AUTOMOBILE
グラフは自動車業界の業界規模の推移をグラフで表したものです。
自動車業界の規模の推移を見ることでその市場の大まかな現状や動向を把握することができます。
平成27-28年の自動車業界の業界規模(主要対象企業10社の売上高の合計)は68兆1,730億円となっています。
自動車業界の過去11年間の業界規模の推移
平成19年までの自動車業界は、アメリカや新興国など海外を主要マーケットとして拡大を続けてきました。
しかしながら、平成20~21年のサブプライムローン、リーマンショックの影響で米国経済が失速。その後、世界的な経済危機の影響により、自動車販売台数が急落する事態を招きました。
以前から不振であった国内の自動車販売数もさらに落ち込み、自動車メーカー各社の業績は急速に悪化。平成21年3月の決算では大手各社が大幅赤字を計上しました。
平成23年まで低水準の推移を見せた自動車業界ですが、平成24年に入り、経済が回復基調に。円安も追い風となり、各社業績を回復。平成25年以降も、世界的な景況感の回復などを背景に、先進国、新興国ともに好調な自動車販売数を記録しています。
平成27年の世界の自動車販売台数は、8,967万台。前年比+2.0%の増加を記録しました。国内の新車販売台数は504万台。前年比-9.3%を記録しました。
国内の自動車販売は2年連続で減少していますが、世界では堅調な推移を見せています。北米、欧州など先進国でも堅調な推移を見せ、新興国ではブラジル、ロシアで減速がみられたものの、中国、インドでは好調な販売を記録しています。
世界の自動車業界のランキングは、1位がトヨタ自動車、2位フォルクスワーゲン、3位ゼネラル・モーターズ、4位ルノー・日産、5位現代自動車(韓国)となっています(平成27年現在)。トヨタ自動車は「販売台数」と「売上高」ともに世界首位を記録(平成27年現在)しています。
長期的に見れば世界の自動車市場は拡大傾向にあります。
一般的に、1人あたりのGDPが2,500~3,000ドルを突破すると自動車が本格的に売れ始めると言われていますが、現在、インドネシア、フィリピンがこの3,000ドル付近のラインにあり、今後の普及、市場の拡大が期待されます。
また、人口13億人を擁する巨大市場インドは、1人あたりGDPがいまだ1,700ドル程度。中間層の割合も全人口の25%ほどです。今後、2022~23年には人口が中国を抜き、世界1位になるとの予測もあり、中間層の割合も2030年には50%を超えるとの見方もあります。
インドの自動車市場において、高いシェアを誇っているのがスズキです。インド国内で37%近いシェアを誇り、2位の現代自動車(14%前後)を大きく引き離しています。インド市場では世界首位のトヨタ自動車でも4%ほどのシェアしかありませんので、いかに高いシェアであるかが分かります。
インドの自動車市場は、2001年に70万台、2008年に150万台、2015年に280万台を記録しています。2021年には500万台を超えるとの予測もあり、さらなる成長余地も残しています(同人口の中国はすでに3,000万台普及)。今後、インドは間違いなく伸びる市場で、自動車業界に与えるインパクトは大きなものとなるでしょう。
企業名 | 売上高 | シェア | 億円 | |
1 | トヨタ自動車 | 28兆4,031 | 41.7 | |
2 | 日産自動車 | 12兆1,895 | 17.9 | |
3 | ホンダ | 10兆6,254 | 15.6 | |
4 | マツダ | 3兆4,066 | 5.0 | |
5 | 富士重工業 | 3兆0,394 | 4.5 | |
6 | スズキ | 2兆8,785 | 4.2 | |
7 | 三菱自動車工業 | 2兆2,678 | 3.3 | |
8 | いすゞ自動車 | 1兆9,269 | 2.8 | |
9 | 日野自動車 | 1兆7,455 | 2.6 | |
10 | ダイハツ工業 | 1兆6,903 | 2.5 |