公表)によると、2021年の電子部品の生産金額は前年比18.9%増の2兆8,338億円でした。
電子部品の生産金額の推移(出所:経済産業省、グラフは業界動向サーチが作成)
グラフを見ますと、電子部品の生産金額は2019年までは2兆円台前半を横ばいで推移していました。一方、2020年から2021年は増加に転じ、2兆8千億円まで伸長しています。
2021-2022年の電子部品業界は、新型コロナウイルスによる感染再拡大の影響を受けつつも、電子部品の需要は好調に推移した年でした。自動車関連においては、部品や半導体不足による自動車減産の影響はありましたが、車載モーターやコンデンサーなどの受動部品、センサなどの需要が拡大しました。
その他、家電用のモーターやコンプレッサ、産業機器関連、5Gやデータセンター向けなどの電子部品の需要も堅調に推移しました。
近年の電子部品業界は、スマホ需要に一服感がみられるものの、通信基地局やデータセンターの通信部品需要、IoTや自動車関連向けセンサーや小型電池需要、工場のオートメーション化に伴う需要など、通信技術の発展に伴う電子部品需要が増加しています。
2020年には新型コロナウイルスが世界的に拡大したことで、生産停止が相次ぎましたが、新型コロナを機にテレワークが普及、5Gやクラウド、ICTなど通信やデジタル需要が一段と高まっています。また、脱炭素の影響から自動車のEV化も進み、電子部品の搭載数も増加傾向にあります。
2021年の電子部品業界の売上高ランキングを見ますと、上位5社が揃って1兆円越え、うち4社が2兆円目前です。首位の日本電産は2021年に工作機械事業に参入し、2023年3月期では初の2兆円を目指します。
2021-2022年の電子部品メーカー大手5社の業績は、5社揃って過去最高売上高を記録しました。また主要メーカー28社中25社が前年比2ケタ増を記録、こうしたことからも2021年の電子部品業界が好調であったことがわかります。
2023年の電子部品業界の主なニュースを厳選しています。最近の電子部品業界の動向を把握するのにお役立て下さい。
近年、業界をけん引してきたスマホ需要ですが、世界的な需要の一服感が見られ、伸び率は鈍化傾向に、収益性も低下傾向にあります。
一方で、あらゆるモノがインターネットにつながるIoT、5G関連の基地局やデータセンター、工場のオートメーション化、自動運転関連など今まで以上に電子部品のニーズが増えてきています。今後もこうした次世代通信の需要はさらに拡大するものとみられ、電子部品業界に大きな追い風となっています。
また、自動車向け電子部品はスマホ向け部品に比べ、高い利益率が見込まれます。自動運転車の普及や東南アジアをはじめとした新興国の自動車普及はこれから本格期を迎え、今後も高い需要が見込まれます。
電子部品業界の売上高ランキング&シェアをはじめ、純利益、利益率、総資産、従業員数、勤続年数、平均年収などをランキング形式でまとめました。各種ランキングを比較することで電子部品市場のシェアや現状、動向を知ることができます。
順位 | 企業名 | 売上高(億円) | シェア | |
1 | 日本電産 | 19,181 | ||
2 | TDK | 19,021 | ||
3 | 京セラ | 18,389 | ||
4 | 村田製作所 | 18,125 | ||
5 | ミネベアミツミ | 11,241 | ||
6 | 日東電工 | 8,534 | ||
7 | アルプスアルパイン | 8,028 | ||
8 | オムロン | 7,629 | ||
9 | キーエンス | 7,551 | ||
10 | ローム | 4,521 |
※シェアとは電子部品業界全体に対する各企業の売上高が占める割合です。シェアを比較することで電子部品市場における各企業の占有率を知ることができます。矢印は対前年比の増減を表しています。下記のランキングをクリックするとそれぞれ電子部品業界の詳細ランキングページにジャンプします。
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