工作機械業界の現状、動向、ランキング、シェア等を分析・研究

工作機械業界

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工作機械業界の2021年版(2020-21年)の動向や現状、ランキング、シェアなどを研究しています。過去の市場規模の推移をはじめ、金属工作機械の販売金額のグラフや米中貿易摩擦の影響、新たな注目分野や各社の取り組みなどを解説しています。業界への就職や転職、ビジネスや投資の市場分析などにお役立て下さい。

業界規模

4.3兆円

(61位/181業界)

成長率

-4.6%

(146位/181業界)

利益率

+2.5%

(79位/181業界)

平均年収

595万円

(109位/181業界)

※矢印は前年比の増減、成長率は直近3年間の平均。平均年収は上場企業の平均ですので、実態よりも高めに出る傾向があります。

目次

工作機械業界の現状と動向(2021年版)

グラフは工作機械業界の業界規模(対象企業の45計)の推移をグラフで表したものです。

工作機械業界の規模の推移を見ることでその市場の大まかな現状や動向を把握することができます。

2020年-2021年の工作機械業界の業界規模(主要対象企業45社の売上高の合計)は4兆3,824億円となっています。

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工作機械業界の過去11年間の業界規模の推移

2020年の受注高が2年連続の減少 経済に左右される工作機械業界

工作機械業界の過去の推移を見ますと、2010年から2018年まではおおむね増加傾向にありましたが、2018年から2020年までは減少傾向で推移しています。

金属工作機械の販売金額の推移(出所:経済産業省、グラフは業界動向サーチが作成)

経済産業省の生産動態統計年報によると、2020年の金属工作機械の販売金額は前年比32.0%減の7,615億円でした。販売金額は前年の1兆円台から大幅に下落し、2年連続でマイナスとなりました。

工作機械は、自動車はじめとする電機・精密機械、航空機、IT製品、産業機械、医療用器具など、世界的に様々な産業で利用されているため、景気の影響を大きく受ける業界です。工作機械の受注は製造業の設備投資の動向に比例することから『工作機械受注高』が、景気の先行指標として用いられています。

「機会を作る機械」として『マザーマシン』とも言われる工作機械は、自動車や航空機、スマートフォンや家電製品などの各製品の部品作りに用いられる機械です。金属やガラスやセラミックといった非金属などの材料を削ったり切断するなどの加工を施し、様々な部品や金型を作り出します。

過去の工作機械業界の動向を振り返りますと、2008年のリーマンショックの影響を受け、一時は大きく落ち込みましたが、その後スマートフォンや自動車、半導体関連での需要が増加。2017年と18年においては、2年連続で過去最高額を記録しています。

特にスマートフォンにおいては『スマホ特需』と言われ、新機種の生産に伴う受注の増加が見られました。一方でスマートフォン関連の需要は、浮き沈みが大きく需要の増減を繰り返し、ここ数年は好調だったスマホ需要も世界で一服感が見られています。また、米中の通商問題も加わったことで、受注の低迷が続いています。

このような状況の下、2020年は新型コロナウイルス感染症が世界的に拡大。中国では19年末に感染が拡大し工作機械の需要が低迷しました。そのため、業界内では今後の業績に不透明感が漂っています。

2020年の主な工作機械メーカーの売上高は、マキタは前年比23.5%増、ファナックは8.5%増、安川電機は5.2%減、DMG森精機は32.4%減、アマダは21.8%の減少を記録しています。

米中貿易摩擦による需要減退 新興国企業との競争も激化へ

ここ数年の工作機械業界は、米中貿易摩擦による世界経済の変動を受け、先行き不透明な状況にあります。

近年では自動車、半導体、航空機、精密機械など製造業の業績が堅調に推移していたことから、工作機械業界におても同様に堅調な推移を見せてきました。業界内では、部材の調達難が発生するほど需要は旺盛で、当時は受注残の課題を抱えるほどでした。

ところが、最大市場であった中国経済の減速が見え始めたころに米中貿易摩擦が勃発、好調を維持してきた工作機械需要は減少しました。中国メーカーは貿易摩擦による影響を回避しようと相次いで設備投資を控え、さらに欧米メーカーからの受注も減少、18年の秋口ごろから受注高が縮小しています。

