家電業界の動向や現状、ランキングなど

冷蔵庫や洗濯機、掃除機などの家電

家電業界の動向や現状、ランキング&シェアなどを分析しています。データは2021-2022年。家電業界の過去の推移をはじめ、白物家電とAV家電の販売額の推移グラフ、部門別の売上高ランキング、白物家電、AV機器のそれぞれの動向を詳しく解説しています。

家電業界(2021-2022年)

家電業界の推移と基本情報

業界規模

8.8兆円

成長率

1.0

利益率

4.4

平均年収

729万円

  • 16年
  • 17年
  • 18年
  • 19年
  • 20年
  • 21年

家電業界の過去の業界規模の推移を見ますと、2020年まで緩やかな減少傾向にありましたが、2021年には若干の回復を見せています。

家電業界の動向と現状(2021-2022年)

2021年の家電業界は微減 白物は横ばい、AV家電は減少傾向

経済産業省の生産動態統計によると、2021年の白物家電の販売額は、前年比-2.9%の1兆0,946億円、AV家電の販売額は、前年比-1.8%の6,070億円でした。

白物家電とAV家電の販売額の推移

白物家電とAV家電の販売額の推移(出所:経済産業省、グラフは業界動向サーチが作成)

2021年の家電の販売額は白物家電、AV家電ともに若干の減少となりました。直近の推移を見ますと、白物家電は横ばい、AV家電は減少傾向にあることが分かります。

2020年は新型コロナウイルスの影響で、ネット通販が伸長しましたが、外出自粛等の影響により、店頭販売が苦戦しました。定額給付金の支給、シャープのプラズマクラスターや調理家電の伸長など一部でコロナ特需も見られます。

2021年は昨年増加した冷蔵庫や調理家電の反落、ルームエアコンの販売減少などが響きました。一方、欧米や中国での洗濯機、冷蔵庫、美容家電などは順調に推移しました。世界的な半導体不足は依然として継続しており、年後半からは原材料価格の高騰なども懸念されています。

続いて、家電業界の売上高ランキングを見ていきましょう。以下は2020-20221年の家電業界の売上高ランキングです。※は部門売上高となっています。

家電業界 売上トップ5(2021-2022年)

順位 企業名 売上高(億円)
1 パナソニックHD 34,088
2 ソニーグループ 22,978
3 三菱電機 11,447
4 シャープ 4,461
5 日立製作所 3,966

2021-2022年の家電業界の売上高ランキングを見ますと、パナソニック、ソニー、三菱電機、シャープの売上高が大きいことが分かります。東芝は白物家電事業を美的集団に売却したため、ランキングには入っておりません。

2021-2022年はランキング上位5社中2社が増収、2社が横ばい、1社が減収となっています。

白物家電は洗濯機、冷蔵庫が堅調 大容量・高級化のトレンドに

洗濯機や冷蔵庫を運ぶ人たち

続いて、白物家電の動向を見ていきましょう。

経済産業省の生産動態統計によると、2021年の冷蔵庫の販売額は、前年比+2.2%の3,191億円、洗濯機は前年比+0.4%の1,769億円、炊飯器は-7.0%の752億円、掃除機は-2.6%の610億円でした。

白物家電の販売額の推移

白物家電の販売額の推移(出所:経済産業省、グラフは業界動向サーチが作成)

2021年は冷蔵庫と掃除機が前年比で増加を記録しています。また、近年の動向を見ますと、冷蔵庫と洗濯機が増加、炊飯器と掃除機は減少傾向にあることが分かります。

近年の白物家電は成熟期を迎えています。白物家電は一定の買い替えサイクルが見込まれるため安定した業界ですが、今後は人口の減少とともに市場規模が小さくなることが予想されます。

こうした中、最近では共働き世帯の増加に伴い、家事の負担を軽減してくれる「簡便・時短」家電が好評です。「まとめ洗い」や「まとめ買い」に対応した大型・高価格帯の洗濯機や冷蔵庫の売れ行きが好調で、近年のトレンドとなっています。

2021年の薄型テレビ販売額は-9%、3年連続の減少

テレビと下向けのグラフ

続いて、AV家電の動向を見ていきましょう。

経済産業省の生産動態統計によると、2021年の薄型テレビの販売額は、前年比-9.5%の598億円、デジタルカメラ(一眼レフ)の販売額は、前年比+15.8%の1,216億円でした。

AV家電の販売額の推移

AV家電の販売額の推移(出所:経済産業省、グラフは業界動向サーチが作成)

一眼レフカメラは増加に転じましたが、薄型テレビは昨年に続き減少となりました。近年、薄型テレビの販売が深刻な状況を迎えています。2019年は前年比-39.9%、2020年は-46.2%、2021年は-9.5%と3年連続で減少を記録しています。

テレビ販売の不振の理由として、消費者のテレビ離れの動きが鮮明に表れています。

YoutubeやAmazonプライム等のインターネット動画の普及により、消費者がテレビを見る機会が減っているのも事実です。各テレビ局の視聴率も年々減少傾向にあり、「テレビの在り方そのものを問う」時代に来ているのかもしれません。

こうした動向の中、ソニーはAV家電において、高付加価値戦略を展開しています。映像や音を楽しみたいという消費者の根源的な欲求に注目し、最高画質の追及や「360 Reality Audio」の導入により、新しい音楽体験の付加価値を提供します。従来のテレビオーディオでは体験できなかった新しい価値創造を模索します。

家電業界の動向と現状 まとめ

2021年の家電業界は横ばいとなりました。共働き世帯の増加に伴い、洗濯機や冷蔵庫などの白物家電が堅調でしたが、薄型テレビの落ち込みが深刻になっています。今後も、白物家電は安定した推移が期待できますが、AV家電の動向には注意が必要です。海外市場も一部で回復の兆しが見られますが、本格的な復調には至っていません。今後も厳しい環境は続くと予想されます。

家電業界 ランキング&シェア

家電業界の売上高ランキング&シェアをはじめ、純利益、利益率、総資産、従業員数、勤続年数、平均年収などをランキング形式でまとめました。各種ランキングを比較することで家電市場のシェアや現状、動向を知ることができます。

家電業界 売上高&シェアランキング(2021年-2022年)

順位 企業名 売上高(億円)
1 パナソニックHD 34,088
2 ソニーグループ 22,978
3 三菱電機 11,447
4 シャープ 4,461
5 日立製作所 3,966
6 富士通ゼネラル 2,524
7 アイリスオーヤマ 2,494
8 オムロン 1,328
9 山善 1,048
10 コロナ 786

※パナソニックHDはくらし事業、ソニーグループはエレクトロニクス・プロダクツ&ソリューション事業、三菱電機は家庭電器事業、シャープはスマートライフ事業、日立製作所は生活・エコシステム事業、富士通ゼネラルは空調機事業、オムロンはHCB事業、山善は家庭機器事業の売上高です。シェアとは家電業界全体に対する各企業の売上高が占める割合です。シェアを比較することで家電市場における各企業の占有率を知ることができます。矢印は対前年比の増減を表しています。下記のランキングをクリックするとそれぞれ家電業界の詳細ランキングページにジャンプします。

その他のランキング

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家電業界 対象企業一覧

パナソニックHD、ソニーグループ、三菱電機、シャープ、日立製作所、富士通ゼネラル、アイリスオーヤマ、オムロン、山善、コロナ、象印マホービン、JVCケンウッド、ドウシシャ、MTG、ヤーマン、タイガー魔法瓶、マクセル、バルミューダ、ツインバード工業の計19社

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