FINANCE
グラフは金融業界の業界規模(対象企業の192計)の推移をグラフで表したものです。
金融業界の規模の推移を見ることでその市場の大まかな現状や動向を把握することができます。
2019年-2020年の金融業界の業界規模(主要対象企業192社の経常収益の合計)は65兆8,885億円となっています。
金融業界の過去11年間の業界規模の推移
金融業界の過去の推移を見ますと、2007年から09年にかけて減少となり、09年から14年にかけて増加、緩やかな増加を記録しています。
2020年3月期決算の金融大手5社の業績を見ますと、三菱UFJ FGは前期比9.0%増の7兆2,990億円、三井住友FGが同7.3%減の5兆3,143億円、第一生命HDが8.6%減の4兆8,854億円、みずほFGが1.6%増の3兆9,867億円、東京海上HDは0.3%増の3兆5,983億円でした。減収が2社、横ばい2社、増収は三菱UFJ FGの1社のみで、前期から6,000億円のプラスとなりました。
金融業界は主に銀行、証券、生命保険、損害保険、ローン・消費者金融、クレジットカード、リース、その他金融業界に分割されます。金融業界内の企業規模を比較しますと、銀行、生命保険が圧倒的に大きく、 損害保険、リース、証券、クレジットカードと続きます。
2018-2019年の金融業界は、銀行、生命保険、クレジットカードが増加、損害保険、消費者金融が横ばい、証券、リースが減少を記録しています。
2018-2019年の銀行業界はやや増加を記録。日銀によるマイナス金利政策により利ざやの縮小、銀行の収益力が低下していましたが、業界全体では前年比プラスを維持しています。一方、地方銀行は収益力の低下に加え 、人口減に伴う構造的な停滞が見られます。こうした動向を受け、各地方銀行は統合が加速。2016年から2019年にかけて多くの合併・統合が見られました。
2018-2019年の証券業界は、昨年の増加から一転、減少に転じています。証券会社は株式市場の動向に左右される傾向があります。2018年から19年は昨年の株高に比べて失速、個人投資家の動きが鈍かったことが減収の要因です。一方、ネット証券は比較的軟調な推移を見せています。
2018-2019年の損害保険業界は横ばいを記録。自動車の安全性能向上に伴う事故の減少により、自動車保険が引き下げられましたが、比較的堅調な業績をキープしています。ただし、今後は人口減少による国内市場の縮小が見込まれます。メガ損保3社を中心に海外企業の大型買収が相次いでいます。
2018-2019年の消費者金融業界は、低位での横ばいとなっています。2006年から10年にかけてのグレーゾーンの撤廃、改正貸金業法の影響により、大幅な市場縮小を余儀なくされていましたが、メガバンク傘下による再建が一服。近年は徐々に業績を回復してきています。しかしながら、消費者金融業界の業界規模は依然として低い水準を記録しており、本格的な回復にはまだまだ時間がかかりそうです。
2018-2019年のクレジットカード業界は、過去最高の業績を記録しています。業界の拡大をけん引しているのは、インターネット通販。ネット通販の市場規模は近年、急速に拡大しており、それに伴いクレジットカードの利用も大幅に伸びています。さらに、近年では訪日外国人も増加。政府のキャッシュレス化の普及も加わり、クレジットカード業界には強い追い風が吹いています
企業名 | 経常収益 | シェア | 単位:億円 | |
1 | 三菱UFJFG | 72,990 | 11.1 | |
2 | 三井住友FG | 53,143 | 8.1 | |
3 | 第一生命HD | 48,854 | 7.4 | |
4 | みずほFG | 39,867 | 6.1 | |
5 | 東京海上HD | 35,983 | 5.5 | |
6 | MS&ADインシュアランスG | 35,737 | 5.4 | |
7 | かんぽ生命保険 | 32,455 | 4.9 | |
8 | SOMPOホールディングス | 28,254 | 4.3 | |
9 | オリックス | 22,803 | 3.5 | |
10 | 野村HD | 19,524 | 3.0 |