自動車部品業界の動向や現状などを解説

自動車と様々な自動車部品

自動車部品業界の動向や現状、ランキング&シェアを分析しています。データは2021-2022年。対象企業の過去の業績を追うことで自動車部品業界全体の現状や動向、傾向を知ることができます。

自動車部品業界(2021-2022年)

自動車部品業界の推移と基本情報

業界規模

34.1兆円

成長率

-1.1

利益率

2.5

平均年収

599万円

  • 15年
  • 16年
  • 17年
  • 18年
  • 19年
  • 20年
  • 21年

自動車部品業界の過去の業界規模の推移を見ますと、2018年から2020年まで減少傾向にありましたが、2021年には大幅に増加しています。

自動車部品業界の動向と現状(2021-2022年)

2021年の自動車部品生産額6%増 3年ぶりの増加も材料高が足枷に

経済産業省の「生産動態統計(2022年6月24日公表)」によると、2021年の自動車部品の生産金額は、前年比5.5%増の7兆5,951億円でした。3年ぶりの増加に転じました。

自動車部品の生産金額の推移(出所:経済産業省、グラフは業界動向サーチが作成)

グラフを見ますと、多少の増減はあるものの近年は8兆円台後半で推移しています。一方、2020年は新型コロナウイルスによる世界的な感染拡大が響き大幅減、7兆円台前半まで落ち込みました。2021年は3年ぶりに増加に転じた一方で7兆円台半ばまでの回復となり、コロナ前である2019年の水準には届いていない状況です。

2021-2022年の自動車部品業界の動向を見ますと、コロナ禍からの業績回復が見られた年でした。日本や北米、欧州、アジア地域では半導体や原材料不足による自動車減産の影響はありましたが、ディーゼル用エンジン、ハイブリット車や電気自動車部品、先進安全製品の需要が増加しました。

一方、資材費や物流費の高騰、急激な円安などのコストが足枷になり収益を下げる要因になっています。

自動車部品は、一台の自動車に約3万点の部品が使われるとも言われ、自動車産業を支えています。世界経済の影響を受けやすい業界で、世界同時不況時には自動車販売台数が大幅に減少、自動車部品業界も大ダメージを受けました。一方、北米や欧州、中国などの主要市域の経済が回復するとともに、自動車部品業界の業界規模も増加基調へと変わっています。

近年では東南アジアの需要が旺盛に。1人当たりのGDPが3,000ドルを超えると自動車が普及し始めるとも言われおり、2020年現在の1人当たりGDPがインドネシアが3,800ドル、フィリピンが3,200ドルとなっており、現在、該当時期に突入しています。

直近では、2021年の世界自動車販売は、インドネシアとインドが伸びており、なかでもインドは前年から30%近く増加するなど、新興国に勢いがあります。

自動車部品業界 売上トップ5(2021-2022年)

順位 企業名 売上高(億円)
1 デンソー 55,155
2 アイシン 39,174
3 豊田自動織機 27,051
4 住友電気工業 17,523
5 日立製作所 15,910

※は自動車部品関連の部門売上高。自動車部品業界の2021年売上高ランキングを見ますと、トップがデンソー、2位がアイシン、豊田自動織機、住友電気工業、日立製作所と続き、トップ3がトヨタ系で占めています

2021-2022年の自動車部品業界の業績は、5社中5社ともに増加となりました。住友電気工業を除く4社が2ケタ増となり、前年から12~62%の大幅増を記録しています。また、5社の売上高はコロナ前の2019年を大きく上回りました。

自動車メーカー傘下の企業で構成 上位にはトヨタ系が多く占める

自動車部品がクルマを支えている様子

自動車部品業界とは、自動車の部品を作るメーカーの形成する市場および業界を指します。

一口に自動車部品と言ってもその数は多く、エンジン、変速機、サスペンション、シート、ブレーキ、ハンドル、ECU(エンジンコントロールユニット)、熱交換器、ワイヤー、電子制御システム、エアバッグ、EPS(電動パワーステアリング)など多岐にわたります。

国内の自動車部品業界は、トヨタ系、日産系、ホンダ系など大手自動車メーカーの系列系企業、独立系企業、海外系企業に分かれます。

大きなシェア占めるのが系列系部品メーカーで、特に、デンソー、アイシン精機、豊田自動織機、トヨタ紡織、ジェイテクト、豊田合成などトヨタ系自動車部品メーカーが多いのが特徴です。

系列系の自動車部品メーカーが多いため、当然のことながら自動車業界の影響を大きく受けます自動車業界の推移を見ていただけると分かるのですが、グラフの推移が自動車部品業界とほぼ同じ動きをしていることが分かります。トヨタや日産、ホンダなど大手自動車メーカーの傘下にある企業が多い業界だけに、自動車業界の業績しだいで、今後の自動車部品業界の動向は変わってきます。

自動車部品業界 ランキング&シェア

自動車部品業界の売上高ランキング&シェアをはじめ、純利益、利益率、総資産、従業員数、勤続年数、平均年収などをランキング形式でまとめました。各種ランキングを比較することで自動車部品市場のシェアや現状、動向を知ることができます。

自動車部品業界 売上高&シェアランキング(2021年-2022年)

順位 企業名 売上高(億円)
1 デンソー 55,155
2 アイシン 39,174
3 豊田自動織機 27,051
4 住友電気工業 17,523
5 日立製作所 15,910
6 ジェイテクト 14,284
7 トヨタ紡織 14,214
8 パナソニックHD 10,528
9 日本精工 8,651
10 豊田合成 8,302

※住友電気工業は自動車関連事業、日立製作所はオートモティブシステム事業、パナソニックHDはオートモティブ事業の売上高です。シェアとは自動車部品業界全体に対する各企業の売上高が占める割合です。シェアを比較することで自動車部品市場における各企業の占有率を知ることができます。矢印は対前年比の増減を表しています。下記のランキングをクリックするとそれぞれ自動車部品業界の詳細ランキングページにジャンプします。

その他のランキング

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自動車部品業界 対象企業一覧

デンソー、アイシン、パナソニック、豊田自動織機、住友電気工業、トヨタ紡織、ジェイテクト、日立製作所、日本精工、矢崎総業、豊田合成、小糸製作所、NOK、日本発条、NTN、フタバ産業、東海理化電機製作所、日産車体、スタンレー電気、テイ・エステック、日本特殊陶業、KYB、ジヤトコ、ミツバ、アルプスアルパイン、ユニプレス、エクセディ、トピー工業、日本精機、ジーテクトなどの計86社

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