2020年の鉄鋼業界の現状や、業界規模の推移、世界動向などを詳しく分析

鉄鋼業界

STEEL

鉄鋼業界の2020年版(2019-20年)の業界レポート。決算データを基に、鉄鋼業界の動向や現状をランキングやシェアとともに詳しく分析しています。世界の粗鋼生産量の推移やランキング、海外の大型再編の動き、中国やインドのトレンド、米中貿易摩擦の鉄鋼業界への影響などもあわせて確認して下さい。就職や転職、マーケティングなど業界分析にぜひご活用ください。

業界規模

16.3兆円

(21位/170業界)

成長率

+6.3%

(42位/170業界)

利益率

+1.6%

(123位/170業界)

平均年収

630万円

(82位/170業界)

鉄鋼業界の現状と動向(2020年版)

グラフは鉄鋼業界の業界規模(対象企業の46計)の推移をグラフで表したものです。

鉄鋼業界の規模の推移を見ることでその市場の大まかな現状や動向を把握することができます。

2019年-2020年の鉄鋼業界の業界規模(主要対象企業46社の売上高の合計)は16兆3,221億円となっています。

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鉄鋼業界の過去11年間の業界規模の推移

2020年世界の銑鉄生産量は微減 日本はインドに抜かれ世界3位に

鉄鋼業界の過去の業界規模の推移を見ますと、近年は高水準での増減を繰り返しています。

国内では自動車や五輪関連、建築などの需要が好調で堅調に推移しましたが、上位各3社ともに設備トラブルや自然災害により工場の稼働が停止したことで生産減となりました。輸出先はアジアの割合が大きく、なかでも2018年度は中国や韓国を抑えて、タイが初の最大輸出相手となりました。

世界の粗鋼生産量の推移(出所:worldsteel、グラフは業界動向サーチが作成)

2020年の世界の銑鉄生産量は、前年比0.6%減の131.3万トンでした。過去最高を記録した昨年から若干の減少を記録しています。中国が世界シェア6割を占めるなかで、日本は2020年にインドに抜かれ3位に低下。近年インドでは建築用鋼材の需要が伸びており、世界的な鉄鋼業界ではアジアがけん引役になっています。

日本の鉄鋼業界は中国とインドに越されてしまいましたが、日本勢が得意とするのが機能性の高い高級鋼材のハイテンです。ハイテンは軽量で強度が高いうえに加工がしやすい鋼板で、軽量化と高強度化が進む自動車への需要が高まっています。近年は韓国や中国企業も追い上げていますが、日本企業は最新鋭の超ハイテンの製造技術で差をつけています。

国内では東京五輪関連の需要は一段落しましたが、今後も都市再開発や大阪万博、インフラの老朽化対策、災害による復興といった建設や設備関連の需要を見込んでおり、各企業は五輪後の需要を取り込もうと積極的な動きを見せています。

鉄鋼大手3社による2020年3月期の業績は、日本製鉄が前期比4.1%減、JFE HDが3.7%減、神戸製鋼が5.1%減と、3社そろって減収を記録しました。原料価格は高止まりの一方で、製品価格が低下するなど、各社きびしい環境に置かれています。

中国企業が大型再編、2社統合で世界1位のミタルに迫る

鉄鋼業界では、国境を越えたM&Aが活発化しています。なかでも注目なのが中国企業同士の大型再編です。2019年6月に鉄鋼世界2位の宝武鋼鉄集団と16位の馬鉄集団が経営統合を発表、これにより鉄鋼生産量で世界首位であるアルセロール・ミタルに迫ります。

世界粗鋼量ランキング

さらに日本製鉄とアルセロール・ミタルは共同でインドのエッサールを買収し、成長著しいインド市場での事業拡大を目指します。一方で、インドのタタ・スティールとドイツのティッセン・クルップの鉄鋼事業の統合計画は白紙になるなど、鉄鋼業界は世界で激しい再編を繰り広げています。

世界の鉄鋼市場では世界トップ10圏内に中国企業が6社も入るなど中国勢が台頭しています。日本製鉄は国内の鉄鋼業界では断トツのトップ企業ですが、グローバル市場のランクは3位、首位のアルセロール・ミタルの生産量に比べると約2倍もの差があります。

中国企業が勢いづくなかで各企業は生き残りをかけた動きを見せています。事業拡大で新たな高炉建設には巨額の資金や時間がかかるため、今後もグローバルな企業買収や事業提携が展開されることが予想されます。

