EC業界の動向や現状、ランキングなどを分析

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EC業界の動向や現状、ランキング&シェアなどを研究しています。データは2021-2022年。物販系ECの市場規模とEC化率の推移グラフ、2021-2022年のコロナの影響と売上高ランキング、EC大手3社の推移グラフと今後の展望などを解説しています。

EC業界(2021-2022年)

EC業界の推移と基本情報

業界規模

5.4兆円

成長率

13.7

利益率

3.3

平均年収

590万円

  • 15年
  • 16年
  • 17年
  • 18年
  • 19年
  • 20年
  • 21年

EC業界の過去の業界規模の推移を見ますと、拡大傾向にあります。

EC業界の動向と現状(2021-2022年)

2021年のEC市場は8%の増加 家電、雑貨、食品が好調

経済産業省の「電子商取引実態調査」によると、2021年の物販系ECの市場規模は前年比8.6%増の13兆2,865億円、EC化率は前年比8.7%増の8.78%でした。(EC化率とは、全ての取引金額に占めるECの取引金額の比率です。)

物販系ECの市場規模とEC化率の推移

物販系ECの市場規模とEC化率の推移(出所:経済産業省、グラフは業界動向サーチが作成)

EC市場の過去の市場規模の推移を見ますと、2013年から2021年までは増加傾向にあり、EC化率も同様に増加傾向にあります。なかでも2020年はとくに伸び率が高く、過去9年で最大の伸びを記録しています。

物販系ECの市場規模の内訳

物販系ECの市場規模の内訳(出所:経済産業省、グラフは業界動向サーチが作成)

2021年の物販系ECの内訳を見ますと、食品や飲料、生活家電や衣類、食品、生活雑貨・家具分野が大きいことが分かります。これら4分野でEC市場の7割超をカバーします。2021年は生活家電、書籍、生活雑貨、食品で高い伸びを記録しています。

2021年のEC業界は、巣ごもり消費が追い風となった昨年からさらに増え、過去最大の市場規模となりました。2021年のEC化率も高い伸びを見せており、インターネットショッピングの定着が進んでいます。

2021-2022年は巣ごもり需要による一服感が見られたものの、昨年に続き、利用者数や1人当たりの利用金額も堅調に推移しました。国内のEC市場は、アマゾン、楽天、Z HDの寡占状態ですが、ポイントやサブスクを活用した各社の囲い込みが進んでいます。

EC業界 売上トップ5(2021-2022年)

順位 企業名 売上高(億円)
1 アマゾン(日本) 25,378
2 楽天グループ 10,033
3 Zホールディングス 8,091
4 MonotaRO 1,897
5 大塚商会 1,627

※はEC事業の部門売上高。EC業界の2021-2022年のランキングは、首位はアマゾン、2位に楽天グループ、3位にZホールディングスと続きます。上位3社のシェアが高いことが分かります。なお、Zホールディングスはヤフー、ZOZO、アスクルを傘下に抱えるため、Z HDの売上高にはこれら子会社の売上も含まれています。

2021-2022年は、EC業界上位5社中5社が増収となり、過去最高の売上高を記録する企業が続出しました。

EC大手3社の売上推移を比較 アマゾンが規模、成長率で突出

続いてEC大手3社の動向を見ていきます。日本のEC市場はアマゾン、楽天、Z HDの3社による寡占状態にあり、3社が巨大なプラットフォームを形成しています。これら大手3社の動向を見ることで、EC業界全体の流れをつかむことができます。

EC大手3社の売上高の推移

EC大手3社の売上高の推移(出所:各社公表資料、グラフは業界動向サーチが作成)

上のグラフは2021年までのアマゾン、楽天、Z HDの売上高推移を示したものです(Z HDにはヤフー、ZOZO、アスクルの売上高が含まれています)。2021年まで3社とも増加傾向にありますが、なかでもアマゾンの増加率が高いことが分かります。また、売上高でもアマゾンが突出しており、楽天とZ HDが2位争いをしています。

