特殊鋼業界の動向や現状、ランキング&シェアなどを掲載しています。

特殊鋼業界

SPECIAL STEEL

2020-2021年の特殊鋼業界の動向や現状、ランキング・シェアなどを研究しています。特殊鋼業界の過去の業界規模の推移をはじめ、特殊鋼熱間圧延鋼材の生産量の推移グラフ、2020年から2021年のコロナの影響と売上高ランキング、各社の新素材への取り組みなどを解説しています。ビジネスや投資、就職や転職の参考資料としてご活用下さい。

業界規模

1.2兆円

成長率

-4.0%

利益率

-3.5%

平均年収

609万円

※矢印は前年比の増減、成長率は直近3年間の平均。平均年収は上場企業の平均ですので、実態よりも高めに出る傾向があります。

目次

特殊鋼業界の現状と動向(2021年版)

グラフは特殊鋼業界の業界規模(対象企業の8計)の推移をグラフで表したものです。

特殊鋼業界の規模の推移を見ることでその市場の大まかな現状や動向を把握することができます。

2020年-2021年の特殊鋼業界の業界規模(主要対象企業8社の売上高の合計)は1兆2,036億円となっています。

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特殊鋼業界の過去11年間の業界規模の推移

2020年の特殊鋼生産量は24%減 自動車の需要減少が影響

特殊鋼業界の過去の業界規模の推移を見ますと、2010年から2020年まで増減を繰り返していますが、ここ数年は減少傾向にあります。

下のグラフは、特殊鋼熱間圧延鋼材の生産量の推移を示しています。経済産業省の生産動態統計年報(2021年5月28日公表)によると、2020年の特殊鋼熱間圧延鋼材の生産量は、前年比24.4%減の1,450万トンでした。

特殊鋼熱間圧延鋼材の生産量の推移(出所:経済産業省、グラフは業界動向サーチが作成)

グラフを見ますと、2010年から2018年までは、2,000万トン前後の間で増減を繰り返していましたが、18年をピークに減少傾向にあります。2020年は前年から約470万トンの減少で、1,500万トンを割り込む大幅減となりました。

2020年の特殊鋼業界は、新型コロナウイルスによる世界的な感染拡大の影響を大きく受けた年でした。年の前半においては、自動車や産業機械向けの需要が大きく落ち込みました。一方、後半は自動車産業や中国向けの受注に回復が見られましたが、前年に比べ年間の需要は大幅に減少したため、全体では減収となりました。

特殊鋼とは、様々な特性を有する合成金属です。鉄に添加する元素の種類や量、タイミングに応じて性質が決まります。ニッケルやクロム、モリブデン、銅などの元素の添加により、熱や錆び、摩擦や摩耗への強さ、硬さや強靭さ、加工がしやすいなどの性質を持ちます。

特殊鋼はおもに3つに大別されます。「構造用鋼」は、おもに強さを保持する目的で使用され、土木や建築、車両などに利用されます。「工具鋼」は切削工具、金属やプラスチックを成形する金型に、「その他の特殊用途鋼」は幅広い分野で使用されており、種類もステンレス鋼、耐熱鋼、バネ鋼などさらに細かく分類されます。

特殊鋼は、輸送機器や産業、建設、工作機械、IT、宇宙開発、プラントなど幅広く利用されています。そのため、自動車や航空機、造船業界などの動向に影響を受けやすい傾向があります

特殊鋼業界 売上高ランキング

特殊鋼業界の2020年の売上高ランキングを見ますと、首位が大同特殊鋼、2位が日立金属、3位が山陽特殊製鋼、愛知製鋼、三菱製鋼と続きます。トップの大同特殊鋼は、自動車を中心に航空機や造船、産業機械などに特殊鋼材を供給している世界最大級の特殊鋼専業メーカーです。

