カメラ業界の動向と現状を研究・分析しています。データは2021-2022年。カメラ業界の市場規模の推移をはじめ、デジタルカメラの出荷台数の動向、デジタルカメラの主な分類と分野別の現状などをグラフを交えて解説しています。また、各種売上高のランキングやシェアなどもあわせて掲載しています。
業界規模
1.5兆円
成長率
-7.3%
利益率
7.8%
平均年収
918万円
カメラ業界の過去の業界規模の推移を見ますと、2020年まで減少傾向にありましたが、2021年には増加に転じています。
カメラ映像機器工業会によると、2022年のデジタルカメラの総出荷台数(2023年2月公表)は、前年比4.2%減の801万台となりました。
(出所:カメラ映像機器工業会「デジタルカメラ統計」よりグラフは業界動向サーチが作成)
デジタルカメラ出荷台数の推移を見ますと、2011年から2022年にかけて大幅に減少しています。出荷台数は2010年に1億2,000万台を突破したのをピークに、2021年には15分の1ほどまで減少しています。
カメラ市場が大幅に減少している理由はスマートフォンの台頭です。近年、手軽で高画質なスマホカメラが消費者に広く普及し、デジタルカメラのニーズが著しく減少しています。
特に、初心者向けのコンパクトカメラの影響が大きく、スマホにシェアを奪われているのが現状です。写真撮影の定番がカメラからスマホへ完全に移行してしまった、いわゆる「パラダイムシフト」が起きたことがカメラ市場縮小の大きな要因と言えます。
2021年はデジタルカメラの出荷台数は減少したものの、業績面では反発の動きを見せています。2021年は高画質ミラーレスカメラや交換レンズ、インスタントカメラが好調に推移しました。その結果、売上高は増加に反発しています。
※はカメラ関連の部門売上高。2021-2022年のカメラ業界の売上高を見ますと、キヤノン、ソニー、富士フイルムが高いシェアとなっています。
2022年3月期のカメラメーカー4社の売上高は、そろって増収でした。キャノンが前期比20.7%、ソニーグループが22.5%、富士フイルムが16.9%、ニコンが18.6%の増加を記録、大幅に減収を記録した前年から反発を見せています。全体としては、コロナ前の2019年の水準の9割ほどまで回復しています。
近年、市場を縮小しているカメラ業界ですが、ミラーレスカメラの需要は伸びています。一般的にデジタルカメラは、コンパクトカメラとレンズ交換式カメラに大きく分けられ、レンズ交換式はさらに、一眼レフとミラーレスカメラに分けられます。
ミラーレスカメラは一眼レフカメラにある鏡(ミラー)をなくし、レンズがとらえた景色を映像に変化し、ファインダーやモニタに映すカメラです。一眼レフカメラに比べよりコンパクトで軽い点が特徴です。
最近ではインスタ映えを狙いスマホとの差別化を図ろうと、小型軽量で扱いやすいミラーレスカメラが女性からの支持を集め、業界の牽引役として注目されています。アジアでSNSを利用する若年層からのニーズも増えています。
近年では、アジアでのミラーレスカメラの販売台数も増えています。インスタ映え効果でより本格的な写真を摂ろうとデジタルカメラの購入が増えているため、各メーカーはアジアでの販売に力を入れ始めています。
こうしたミラーレスカメラの動向を受け、メーカー各社は生産ラインの強化や新製品の発売などミラーレス分野に注力をしています。特にミラーレス分野で先行しているソニーをキヤノンやニコンといった各社が追いかける形となっています。
そして、各社はスマートフォンとの差別化をさらに強固にしており、超高画質の機種やプロ向け機種を市場に投入、今後は高級機クラスの競争が激化すると予想されています。
カメラ業界の売上高ランキング&シェアをはじめ、純利益、利益率、総資産、従業員数、勤続年数、平均年収などをランキング形式でまとめました。各種ランキングを比較することでカメラ市場のシェアや現状、動向を知ることができます。
※キヤノンはイメージングシステム事業、ソニーグループは静止画・動画カメラ事業、富士フイルムHDはイメージング事業、ニコンは映像事業の売上高です。シェアとはカメラ業界全体に対する各企業の売上高が占める割合です。シェアを比較することでカメラ市場における各企業の占有率を知ることができます。矢印は対前年比の増減を表しています。下記のランキングをクリックするとそれぞれカメラ業界の詳細ランキングページにジャンプします。
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