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目次
グラフは家賃保証業界の業界規模(対象企業の6計)の推移をグラフで表したものです。
家賃保証業界の規模の推移を見ることでその市場の大まかな現状や動向を把握することができます。
2020年-2021年の家賃保証業界の業界規模(主要対象企業6社の売上高の合計)は462億円となっています。
家賃保証業界の過去4年間の業界規模の推移
家賃保証業界の過去の規模の推移を見ますと、2017年から2020年にかけて増加傾向にあることが分かります。下のグラフは、主な家賃保証会社の2015年から2020年までの売上高の推移を示したものです。
主な家賃保証会社の売上高の推移(出所:有価証券報告書、グラフは業界動向サーチが作成)
グラフによると、2015年から2020年にかけて家賃保証大手の売上高は上昇傾向にあることが分かります。オリコの上昇幅が大きいですが、家賃保証専業の4社は緩やかな増加となっています
2020年の家賃保証業界は、継続契約数の安定に加えて、新規契約数も着実に増加しました。コロナに伴う、リスク回避志向の高まりが背景にあると言えます。一部で、コロナを背景とした貸倒引当金の増加が計上されましたが、懸念されていた滞納の増加や回収の遅れは、さほど見られませんでした。
家賃保証とは、賃貸物件における家賃の滞納保証や連帯保証人の引き受けなどのサービスを提供することです。住居用、事業用があり、賃貸仲介会社が代理店として行うケースが一般的です。近年では、家主のリスク回避志向の高まりから、賃貸契約時に保証会社をつけるケースが増えています。
2020年(2021年決算)の家賃保証業界の売上高ランキングを見ますと、オリコ、Casa、ジェイリースの売上高が大きいことが分かります。Casa、ジェイリース、イントラスト、あんしん保証の4社は家賃保証専業の上場企業です。2020年は上位5社ともに増収を記録しています。
近年、家賃保証業界が着実に業績を伸ばしています。売上高、契約件数ともに上昇傾向にあり、今後も底堅い増加が期待されます。「なぜ、家賃保証業界は伸びているのか」今回はその理由と背景を深堀りしていきます。
家賃保証業界が伸びている要因として、貸主のリスク回避志向の高まりが背景にあります。不動産オーナーは空室リスクと滞納リスクを抱えていますが、家賃保証はこの滞納リスクを大きく回避することができます。入居審査から滞納時の手続きまで、面倒なトラブルを避けてくれるこのサービスは、貸主にとっては大きなメリットになります。
家賃保証業界は、保証の対象である不動産賃貸市場の影響を大きく受けます。近年の賃貸市場は安定した動向を見せており、ITを伴う流動性も向上しています。さらに近年では、都心部を中心に分譲マンション価格の高騰がみられ、購入組の賃貸市場への流入も期待できます。
好調の理由として、「積み上げ型の収益モデル」も挙げられます。好循環に入った家賃保証会社は、今までの契約件数に加えて、新規契約数が順調に積み上がってゆきます。市場が拡大期にある状況では、売上は着実に伸びてゆく仕組みです。
家賃保証業界はコロナ禍での厳しい環境の中、業績を大きく伸ばしました。居住用に加え、事業用家賃保証も拡大余地はあり、今後も堅実な推移が予想されます。一方、コロナに伴うリスクは依然として消えておらず、収益性の低下や資金繰りの面では懸念が残ります。
順位 | 企業名 | 売上高 | シェア | 単位:億円 |
1 | オリエントコーポレーション ※ | 190 | 41.1 | |
2 | Casa | 102 | 22.1 | |
3 | ジェイリース | 76 | 16.5 | |
4 | イントラスト | 42 | 9.1 | |
5 | あんしん保証 | 39 | 8.4 | |
6 | フォーサイド | 13 | 2.8 |