建設機械業界の動向や現状、ランキングなど

ショベルやローラー、ブルドーザーなどの建設機械

建設機械業界の動向や現状、ランキング&シェアなどを研究しています。建設機械業界の過去の業界規模の推移をはじめ、土木建設機械の販売台数と金額の推移グラフ、2021-2022年の動向と各社のAIやICTの導入などについて解説しています。

建設機械業界(2021-2022年)

建設機械業界の推移と基本情報

業界規模

10.1兆円

成長率

3.7

利益率

5.0

平均年収

648万円

  • 11年
  • 12年
  • 13年
  • 14年
  • 15年
  • 16年
  • 17年
  • 18年
  • 19年
  • 20年
  • 21年

建設機械業界の過去の業界規模の推移を見ますと、2020年までは減少傾向にありましたが、2021年には増加に転じています。

建設機械業界の動向と現状(2021-2022年)

2021年の建設機械は販売台数、金額ともに増加 コロナ前を上回る

経済産業省の生産動態統計(2022年6月24日公表)によると、2021年の土木建設機械の販売台数は、前年比17.9%増の398,239台、販売金額は前年比22.6%増の1兆7,575億円でした。

土木建設機械の販売台数と販売金額の推移(出所:経済産業省、グラフは業界動向サーチが作成)

グラフによると、2019年までの緩やかな増加傾向から、2020年は一転して減少。2021年は再び増加に転じ、過去10年間で最も高い水準に位置しています。

2021-2022年の建設機械業界の動向を見ますと、国内、海外市場の需要はともに堅調でした。国内では公共や民間工事に加え、増税前の駆け込み需要の反動減からの回復が見られました。海外市場においては、北米市域で郊外移住者の増加により住宅の建築需要が好調、その他、欧州や豪州などでも建設機械の需要が増加しました。

日本の建設機械メーカーは海外で展開する企業が多く、世界経済の動向に大きく左右されます。近年の建設機械業界は、中国と北米での住宅、インフラ需要が拡大。それに伴い、建設機械メーカー各社も過去最高の売上高を記録してきました。

2020年は、新型コロナウイルスが世界的に拡大し状況は一変したものの、2021年の建設機械出荷額は前年比27.3%増の2兆7,568億と3年ぶりに増加しました。2018年度の過去最高額とほぼ同水準まで戻しています

一方、中国メーカーの台頭に加え、2022年に入りウクライナ危機や米国の景気後退リスクなどの影響が懸念されています。また、建設機械は鉱山で多く使用されるため、資源価格の動向も影響してきます。今後もこうした経済や資源の動き次第で、趨勢が変わることが予想されます。

建設機械業界 売上トップ5(2021-2022年)

順位 企業名 売上高(億円)
1 コマツ 28,023
2 クボタ 18,648
3 豊田自動織機 17,894
4 日立建機 10,249
5 三菱ロジスネクスト 4,654

※は建設機械関連の部門売上高。2021年の建設機械業界の売上高ランキングを見ますと、コマツが圧倒的な首位で業界をけん引、2位と3位は拮抗状態にあります。

2021年の建設機械業界の業績は、上位5社中5社ともに2ケタの増加となり、約20~30%近い伸びを記録しました。こうした状況から2021年の建設機械業界は好調だったことが分かります。

高いシェアを誇る日本の建機メーカー ICT、AI、5G市場にも期待

マップのイメージ

建設機械業界とは、建設機械を作るメーカーが形成する市場および業界のことです。

一口に建設機械と言ってもその種類は多く、クレーン、ショベル、ダンプ、フォークリフト、コンクリートダンプ、ローラー、高所作業車、林業機械など多岐にわたります。

世界的に日本は建設機械業界で高いシェアを誇っており、グローバル企業が多いのも特徴です。

国内売上高首位のコマツは米キャタピラーに次いで世界2位の売上高を、豊田自動織機はフォークリフトで世界首位、タダノはクレーンで世界2位級、クボタはミニショベルで世界首位のシェアを誇っています。

近年は、建設機械にICT(情報通信技術)の導入が進んでいます。ICTの自動制御により、施工品質の向上、作業の軽減や効率化が図れ、熟練オペレータ頼みだった施工が非熟練オペレータでも容易に作業できるようになりました。

また、コマツがAI(人工知能)を活用した無人建設機械や遠隔操作システムを開発、ICTやAI分野の人材育成にも力を入れます。2022年6月にはチリの銅鉱山で無人ダンプトラック運行システムの導入を開始、2024年までに計62台を稼働予定です。

AIやICT導入のメリットは作業面、コスト面、管理面で大きく、この市場はさらに拡大すると見込まれます。大手各社もICT建機導入に力を入れており、今後の拡大に期待したいところです。

建設機械業界 ランキング&シェア

建設機械業界の売上高ランキング&シェアをはじめ、純利益、利益率、総資産、従業員数、勤続年数、平均年収などをランキング形式でまとめました。各種ランキングを比較することで建設機械市場のシェアや現状、動向を知ることができます。

建設機械業界 売上高&シェアランキング(2021年-2022年)

順位 企業名 売上高(億円)
1 コマツ 28,023
2 クボタ 18,648
3 豊田自動織機 17,894
4 日立建機 10,249
5 三菱ロジスネクスト 4,654
6 神戸製鋼所 3,715
7 住友重機械工業 3,413
8 タダノ 2,056
9 カナモト 1,894
10 西尾レントオール 1,617

※クボタは機械事業、豊田自動織機は産業車両事業、神戸製鋼所は建設機械事業、住友重機械工業はロジスティクス&コンストラクション事業の売上高です。シェアとは建設機械業界全体に対する各企業の売上高が占める割合です。シェアを比較することで建設機械市場における各企業の占有率を知ることができます。矢印は対前年比の増減を表しています。下記のランキングをクリックするとそれぞれ建設機械業界の詳細ランキングページにジャンプします。

その他のランキング

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建設機械業界 対象企業一覧

コマツ、クボタ、豊田自動織機、日立建機、三菱ロジスネクスト、神戸製鋼所、住友重機械工業、タダノ、カナモト、西尾レントオール、竹内製作所、極東開発工業、新明和工業、ワキタ、加藤製作所、キトー、アイチコーポレーション、古河機械金属、日工、北越工業、インフロニア・HD、技研製作所、酒井重工業、北川鉄工所、オカダアイヨン、日本車輌製造、鉱研工業の計27社

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