CONNECTOR
目次
グラフはコネクタ業界の業界規模(対象企業の14計)の推移をグラフで表したものです。
コネクタ業界の規模の推移を見ることでその市場の大まかな現状や動向を把握することができます。
2020年-2021年のコネクタ業界の業界規模(主要対象企業14社の売上高の合計)は7,146億円となっています。
コネクタ業界の過去7年間の業界規模の推移
コネクタとは、機能同士を電気的に接続するための電子部品です。プリント基板やワイヤー、ケーブル、各種部品、機器どうしの接続に使用され、電子部品の中でも機構部品に分類されます。
コネクタは目的に応じて使用されるため数万を超える種類があり、スマホや自動車、通信機器などあらゆる電子機器に使われています。
経済産業省の生産動態統計によると、2020年のコネクタの生産量は前年比1.8%増の332億個、生産金額は前年比7.5%減の3,017億円でした。
コネクタの生産量と生産金額の推移(出所:経済産業省、グラフは業界動向サーチが作成)
グラフによると、生産量はほぼ横ばいで推移しているのに対し、生産金額は3年連続で減少を記録しています。
2020年のコネクタ業界は、スマホ、PC用が振るわなかったものの、コロナ禍において自動車用コネクタが想定を超える拡大を見せました。コロナにより工場の操業規制があるなど異例の一年でしたので、自動車向けの拡大は想定外と言えます。全体としては、スマホ、PC向けの不振を自動車用コネクタ需要が補う構図となりました。
コネクタ業界の売上高ランキングを見ますと、ホシデン、日本航空電子工業、ヒロセ電機の3社の売上高が高いことが分かります。
ホシデンはコネクタ、スイッチ、マイク部品など機構部品を中心に手掛けます。日本航空電子工業はコネクタを中心に手掛ける電子部品メーカーで、NECの子会社です。ヒロセ電機はコネクタ専業大手でスマホ、車載向けを中心に扱います
米中貿易摩擦や新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、短期的に落ち込みを見せるコネクタ業界ですが、中長期的には強気の予想をする声が聞かれます。
今後普及が想定されている「5G」分野では、通信基地局で大量の電子部品(コネクタ含む)が必要とされます。端末にもコネクタは使われますので、「5G対応スマホ」への需要も想定されます。
大手キャリア3社は今後、5G基地局を年間10,000局規模で増やす予定
さらに、5Gが普及すればそれに伴う通信機器の普及も想定されます。「5G」の普及は基地局と端末、通信機器の3つの面から、コネクタ需要を押し上げる要因となります。この影響はとても大きいでしょう。
電気自動車はガソリン自動車よりも1台あたりに搭載される電子部品の数が多いのが特徴です。昨今、世界的に自動車の電動化が叫ばれておりますが、仮に電気自動車が本格的に普及するとなると、多くのコネクタが必要となります。こちらもコネクタ需要を押し上げる大きな要因となります。
2020年は5G元年と言われ、5G(第5世代移動通信方式)の商用サービスが開始しました。本格的な普及はこれから段階的に起きると言われています。電気自動車については未知数ですが、今後大きな可能性のある分野です。5Gや電気自動車はいずれも、普及すれば大きな市場になることは間違いなく、コネクタ業界の需要を強く引き上げる原動力になるでしょう。
順位 | 企業名 | 売上高 | シェア | 単位:億円 |
1 | ホシデン ※ | 2,110 | 29.5 | |
2 | 日本航空電子工業 ※ | 1,857 | 26.0 | |
3 | ヒロセ電機 | 1,335 | 18.7 | |
4 | イリソ電子工業 | 365 | 5.1 | |
5 | I-PEX ※ | 338 | 4.7 | |
6 | 鈴木 ※ | 247 | 3.5 | |
7 | SMK ※ | 198 | 2.8 | |
8 | ヨコオ ※ | 132 | 1.8 | |
9 | 山一電機 ※ | 128 | 1.8 | |
10 | エノモト ※ | 123 | 1.7 |