Zホールディングスはヤフーを前身とする持株会社です。2019年10月に商号を変更し、同年11月にZOZOを子会社化しました。傘下のヤフー、ZOZO、アスクルなどがEコマースを手掛けています。統合の効果もあり、2020年には部門別売上高で楽天を上回りましたが、21年には楽天に再び抜かれています。

2026年には市場規模1.5倍の予測 物流のひっ迫が課題に

拡大を続けるEC業界ですが、今後はデジタル化の加速に伴い、市場はさらに拡大することが見込まれます。野村総合研究所の「ITナビゲーター2021年版」によると、2026年度のBtoC向けのEC市場は2019年度比で約1.5倍になると予測しています。

現在のEC化率(上のグラフ参照)はいまだ8%ですので、今後の成長余地はかなりあると言えます。現在は「新規購入者数」の増加と「ローヤリティ(ユーザー当たりの購入額)」の上昇が同時に起きていますので、好循環の波に乗っていると言えます。

こうした動向を受け、既存の小売り大手も本格的にEC市場に参入してきました。近年の傾向としては、アマゾンや楽天などのプラットフォームではなく、独自のECサイト構築を試みる企業が増えています。独自サイトを運営することで、ブランド独自の世界観の構築やアフターサービスの充実、ビッグデータの収集などが可能になります。こうした動きから、ECサイト構築を支援するサービスも続々と出てきています。

順調に拡大しているEC業界ですが、物流のひっ迫が今後の大きな課題と言えます。EC大手は物流大手との関係を強化していますが、コロナ以降に爆発的に増えた物流量への対応に苦労しています。各社は、宅配時間枠の縮小や店頭受け取りなど工夫を凝らしていますが、抜本的な解決には至っていません。EC市場の拡大を阻害しないためにも、物流オペレーションのさらなる拡大と安定は喫緊の課題と言えるでしょう。

EC業界 ランキング&シェア

EC業界の売上高ランキング&シェアをはじめ、純利益、利益率、総資産、従業員数、勤続年数、平均年収などをランキング形式でまとめました。各種ランキングを比較することでEC市場のシェアや現状、動向を知ることができます。

EC業界 売上高&シェアランキング(2021年-2022年)

順位 企業名 売上高(億円)
1 アマゾン(日本) 25,378
2 楽天グループ 10,033
3 Zホールディングス 8,091
4 MonotaRO 1,897
5 大塚商会 1,627
6 メルカリ 1,470
7 ファーストリテイリング 1,269
8 オイシックス・ラ・大地 1,134
9 アダストリア 574
10 ファンケル 529

※アマゾンの売上高は2021年の平均為替レート1ドル=110円で計算。楽天グループはインターネットサービス事業、Zホールディングスはコマース事業、大塚商会はサプライ事業、ファーストリテイリングは国内Eコマース事業、アダストリアはWEB事業、ファンケルは通信販売事業の売上高です。シェアとはEC業界全体に対する各企業の売上高が占める割合です。シェアを比較することでEC市場における各企業の占有率を知ることができます。矢印は対前年比の増減を表しています。下記のランキングをクリックするとそれぞれEC業界の詳細ランキングページにジャンプします。

その他のランキング

関連リンク

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EC業界 対象企業一覧

アマゾン(日本事業)、Zホールディングス、楽天グループ、MonotaRO、大塚商会、ファーストリテイリング、メルカリ、オイシックス・ラ・大地、アダストリア、ファンケル、クルーズ、ストリーム、シュッピン、マガシーク、I-ne、スクロール、BEENOS、ベガコーポレーション、ゴルフダイジェスト・オンライン、ビューティガレージ、ロコンド、ジェネレーションパス、北の達人コーポレーション、cotta、エニグモ、白鳩、ユニフォームネクスト、交換できるくん、リネットジャパングループ、夢展望などの計37社

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