不動産業界の動向や現状、ランキングを研究【2021年】

ビジネスマンが不動産をやり取りしているイメージ

2020-2021年の不動産業界の動向や現状、ランキング、シェアなどを研究。過去の不動産業界の市場規模の推移をはじめ、直近の不動産取引件数と取引価格の推移、売上高ランキング、戸建住宅とマンション価格の推移や、空室率などオフィス賃料の動向などを解説しています。

不動産業界(2020-2021年)

不動産業界の推移と基本情報

業界規模

15.5兆円

(21位/190業界)

成長率

+3.4%

(42位/190業界)

利益率

+0.8%

(133位/190業界)

平均年収

665万円

(60位/190業界)

  • 10年
  • 11年
  • 12年
  • 13年
  • 14年
  • 15年
  • 16年
  • 17年
  • 18年
  • 19年
  • 20年

不動産業界の過去の業界規模の推移を見ますと、2010年から2019年までは増加傾向にありましたが、2019年から2020年にかけて減少に転じています。他の業界と比較しますと、業界規模は大きく、日本経済に大きな影響を与える市場です。成長率は高めで、平均年収はやや高めとなっています。

不動産業界の動向と現状(2020-2022年)

2020年の不動産は一時落ち込むも、2022年には価格上昇

それでは、直近の不動産業界の動向を見ていきましょう。2020年から2022年の不動産の取引件数と価格指数の推移(下グラフ参考)を見ますと、2020年から2022年にかけて多少の増減はありますが、全体的には増加傾向で推移しています。

不動産取引件数と価格指数の推移

2022年までの不動産契約高の推移(出所:経済産業省、グラフは業界動向サーチが作成)

2020年には上半期は取引件数、価格ともに減少に転じましたが、下半期には取引件数、価格ともに上昇し、取引件数・価格指数ともにコロナ前の水準まで戻っています。さらに特筆すべきは、不動産価格が2019年よりも2021年、2022年の方が高い水準にある点です。日銀による金融緩和の影響があらわれており、不動産などの物価上昇の様子が見られます。2022年には不動産価格はさらに上昇しており、2022年2月時点で128.2と非常に高い水準にあります。

2020年には新型コロナウイルスの感染が拡大しました。非常事態宣言や在宅ワークの影響により、IT企業を中心としたオフィスの解約が一部で見られました。オフィスに関しては多くの企業は「様子見」状態でしたが、コロナをきっかけに、私たちの「働き方」を再考する動きが出てきたことは間違いありません。2020年は不動産取引数、価格ともに大きな落ち込みは見られず、コロナの影響は限定的と言えます。

2021年は不動産価格が急上昇している点が注目すべきポイントです。2021年1月の不動産価格指数は116.8でしたが、2021年8月には123.2まで上昇しています。取引件数は増えていないにも関わらず、価格だけが上昇している点には注意が必要です。不動産価格に関しては、引き続き注意深く見ていく必要があります。

不動産業界 売上高ランキング

2020年の不動産業界 売上高ランキングによると、首位は三井不動産、2位は三菱地所となっています。首位の三井不動産はオフィス賃貸をはじめ、分譲マンションや賃貸マンション、商業施設やホテル、管理・賃貸・売買仲介など幅広いセグメントを展開しています。

2位の三菱地所もオフィスビル賃貸をはじめ、分譲マンションや物流施設、商業施設やホテル、空港、海外不動産開発などこちらも幅広いセグメントで展開しています。2020年は売上高を減少させる企業が多く、全体としては厳しい一年となりました。

20年半ばから22年にかけてマンション価格高騰 バブル超えも

マンション群のイメージ

続いて、不動産市場の中での戸建・マンション部門の動向を見ていきましょう。

下のグラフは2020年から2022年の戸建・マンションの取引件数と価格指数の推移を示したものです。棒グラフは取引件数、折れ線グラフは価格指数を示しています。

戸建・マンションの取引件数と価格指数の推移

戸建・マンションの取引件数と価格指数の推移(出所:国土交通省、グラフは業界動向サーチが作成)

2020年から2022年の推移をみますと、2020年は上半期に戸建、マンションともに取引件数が減少しましたが、2020年下半期には回復。2021年に入り、コロナ感染が広がった1月には再び減少していますが、2021年3月以降は元の水準まで戻っています。価格は戸建は横ばい、マンションは増加傾向で推移しています。