また、工作機械業界は参入企業が多く、近年は低コスト製品を供給する海外企業が台頭しており、競争環境は厳しいものとなっています。特に、中国や韓国、台湾といったアジア企業との競争が激化しています。

工作機械市場は主に3つに大別され、「高級機・高価格製品の宇宙、航空機、医療機器」、「中級機・中価格製品の自動車、電機精密部品」、「低級機・低価格製品の一般部品」に分けられます。国内の工作機械メーカーは、高級機から中級機のボリュームが最も大きい層に位置しています。

ただ、ここ数年は、低級機に強い新興国メーカーが中級機や高級機も手掛けはじめており、日本や欧米メーカーとの競争が激しさを増しています。米中貿易摩擦による需要の減少に加え、新興国企業の台頭など、国内の工作機械メーカーは厳しい状況に置かれています。

ニーズの高い「省人化、自動運転、5G」需要 企業の設備投資に注目

米中貿易摩擦の影響で需要の低迷が懸念されている工作機械業界ですが、依然としてニーズが高いのが、省人化設備や自動運転関連、5G関連です。

先進国においては人手不足や人件費の高騰を背景に、製造業およびサービス業にて工場内や現場でのロボット需要が拡大しています。また、経済成長著しい新興国においても工場の製造ラインにおいて自動化が進んでいます。

さらには、自動運転技術、次世代通信である5GやAI、IoTといった新たなテクノロジーに伴う設備投資の推進が、今後工作機械需要を大幅に拡大することが期待されています。

こうした動向を受け、各工作機械メーカーでは新たな技術開発や増産に向けて動きはじめています。世界最大級の工作機械メーカーであるDMG森精機では、2023年までに国内の生産能力を現在比3割増強することを発表。また、インドにおいては中国以上の業界規模を見込んでおり、30年振りに工作機械の生産を開始しています。

NC装置で世界トップシェアを誇るファナックは、2019年5月にナノメートル領域の精密な金型加工が可能な工作機械工場の新設を発表。また、工場用のIoT基盤「フィールドシステム」の機能を拡充し、工場用のアプリを外部が開発しやすように支援ツールを開発。ロボット抑制や人工知能などの研究も進めており、アメリカ西海岸に新たな工場を新設しています。

ヤマザキマックや不二越、シチズン時計においても生産能力を増産しており、各メーカーが商機拡大を見込んだ積極投資に動きはじめています。

工作機械業界シェア&ランキング(2021年版)

工作機械業界内における売上高及びシェアのランキングをはじめ、純利益、利益率、総資産、従業員数、勤続年数、平均年収をランキング形式でまとめました。
各々のランキングを比較することで工作機械市場内のシェアや現状、動向を知ることができます。

工作機械業界 売上高&シェアランキング(2020年-2021年)

順位 企業名 売上高 シェア
1 マキタ 6,083 13.9
2 ファナック 5,512 12.6
3 安川電機 3,897 8.9
4 DMG森精機 3,282 7.5
5 アマダ 2,504 5.7
6 THK 2,189 5.0
7 不二越 2,010 4.6
8 ディスコ 1,828 4.2
9 コマツ 1,699 3.9
10 日本製鋼所 1,563 3.6
※シェアとは工作機械業界の規模(対象企業の45社合計)に対する各企業の売上高が占める割合です。シェアを比較することで工作機械市場における各企業の占有率を知ることができます。各ランキングをクリックするとそれぞれ工作機械メーカーの詳細ランキングページにジャンプします。矢印は各企業の売上高の前年比の増減を表しています。

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工作機械業界 対象企業一覧
マキタ、ファナック、安川電機、DMG森精機、アマダ、THK、不二越、ディスコ、コマツ、日本製鋼所、ジェイテクト、オークマ、牧野フライス製作所、オーエスジー、三井ハイテック、芝浦機械、ブラザー工業、ツガミ、アイダエンジニアリング、ソディック、シチズン時計、日精樹脂工業、スター精密、岡本工作機械製作所、旭ダイヤモンド工業、西部電機、ユニオンツール、エンシュウ、豊和工業、富士精工などの計45社
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