コールセンター業界の動向とランキングなどを分析

コールセンターで働いている人

コールセンター業界の動向や現状、トレンドやランキングなどを解説しています。データは2021-2022年。コールセンター業界の過去の業界規模の推移をはじめ、コールセンター大手5社の売上高の推移グラフ、2021年の動向と現状、コールセンター業界の新たなトレンドと各社の取り組みなどについて解説しています。

コールセンター業界(2021-2022年)

コールセンター業界の推移と基本情報

業界規模

0.9兆円

成長率

6.6

利益率

4.2

平均年収

585万円

  • 18年
  • 19年
  • 20年
  • 21年

コールセンター業界の過去の業界規模の推移を見ますと、増加傾向にあります。

コールセンター業界の動向と現状(2021-2022年)

2021年も引き続き好調 スポット減少も継続業務がけん引

下のグラフは、コールセンター大手5社の2017年から2021年までの売上高の推移を示したものです。※りらいあHDはコンタクトセンター事業の売上高となります。

コールセンター大手5社の売上高の推移(出所:各社公表資料、グラフは業界動向サーチが作成)

グラフを見ますと、5社ともに緩やかではありますが、増加傾向にあることが分かります。トランス・コスモスを除く4社は売上高が拮抗しており、1,000億円前後で競合しています。

2020年のコールセンター業界は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、稼働率の低下や対策費用の増加が懸念されていましたが、コロナ関連のスポット業務が急増し、全体としてはプラスの成長となりました。2020年は中央省庁や地方自治体などの「官公庁」関連に加え、「情報サービス」や「運輸・通信」分野の伸びが貢献しています。

2021年のコールセンター業界は2020年のスポット業務急増の反動減が見込まれるものの、継続業務も底堅く推移しており、引き続き堅調な業績が予想されます。近年、デジタル化や人材不足などを背景にコールセンターを中心としたBPO需要が高まっており、今後も安定した需要が見込まれています。

コールセンター業界 売上トップ5(2021-2022年)

順位 企業名 売上高(億円)
1 トランス・コスモス 3,540
2 ベルシステム24HD 1,464
3 KDDIエボルバ 1,190
4 NTTマーケティングアクト ※1 1,118
5 りらいあコミュニケーションズ ※2 1,016

※1は2020年の売上高。※2はコールセンター事業の部門売上高です。2021-2022年のコールセンター業界売上高ランキングによると、首位はトランス・コスモス、2位はベルシステム24、KDDIエボルバ、NTTマーケティングアクトと続きます。2位以下は各社、売上高が拮抗しており、年によってランキングが入れ替わる状態が続いています。

首位のトランス・コスモスは、国内30以上の拠点で18,000席以上の座席数を有するコールセンターを運営しています。BPO全般を強化しており、デジタルマーケティングやECサポートサービスなど幅広く事業を展開しています。ランキング2位のベルシステム24はコールセンター専業の大手企業で、業界内でも高いシェアを占めます。

新たなトレンド 「コールセンターの在宅化」が進む

自宅で働いている人

新型コロナウイルスの流行以降、在宅ワークやデジタル化の推進など企業を取り巻く環境は大きく変化しており、コールセンター業界でも新しいトレンドが生まれています。

BPO大手のトランス・コスモスは、コールセンターの在宅化に力を入れています。従来のコールセンター業務の一部を在宅に変更し、業務バックアップを有したセンターを設置して対応します

トランス・コスモスの「在宅コンタクトセンターサービス」

トランス・コスモスの「在宅コンタクトセンターサービス」

トランス・コスモスでは安全かつスムーズに在宅での仕事ができるよう、研修からOJT、在宅化まで一貫した運営システムを構築しています。

コールセンター専業大手のベルシステム24もコールセンターの在宅化を進めています。ベルシステム24は、コロナ前の2019年からコールセンターの在宅化に取り組んでおり、2021年2月時点で1,300席を在宅化。2023年までに目標である4,000席体制を目指します。

コールセンターの在宅化は業界の新しいトレンドとなりつつあります。在宅ワークは、働き方改革の一環やコロナにとどまらず、災害時など従来のコールセンター機能が不全となった時のバックアップとしても機能します。各社とも取り組みを強化しており、業界の新たなトレンドになりつつあります。

コールセンター業界は、企業のデジタル化や人手不足の問題などを背景に今後も堅調な推移が見込まれます。一方で、業界内での競争も激しくなっており、大手企業の寡占化、集約化も進んでいます。今後は、従来通りのサービスに加え、さらなる顧客満足度(CS)の上昇やサービスの充実など従来にプラスした価値の追求が求められています。

コールセンター業界 ランキング&シェア

コールセンター業界の売上高ランキング&シェアをはじめ、純利益、利益率、総資産、従業員数、勤続年数、平均年収などをランキング形式でまとめました。各種ランキングを比較することでコールセンター市場のシェアや現状、動向を知ることができます。

コールセンター業界 売上高&シェアランキング(2021年-2022年)

順位 企業名 売上高(億円)
1 トランス・コスモス 3,540
2 ベルシステム24HD 1,464
3 KDDIエボルバ 1,190
4 NTTマーケティングアクト ※1 1,118
5 りらいあコミュニケーションズ ※2 1,016
6 NTTネクシア 426
7 ダイレクトマーケティングミックス 302
8 ウィルグループ ※2 170
9 プレステージ・インターナショナル ※2 79
10 富士ソフトサービスビューロ ※2 46

※1 NTTマーケティングアクトは2020年の売上高です。※2りらいあコミュニケーションズはコンタクトセンター事業、ウィルグループはコールセンターアウトソーシング事業、プレステージ・インターナショナルはカスタマー事業、富士ソフトサービスビューロはコールセンターサービス事業の売上高です。シェアとはコールセンター業界全体に対する各企業の売上高が占める割合です。シェアを比較することでコールセンター市場における各企業の占有率を知ることができます。矢印は対前年比の増減を表しています。下記のランキングをクリックするとそれぞれコールセンター業界の詳細ランキングページにジャンプします。

その他のランキング

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コールセンター業界 対象企業一覧

トランス・コスモス、ベルシステム24HD、NTTマーケティングアクト、KDDIエボルバ、りらいあコミュニケーションズ、NTTネクシア、ダイレクトマーケティングミックス、ウィルグループ、プレステージ・インターナショナル、富士ソフトサービスビューロ、バーチャレクス・HD、スカラ、インバウンドテックの計13社

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