IT業界の業界レポート。データは2022-2023年。動向や現状、シェア、売上高、純利益、勤続年数、平均年収等のランキングを掲載しています。対象企業の過去の業績を追うことでIT業界全体の現状や動向、傾向を知ることができます。
業界規模
19.3兆円
成長率
5.5%
利益率
2.3%
平均年収
646万円
IT業界の過去の業界規模の推移を見ますと、2022年に大きく上昇しています。
経済産業省の「特定サービス産業動態統計調査(2024年2月公表)」によると、2023年の情報サービス業の売上高は前年比6.2%増の16兆9,919億円でした。
情報サービス業の売上高の推移(出所:経済産業省、グラフは業界動向サーチが作成)
情報サービス業の売上高の推移をみますと、2011年から2023年にかけて上昇トレンドにあることが分かります。2019年は消費増税の駆け込み需要による特需がありましたが、2021年はさらに上昇の幅が増加、その後は伸び率が縮小したものの2023年は過去最高を更新しています。
2022年のIT業界の動向をみますと、半導体や部材不足の影響は年の後半にかけて解消し、DXのほか、システムの刷新(モダナイゼーション)の需要が拡大しました。前年から引き続き、5G基地局やAI関連のほか、宇宙や防衛、流通や製造、金融、サービスなど好調でした。一方、通信および交通や電力分野においては、一部企業で投資抑制の動きが見られました。
近年では企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)の動きも活発化しており、ITサービスの需要が高まっています。政府や地方公共団体向けや金融、流通、製造など幅広い分野でのIT需要が見込まれています。
続いて、国内のIT業界のランキングを見ていきましょう。矢印は前年比の増減で、※はIT部門の売上高となります。
※はIT関連の部門売上高。IT会社の2022年の売上高ランキングを見ますと、NTTデータ、NEC、富士通 、日立製作所の売上高が大きいことが分かります。2022年は上位10社が揃って前年比増となり、4~37%と売上を伸ばしました。
続いて、世界のIT業界の動向を見ていきましょう。以下のグラフは世界のIT大手4社の売上高の推移です。
世界の主なIT企業の売上高の推移(出所:各社公表資料、グラフは業界動向サーチが作成)
世界のIT首位はアクセンチュアで、2位にIBM、3位TSCと続きます。アクセンチュア、IBM、DXCは米国、TSC(タタ・コンサルタンシー・サービシズ)はインドのITサービス会社です。上位4社の動きを見ますと、アクセンチュアとTSCが増加傾向にあることが分かります。
IT世界大手のIBMは世界170か国以上でITサービスを展開しており、AIの「ワトソン」の世界的な利用の増加が見られます。2位のアクセンチュアは世界有数のコンサル会社で、IT関連の受託業務も手掛けます。全米を中心に世界的に展開してます。
3位のTSC(タタ・コンサルタンシー・サービシズ)はインドのIT会社で、インド最大のタタ財閥の中核企業です。世界40か国以上で展開しており、近年では日本でも業績を伸ばしています。世界のIT業界も近年は増加傾向にあり、今後も緩やかな増加が続くと見られます。
2020年から2022年と新型コロナウイルスの感染拡大により、IT業界を取り巻く環境は大きく変化しました。コロナ禍による新しいビジネス様式は、既存のビジネス環境の変化やIT化を加速する大きな要因にもなりました。
さらに近年では、多くの業界で人手不足とそれに伴う収益性の低下が問題になっています。既存業務をITで効率化することで人手不足や収益性を改善することができるため、今後、様々な企業でIT化が進むと見られています。
こうした社会的なIT化、DXへのトレンドはIT業界にとっては大きな追い風となります。今後はAIやテレワーク、セキュリティ関連に加え、老朽化したシステムの刷新なども重なるため、国内のIT需要は高まることが予想されます。
こうした動向を受け、国内首位の富士通は、2020年4月にDXを支援する新会社「Ridgelinez」を設立。本格化するDX時代に向けた体制を整えます。DXについては他社でも強化する動きが同様に見られ、業界全体のトレンドになりつつあります。
2021年のIT業界はコロナ禍にも関わらず、業績を伸ばしました。世界的にもIT業界活況の動きが見られます。2022年以降も社会的にITやDXを導入する気運が高まるとともに、同サービスを強化するIT企業も増えることが予想されます。
IT業界の売上高ランキング&シェアをはじめ、純利益、利益率、総資産、従業員数、勤続年数、平均年収などをランキング形式でまとめました。各種ランキングを比較することでIT市場のシェアや現状、動向を知ることができます。
順位 | 企業名 | 売上高(億円) | シェア | |
1 | NTTデータ | 34,901 | ||
2 | NEC | 33,130 | ||
3 | 富士通 ※ | 31,765 | ||
4 | 日立製作所 ※ | 22,179 | ||
5 | 野村総合研究所 ※ | 6,460 | ||
6 | 伊藤忠テクノソリューションズ | 5,709 | ||
7 | 大塚商会 ※ | 5,416 | ||
8 | TIS | 5,084 | ||
9 | SCSK | 4,459 | ||
10 | BIPROGY | 3,398 |
※富士通はテクノロジーソリューション事業、日立製作所はデジタルシステム&サービス事業、野村総合研究所は金融IT+産業IT+IT基盤サービス事業、大塚商会はシステムインテグレーション事業の売上高です。シェアとはIT業界全体に対する各企業の売上高が占める割合です。シェアを比較することでIT市場における各企業の占有率を知ることができます。矢印は対前年比の増減を表しています。下記のランキングをクリックするとそれぞれIT業界の詳細ランキングページにジャンプします。
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NTTデータ、NEC、富士通、日立製作所、野村総合研究所、伊藤忠テクノソリューションズ、大塚商会、TIS、SCSK、BIPROGY、日鉄ソリューションズ、富士ソフト、日本総合研究所、ネットワンシステムズ、電通国際情報サービス、DTS、オービック、日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ、NSD、システナ、インフォコム、三菱総合研究所、TKC、SHIFT、JBCCホールディングス、JFEシステムズ、フューチャー、電算システムHD、GMOペイメントゲートウェイ、シーイーシーなどの計193社
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