2020年の主な特殊鋼メーカーの業績は、大同特殊鋼が前年比05減の4,127億円、日立金属が同0%減の2,172億円、山陽特殊製鋼が%減の2,107億円でした。

成長分野に投資へ 各社「新素材や高機能材」の開発に注力

特殊鋼業界では、鉄スクラップや合金鉄、燃料費の価格上昇に加え、海外勢や他素材との競争激化など厳しい状況に置かれています。また、自動車のEV化やカーボンニュートラルなど、特殊鋼業界を取り巻く環境は目まぐるしく変化しています。

こうした環境の変化に伴いニーズの多様化や高機能化の要求は高まっており、新素材の開発スピードは年々加速しています。特殊鋼業界では中長期的に大きな成長が見込める分野への投資や、高機能材の開発に注力しています。

世界最大級の特殊鋼メーカーである大同特殊鋼は、2018年発表の中期経営計画で「構造材料から機能材料へ」というスローガンを掲げました。自動車や建機に用いる構造用鋼から、成長性のある「機能材料・磁性材料」事業にシフトを進めており、2020年には同事業で売上トップとなりました。

大同特殊鋼の「機能材料・磁性材料」事業

大同特殊鋼の「機能材料・磁性材料」事業

また、近年はEVのモーターに組み込む『EV用特殊磁石』の需要が増え、高性能磁石の開発競争が激化しています。同社では、2020年5月に中津川先進磁性材料開発センターを開設し、磁石の研究開発体制の強化で成長分野へのビジネス拡大を図っています。

高級工具鋼や磁性材で世界トップクラスの日立金属では「注力事業の市況回復取り込みとモノづくりの再強化」を掲げ、特殊鋼製品の「工具鋼・産機材」の強化や高付加価値製品へのシフトを図っています。また、パワーエレクトロニクス事業も成長事業としており、SiN基盤やSiC基盤など、EVの効率化に貢献する機能部材の研究開発を進め、EV時代の成長柱へとしていきます。

軸受鋼の生産高で国内首位の山陽特殊製鋼は、技術先進性の更なる拡大を掲げ、世界的な成長が見込まれる「EV、風力発電、鉄道、水素社会」などの分野で、高機能商品の開発に注力しています。また、人口減少や高齢化に伴う内需の減少を見据え、海外市場での収益力強化を図ります。

2020年の特殊鋼業界は、新型コロナウイルスの影響を受け、多くのメーカーが前年を下回りました。2021年前半は受注環境が好転した一方、後半に入り半導体不足によって自動車関連の回復ペースが鈍化しています。現在、特殊鋼各社は今後の成長分野へ投資を行っています。コロナ後の世界的な需要の反発と、新分野の成長に期待したいところです。

特殊鋼業界シェア&ランキング(2021年版)

特殊鋼業界内における売上高及びシェアのランキングをはじめ、純利益、利益率、総資産、従業員数、勤続年数、平均年収をランキング形式でまとめました。
各々のランキングを比較することで特殊鋼市場内のシェアや現状、動向を知ることができます。

特殊鋼業界 売上高&シェアランキング(2020年-2021年)

順位 企業名 売上高 シェア
1 大同特殊鋼 4,127 34.3
2 日立金属 2,172 18.0
3 山陽特殊製鋼 2,107 17.5
4 愛知製鋼 2,049 17.0
5 三菱製鋼 978 8.1
6 日本高周波鋼業 315 2.6
7 東北特殊鋼 161 1.3
8 不二越 127 1.1
※日立金属は特殊鋼製品事業、不二越はその他事業の売上高です。シェアとは特殊鋼業界の規模(対象企業の8社合計)に対する各企業の売上高が占める割合です。シェアを比較することで特殊鋼市場における各企業の占有率を知ることができます。各ランキングをクリックするとそれぞれ特殊鋼業界の詳細ランキングページにジャンプします。矢印は各企業の売上高の前年比の増減を表しています。

特殊鋼業界 その他のランキング

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特殊鋼業界 対象企業一覧
大同特殊鋼、日立金属、山陽特殊製鋼、愛知製鋼、三菱製鋼、日本高周波鋼業、東北特殊鋼、不二越の計8社
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