米中貿易摩擦、米国の鉄鋼輸入制限による影響を懸念

中国は世界の鉄鋼生産量の半分を占めるため、中国経済の状況は鉄鋼業界に大きな影響を及ぼします。米中貿易摩擦に加え米国が鉄鋼輸入制限をかけたため、鉄鋼業界の先行きは不透明感が増しています。

米中貿易摩擦により中国経済が悪化すると中国国内での鉄鋼需要が下火になり、中国企業は安価な鉄鋼を海外へ輸出する可能性があります。そうなると世界的に鉄鋼価格が低下するため、市場の悪化が懸念されます。

また、米国の鉄鋼輸入制限も同様で、中国の安価な鉄鋼がアジア市場に波及するきっかけとなります。米国に輸出している日本の鋼材はアメリカで生産が難しい高級鋼材でさほど影響はないと思われていますが、日本のメインの輸出先に中国製品が普及すれば、日本企業は大きな影響を受けることになります。

2019年には鉄鋼の原料である鉄鉱石の価格が高騰し5年ぶりの高値を付けました。2019年1月にブラジルで起きた鉄鉱石鉱山ダムの決壊事故で資源会社が操業停止、さらに中国政府の景気刺激策で鉄鋼生産量が増加、オーストラリア産の鉄鉱石の価格が上昇し、日本企業の収益を圧迫する状況にあります。

こうした動向を受けて日本製鉄は設備削減に動き始めました。2020年2月の発表では、23年9月をめどに広島の呉製鉄所を全面閉鎖、22年9月までに和歌山の製鉄所1基を閉鎖するとして、日本製鉄が大規模な合理化に動き始めています。

鉄鋼業界シェア&ランキング(2020年版)

鉄鋼業界内における売上高及びシェアのランキングをはじめ、純利益、利益率、総資産、従業員数、勤続年数、平均年収をランキング形式でまとめました。
各々のランキングを比較することで鉄鋼市場内のシェアや現状、動向を知ることができます。

鉄鋼業界 売上高&シェアランキング(2019年-2020年)

  企業名 売上高 シェア
1 日本製鉄 59,215 36.3
2 JFEHD 37,297 22.9
3 神戸製鋼所 18,698 11.5
4 日立金属 8,814 5.4
5 大同特殊鋼 4,904 3.0
6 トピー工業 2,633 1.6
7 山陽特殊製鋼 2,624 1.6
8 愛知製鋼 2,422 1.5
9 共英製鋼 2,393 1.5
10 日本製鋼所 2,175 1.3
※シェアとは鉄鋼業界の規模(対象企業の46社合計)に対する各企業の売上高が占める割合です。シェアを比較することで鉄鋼市場における各企業の占有率を知ることができます。各ランキングをクリックするとそれぞれ鉄鋼メーカーの詳細ランキングページにジャンプします。矢印は各企業の売上高の前年比の増減を表しています。

鉄鋼業界 その他のランキング

鉄鋼業界の関連業界

鉄鋼業界の関連業界を一覧で掲載しています。関連業界の動向もあわせて見ることで、その業界をより深く知ることができます。関連業界の現状や動向、ランキング、シェアもぜひチェックしてみてください。
鉄鋼業界 対象企業一覧
日本製鉄、JFEHD、神戸製鋼所、日立金属、大同特殊鋼、トピー工業、山陽特殊製鋼、愛知製鋼、共英製鋼、日本製鋼所、大和工業、東京製鐵、合同製鐵、丸一鋼管、淀川製鋼所、日本冶金工業、中山製鋼所、三菱製鋼、栗本鐵工所、大阪製鐵、日本電工、東京鐵鋼、日本金属、中部鋼鈑、大平洋金属、モリ工業、新家工業、川金HD、日本高周波鋼業、日本精線などの計46社
注意・免責事項
当鉄鋼業界の動向、現状、ランキング、シェア等コンテンツ(2020年版)は上記企業の有価証券報告書に基づき掲載しております。業界データは上記企業のデータの合計または平均を表したものです。掲載企業に関しましてはできる限り多くの企業を反映させるよう努めていますが、全ての企業を反映したものではありません。あらかじめご了承ください。また、情報に関しましては精査をしておりますが、当サイトの情報を元に発生した諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負うものではありません。重要な判断を伴う情報の収集に関しましては、必ず各企業の有価証券報告書にてご確認ください。