造船重機業界の動向や現状、ランキングなどを分析しています。造船重機業界の過去の業界規模の推移をはじめ、最新の大手5社の売上高グラフ、世界の造船業界の動向などを解説しています。
業界規模
9.4兆円
成長率
-2.5%
利益率
0.6%
平均年収
680万円
造船重機業界の過去の業界規模の推移を見ますと、2020年に減少となりましたが、2021年には若干の反発を見せています。
造船重機とは、造船や航空エンジン、発電設備、エンジニアリング、LNGタンクなど多岐にわたります。造船業から端を発して周辺事業を展開してきた経緯からこのように呼ばれています。
下記のグラフは、造船重機大手5社の売上高の推移を示したものです。
造船重機大手5社の売上高の推移(出所:各社有価証券報告書、グラフは業界動向サーチが作成)
造船重機大手5社の売上高グラフを見ますと、2020年は各社減収となりましたが、中長期的にはほぼ横ばいで推移しています。売上高の規模としては、三菱重工業が大きいことが分かります。
近年の造船重機業界は、世界的な船腹過剰問題が解消に向かい始めた矢先に、新型コロナの影響で再び後退することとなりました。さらに、世界では「脱炭素」の動きが強まるなど、環境負荷の大きな造船業界にとっては逆風となっています。一方で、2020年にはようやく底打ちしたとの観測もあり、長引く造船不況からの脱却の兆しも見え始めています。
順位 | 企業名 | 売上高(億円) | |
1 | 三菱重工業 | 38,602 | |
2 | 川崎重工業 | 15,008 | |
3 | IHI | 11,729 | |
4 | 住友重機械工業 | 9,439 | |
5 | 三井E&Sホールディングス | 5,793 |
2021-2022年の造船重機大手6社の売上高は、三菱重工業が前年比4.3%増、川崎重工業が0.8%増、IHIが5.4%増、住友重機械工業が11.2%増、三井E&S HDが12.7%減でした。
2021-2022年は、大手造船重機5社中2社が増収、2社が横ばい、1社が下落となりました。
造船メーカーは船を造る会社ですが、一口に船といっても、その種類は様々で、コンテナを輸送する「コンテナ船」、梱包せずにそのまま輸送する「バラ積み船」、液体を輸送する「タンカー」、人を輸送する「フェリー」などがあります。
世界の造船シェアに目を向けますと、世界トップ3は日中韓3カ国に集約されます。日中韓合わせたシェアは9割を超え、日本は中国、韓国に次ぐ世界3位のシェアを誇ります。
現在の造船業界は、リーマンショック前に大量に船舶が建造された世界的な「船腹過剰」の状態から立ち直る過程にあります。一方、世界の造船業界では、ここ数年、中国や韓国が急速にシェアを伸ばしています。2019年には中国の「南船」と「北船」が統合して「中国船舶集団」が発足、世界シェア2位の造船会社が誕生しました。
造船は1案件の受注額が大きく、受注から引き渡しまで通常2~3年かかることから、1つの受注が業績を大きく左右させます。受注から引き渡しに至るまで、世界の情勢が大きく変わってしまったなんてことも多々あります。日本の造船メーカーは現在、中国や韓国勢に押されて劣勢となっていますが、優れた技術力を武器になんとかシェアを取り戻したいところです。
造船重機業界の売上高ランキング&シェアをはじめ、純利益、利益率、総資産、従業員数、勤続年数、平均年収などをランキング形式でまとめました。各種ランキングを比較することで造船重機市場のシェアや現状、動向を知ることができます。
順位 | 企業名 | 売上高(億円) | シェア | |
1 | 三菱重工業 | 38,602 | ||
2 | 川崎重工業 | 15,008 | ||
3 | IHI | 11,729 | ||
4 | 住友重機械工業 | 9,439 | ||
5 | 三井E&Sホールディングス | 5,793 | ||
6 | 日立造船 | 4,417 | ||
7 | 今治造船 | 3,652 | ||
8 | ジャパンマリンユナイテッド | 2,133 | ||
9 | 大島造船所 ※ | 1,095 | ||
10 | 新来島どっく | 886 |
※大島造船所は2020年の売上高です。シェアとは造船重機業界全体に対する各企業の売上高が占める割合です。シェアを比較することで造船重機市場における各企業の占有率を知ることができます。矢印は対前年比の増減を表しています。下記のランキングをクリックするとそれぞれ造船重機業界の詳細ランキングページにジャンプします。
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