コネクタ業界の動向や現状、ランキングなど

様々なタイプのコネクタ

コネクタ業界の動向や現状、ランキング・シェアなどを解析しています。データは2022-2023年。コネクタ業界の過去の業界規模の推移をはじめ、コネクタの生産量と生産金額の推移グラフ、2021年の動向と、今後コネクタ業界に関連してくる5Gと電気自動車について解説しています。

コネクタ業界(2022-2023年)

コネクタ業界の推移と基本情報

業界規模

0.8兆円

成長率

9.3

利益率

7.1

平均年収

669万円

  • 14年
  • 15年
  • 16年
  • 17年
  • 18年
  • 19年
  • 20年
  • 21年
  • 22年

コネクタ業界の過去の業界規模の推移を見ますと、2019年から2022年かけて増加傾向にあります。

コネクタ業界の動向と現状(2022-2023年)

2022年のコネクタは減少 スマホ低迷もゲーム、自動車市場は増加

コネクタとは、機能同士を電気的に接続するための電子部品です。プリント基板やワイヤー、ケーブル、各種部品、機器どうしの接続に使用され、電子部品の中でも機構部品に分類されます。

コネクタは目的に応じて使用されるため数万を超える種類があり、スマホや自動車、FA機器、ゲームなどあらゆる電子機器に使われています。

経済産業省の生産動態統計によると、2022年のコネクタの生産量は前年比12.0%減の315億個、生産金額は前年比2.5%減の3,410億円でした。

コネクタの生産量と生産金額の推移(出所:経済産業省、グラフは業界動向サーチが作成)

グラフによると、コネクタの生産金額は減少傾向、生産量は横ばいで推移していましたが、2021年には一転して増加。一方で2022年は生産金額、生産量ともに減少に転じました。生産量・生産金額ともに今後、上昇または下降トレンドが継続するかがポイントになります。

2022年のコネクタ業界は、牽引約であったスマホ市場が落ち込みました。一方、半導体不足の解消やロックダウンがなかったことから、ゲーム向けや自動車向け、産業用コネクタは増産するなど回復が見られました。また、為替の影響も業績にプラスに働きました。スマホ市場の影響を一部で受けたものの、全体的には業界の規模は好調に推移しています。

コネクタ業界 売上トップ5(2022-2023年)

順位 企業名 売上高(億円)
1 ホシデン 2,480
2 日本航空電子工業 2,041
3 ヒロセ電機 1,832
4 イリソ電子工業 529
5 I-PEX 366

※はコネクタ関連の部門売上高。2022年のコネクタ業界の売上高ランキングを見ますと、ホシデン、日本航空電子工業、ヒロセ電機の3社の売上高が高いことが分かります。

ホシデンはコネクタ、スイッチ、マイク部品など機構部品を中心に手掛けており、売上の過半が任天堂向けです。日本航空電子工業はコネクタを中心に手掛ける電子部品メーカーで、NECの子会社です。ヒロセ電機はコネクタ専業大手でスマホ、車載向けを中心に扱います

「5G」や「電気自動車」コネクタ業界を引き上げる原動力になるか

5Gと電気自動車とAI

米中貿易摩擦や新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、短期的な落ち込みを見せていたコネクタ業界ですが、中長期的には強い成長を予想をする声が聞かれます。

今後普及が想定されている「5G」分野では、通信基地局で大量の電子部品(コネクタ含む)が必要とされます。端末にもコネクタは使われますので、「5G対応スマホ」への需要も想定されます。

5G基地局

大手キャリア3社は今後、5G基地局を年間10,000局規模で増やす予定

さらに、5Gが普及すればそれに伴う通信機器の普及も想定されます。「5G」の普及は基地局と端末、通信機器の3つの面から、コネクタ需要を押し上げる要因となります。この影響はとても大きいでしょう。

電気自動車はガソリン自動車よりも1台あたりに搭載される電子部品の数が多いのが特徴です。昨今、世界的に自動車の電動化が叫ばれておりますが、仮に電気自動車が本格的に普及するとなると、多くのコネクタが必要となります。こちらもコネクタ需要を押し上げる大きな要因となります。

さらに近年では、人手不足による「生産性の向上」が求められています。あらゆる産業で省人化や自動化のニーズが高まり、それに伴いコネクタの需要が高まる可能性があります。

2020年は5G元年と言われ、5G(第5世代移動通信方式)の商用サービスが開始しました。本格的な普及はこれから段階的に起きると言われています。電気自動車については未知数ですが、今後大きな可能性のある分野です。また、省人化や自動化はあらゆる産業と企業に求められ、大きな潮流となっています。これらはいずれも将来性の高い分野であり、普及が本格化すればコネクタ業界の需要を強く引き上げる原動力となるでしょう。

コネクタ業界 ランキング&シェア

コネクタ業界の売上高ランキング&シェアをはじめ、純利益、利益率、総資産、従業員数、勤続年数、平均年収などをランキング形式でまとめました。各種ランキングを比較することでコネクタ市場のシェアや現状、動向を知ることができます。

コネクタ業界 売上高&シェアランキング(2022年-2023年)

順位 企業名 売上高(億円)
1 ホシデン 2,480
2 日本航空電子工業 2,041
3 ヒロセ電機 1,832
4 イリソ電子工業 529
5 I-PEX 366
6 ヨコオ 223
7 山一電機 210
8 SMK 199
9 鈴木 190
10 本多通信工業 188

※ホシデンは機構部品事業、日本航空電子工業はコネクタ事業、I-PEXは電気・電子部品事業、ヨコオは回路検査用コネクタ事業、山一電機はコネクタソリューション事業、SMKはCS事業、鈴木は部品事業、本多通信工業はコネクタ事業の売上高です。シェアとはコネクタ業界全体に対する各企業の売上高が占める割合です。シェアを比較することでコネクタ市場における各企業の占有率を知ることができます。矢印は対前年比の増減を表しています。下記のランキングをクリックするとそれぞれコネクタ業界の詳細ランキングページにジャンプします。

その他のランキング

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コネクタ業界 対象企業一覧

ホシデン、日本航空電子工業、ヒロセ電機、イリソ電子工業、I-PEX、ヨコオ、山一電機、SMK、鈴木、本多通信工業、ケル、エノモト、山王、カナレ電気の計14社

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