DISPATCH ENGINEERS
業界規模
0.7兆円
成長率
+9.8%
利益率
+4.9%
平均年収
510万円
目次
グラフは技術者派遣業界の業界規模(対象企業の17計)の推移をグラフで表したものです。
技術者派遣業界の規模の推移を見ることでその市場の大まかな現状や動向を把握することができます。
2020年-2021年の技術者派遣業界の業界規模(主要対象企業17社の売上高の合計)は7,143億円となっています。
技術者派遣業界の過去6年間の業界規模の推移
技術者派遣業界の過去の業界規模の推移を見ますと、2015年から2020年まで増加傾向にあります。
続いて、企業ごとの動向について解説します。以下のグラフは、技術者派遣大手4社の売上高の推移を示しています。
技術者派遣大手4社の売上高の推移(出所:各社有価証券報告書、グラフは業界動向サーチが作成)
技術者派遣大手4社のグラフを見ますと、2015年から2020年にかけておおむね増加傾向にあります。なかでも、近年はアウトソーシングの成長が著しく、2018年にはメイテックを抜き2位に浮上しています。全体的に増加傾向にある技術者派遣業界ですが、2020年には伸び率が鈍化していることも分かります。
2020年の技術者派遣業界は新型コロナウイルスの影響を受け、企業によって明暗が分かれました。夜間の外出自粛によって残業時間が削減し、一部企業で減収となりました。一方、建築や化学、医薬分野の他、リモートワークを支えるシステム化など、ITやDX関連事業で底堅い需要がありました。
技術者派遣とは、高い専門技術や知識を有する人材を企業に派遣します。主に機械や電気、電子系、IT、建設、医療・医薬品分野があります。
2020年の技術者派遣業界の売上高ランキングを見ますと、首位がテクノオプロ・HD、2位がアウトソーシング、3位がメイテック、夢真ビーネックスグループ、WDB HDと続きます。首位のテクノプロ・HDは、国内最大規模の技術者人材を基盤に、幅広い知識を有するエンジニアや研究者の派遣を行っています。
2020年の技術者派遣業界の業績は、テクノプロ・HDが前年比1.8%増の1,613億円、アウトソーシングが同6.0%増の1,433億円、メイテックが4.3%減の966億円でした。近年は2位のアウトソーシングが追い上げており、トップとの差は約180億円と僅差です。
経済産業省の調査によると、2030年にはIT人材不足が約79万人にも及ぶと試算しています。こうした市況から、技術者派遣企業ではIT分野を強化しています。
国内最大級の技術系人材サービスのテクノプロ・HDは、国内2,200社以上へ技術者派遣サービスを提供しています。グループ全体の技術者は約半数がIT技術者(2021年6月現在)で占められており、IT分野の需要の高さが伺えます。
テクノプロの技術者の成長を促す研修環境
テクノプロは教育研修に注力しており、最先端技術を有する企業と連携して人材育成を行っています。また、2020年3月には、AI学習支援企業「アイデミー」に出資し、AI+αのマルチスキル人材の育成を加速させています。
M&Aで規模を拡大しているアウトソーシングでは、エンジニアの人材育成を成長戦略の一つにしています。また、新卒や中途採用、外国籍など、あらゆる層で技術者採用に取り組んでいます。今後はIT技術者を現在(2020年)の4,600人から、2024年には2倍以上の10,500人を計画しています。
夢真ビーネックスグループでも、IT分野の拡大成長を重要戦略としています。即戦力としてニーズが高い資格取得を目的とした研修や、経験者を数年で即戦力として活用できる人材育成環境を整えています。
2020年の技術者派遣業界は、コロナの流行を契機にデジタル分野の需要が増えました。今後もDXなどの普及により、IT人材の市場規模は拡大することが見込まれています。大きなビジネスチャンスが到来している中、こうした好機をうまく捉え今後の業績拡大につなげたいところです。
順位 | 企業名 | 売上高 | シェア | 単位:億円 |
1 | テクノプロ・HD | 1,613 | 22.6 | |
2 | アウトソーシング ※ | 1,433 | 20.1 | |
3 | メイテック | 966 | 13.5 | |
4 | 夢真ビーネックスグループ | 951 | 13.3 | |
5 | WDBホールディングス ※ | 390 | 5.5 | |
6 | VSN | 359 | 5.0 | |
7 | アルプス技研 | 357 | 5.0 | |
8 | フォーラムエンジニアリング | 277 | 3.9 | |
9 | ウイルテック ※ | 208 | 2.9 | |
10 | UTグループ ※ | 162 | 2.3 |