PRECISION EQUIPMENT
目次
グラフは精密機器業界の業界規模(対象企業の50計)の推移をグラフで表したものです。
精密機器業界の規模の推移を見ることでその市場の大まかな現状や動向を把握することができます。
2020年-2021年の精密機器業界の業界規模(主要対象企業50社の売上高の合計)は4兆9,629億円となっています。
精密機器業界の過去11年間の業界規模の推移
精密機器業界の過去の推移を見ますと、2010年から2018年まで緩やかな増加傾向にありましたが、2018年から2020年には減少に転じています。
精密機器業界は主に、医療機器、時計、計測機器分野に分けられます。
近年の医療機器業界は増加傾向にあります。2010年から2020年にかけて堅調な増加を記録しており、医療機器の売上高も高水準をキープしています。こうした動向を受け、医療機器業界にはソニーやキヤノンなど他業種からの参入も目立つようになりました。
2020年は新型コロナの感染拡大による患者数の減少から、医療機器への投資を医療機器への投資を控える病院が増えましたが、人工呼吸器や人工肺など一部の特需も見られました。今後は先進国は高齢化が進み、新興国は経済の発展に伴う医療水準の向上が見込まれるため、医療機器業界は安定的な成長が期待できる分野とも言えます。
一方、時計業界は近年の景気後退、消費不況などの影響を受け、不振が続いています。数年前までは訪日外国人の増加に伴う「爆買い」の影響を受け、需要が回復しましたが、近年は伸び悩み、減少に転じています。
測量機器分野は民間向け、官庁大学向けともに堅調な推移を見せています。
2020年は医療機器、測量機器は横ばい、時計は大幅な減少となり、精密機器業界全体ととしても減少を記録しています。いずれの分野も新型コロナウイルスの影響は大きく、業績悪化の主な要因となっています。
2020年から2021年の精密機器大手5社の売上高は、オリンパスが前年比8..4%減の7,305億円、テルモが同2.4%減の6,138億円、HOYAが5.0%減の5,479億円、ニプロが2.9%増の4,555億円、ニコンが23.7%減の4,512億円でした。
2020年-2021年は主な精密機器メーカー50社中33社が減収を記録しており、全体的に業績を悪化する企業が多い年でした。
順位 | 企業名 | 売上高 | シェア | 単位:億円 |
1 | オリンパス | 7,305 | 14.7 | |
2 | テルモ | 6,138 | 12.4 | |
3 | HOYA | 5,479 | 11.0 | |
4 | ニプロ | 4,555 | 9.2 | |
5 | ニコン | 4,512 | 9.1 | |
6 | 島津製作所 | 3,934 | 7.9 | |
7 | シチズン時計 | 2,066 | 4.2 | |
8 | セイコーHD | 2,026 | 4.1 | |
9 | 日機装 | 1,585 | 3.2 | |
10 | トプコン | 1,372 | 2.8 |