直近の動向で注目すべきはマンション価格です。マンション価格は2020年半ば2022年にかけて、じわじわと上昇しています。新築マンションの平均価格が年収の何倍かを示す「年収倍率」では東京で13.4倍(適切値は5倍とされている)にも達しており、首都圏の平均マンション価格はバブル期の価格を超えました。共働きによる世帯年収の増加や海外投資家による積極投資の影響とされていますが、バブルではないかとの懸念も聞かれます。

2022年にかけてオフィス空室率が高値で推移

オフィスの一室のイメージ

続いて、不動産市場の中でのオフィス賃貸の動向を見ていきましょう。オフィス賃貸は三井不動産や三菱地所、住友不動産といった大手にとって主力の部門で、不動産収益の柱となっています。

三井や三菱、住友などの大手不動産は丸の内や日本橋、新宿など都心の一等地にオフィスビルを所有しており、安定した賃貸収入があります。こうした安定収入を元にマンションやオフィス、ホテルなど様々な不動産開発を行っています。

したがって、オフィス賃料の安定化は不動産業界全体の安定化につながるのです。

東京5区 オフィスの空室率の推移

東京5区 オフィスの空室率の推移(出所:三鬼商事、グラフは業界動向サーチが作成)

上のグラフは2020年6月から2022年5月までの東京5区のオフィス空室率の推移です。

2020年6月ごろから都心のオフィス空室率は上昇を開始しました。2021年2月にはビジネス5区の平均空室率が5%を突破、6月には6%を突破しました。空室率は一般的に5%を超えると賃料が下落し、5%を下回ると賃料が上昇すると言われており、オフィス需要をはかる一つの目安にされています。2021年6月には東京5区の空室率が6%を超え、2022年にかけては横ばいに変わりましたが、依然として高値での推移が続いています。

一般的にオフィス賃貸は普通借家契約が多く、6カ月前に解約通知するのが通例です。コロナが流行した半年後の夏から、空室率が上昇しているのはこれが原因です。ポイントは今後、空室率がどこで上げ止まるかです。オフィス賃貸は大手不動産の大事な収益柱でもありますので、これ以上の上昇は避けたいところです。

不動産業界の動向と現状 まとめ

2020年の不動産業界はコロナの影響による懸念もありましたが、全体的には横ばい、戸建やマンションも横ばいで推移しました。一方で、2021年はマンション価格の高騰が目立ちました。首都圏のマンション価格がバブル時の価格を超えたことで、警戒感が生まれています。オフィス空室率も2021年に上昇を続け、こちらも警戒感が生まれています。オフィス賃貸は大手不動産の収益柱ですので、今後の不動産市場を占う試金石となります。今の不動産業界は、価格や空室率の上昇など注意すべき事項が増えてきました。この記事は、不動産価格や空室率など毎月データを更新しています。今後の動向を引き続き注意深く見ていきます。

ランキング&シェア

不動産業界内における売上高及びシェアのランキングをはじめ、純利益、利益率、総資産、従業員数、勤続年数、平均年収をランキング形式でまとめました。各々のランキングを比較することで不動産市場内のシェアや現状、動向を知ることができます。

不動産業界 売上高&シェアランキング(2020年-2021年)

順位 企業名 売上高 シェア
1 三井不動産 20,075 12.9
2 三菱地所 12,075 7.8
3 大東建託 10,142 6.5
4 住友不動産 9,174 5.9
5 東急不動産HD 9,077 5.8
6 野村不動産HD 5,806 3.7
7 オープンハウス 5,759 3.7
8 レオパレス21 4,089 2.6
9 オリックス 3,597 2.3
10 ヒューリック 3,396 2.2

※大東建託、オリックスは不動産事業の売上高です。シェアとは不動産業界の規模(対象企業の146社合計)に対する各企業の売上高が占める割合です。シェアを比較することで不動産市場における各企業の占有率を知ることができます。各ランキングをクリックするとそれぞれ不動産会社の詳細ランキングページにジャンプします。矢印は各企業の売上高の前年比の増減を表しています。

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不動産業界 対象企業一覧

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