2021年の鉄道業界のランキングやシェア、動向、現状、市場規模の推移などを解説

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鉄道業界の2021年版(2020-21年)の業界レポート。売上高ランキングや各社シェア、動向や現状を詳しくレポートしています。鉄道業界の市場規模の推移やJR、私鉄の旅客数の推移、私鉄6社の非鉄道事業の割合や人口減少社会を見据えた新たな取り組みなど最新の情報を提供しています。就職や転職、マーケティングなど鉄道業界の業界分析にぜひご活用下さい。

業界規模

10.7兆円

(29位/181業界)

成長率

-10.6%

(167位/181業界)

利益率

-12.7%

(166位/181業界)

平均年収

567万円

(134位/181業界)

※矢印は前年比の増減、成長率は直近3年間の平均。平均年収は上場企業の平均ですので、実態よりも高めに出る傾向があります。

目次

鉄道業界の現状と動向(2021年版)

グラフは鉄道業界の業界規模(対象企業の48計)の推移をグラフで表したものです。

鉄道業界の規模の推移を見ることでその市場の大まかな現状や動向を把握することができます。

2020年-2021年の鉄道業界の業界規模(主要対象企業48社の売上高の合計)は10兆7,535億円となっています。

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  • 17年
  • 18年
  • 19年
  • 20年

鉄道業界の過去7年間の業界規模の推移

2020年の鉄道3割減、新幹線6割減 コロナでJR、私鉄ともに大打撃

2020年の鉄道業界はJR、私鉄ともに利用者は大幅減で、全旅客数も大幅に減少しました。国土交通省の「鉄道輸送統計年報」によると、2020年度の鉄道旅客数は前年比29.9%減の176億7,000万人でした

2020年度のJRの旅客数は前年比29.5%減の67億人、私鉄の旅客数は前年比30.1%減少の109.6億人でした。新幹線の旅客数は前年比57.6%減の1億5,600万人でした。2020年度はJR、私鉄ともに30%近い減少を記録しました。

JRと私鉄の旅客数の推移(出所:国土交通省、グラフは業界動向サーチが作成)

上のグラフはJRと私鉄の旅客数量の推移を示したものです。2011年から2019年まで緩やかな増加傾向にありましたが、2020年は大幅減となっています。堅調に推移してきた鉄道業界ですが、新型コロナウイルスの影響をまともに受けた結果となりました。

鉄道業界のトップ3を占めるのがJR東日本、JR東海、JR西日本である「JR本州3社」です。鉄道各社は、不動産や沿線開発など様々な事業で収益を上げていますが、JR本州3社と東京メトロは鉄道事業の売上が高く、とくにJRは新幹線収入が業績を引き上げています。

近年、JRグループでは「本州3社」とJR北海道、JR四国、JR九州の「3島会社」の収入格差が拡大しています。JR東日本は売上高2兆円規模を誇り、山手線をはじめ都心を中心に収入源となる路線を多数抱えています。

JR東海の1兆円規模の売上高で、JRループの中では新幹線の売上高が突出しています。JR西日本も1兆円規模の売上高で、近畿、北陸、中国、山陰とエリアが広域なうえに、北陸新幹線の需要が伸びたことも大きなアドバンテージとなっています。

私鉄トップは東急、2位が近鉄グループで双方ともに1兆円規模の売上高です。一方で、私鉄各社の鉄道事業の売上高は6~27%と低く、「非鉄道事業」をメインとして稼いでいます。

近年、私鉄各社は有料サービスを広げており、「通勤時座席指定列車」を相次いで導入しています。主に東武鉄道や西武HD、京王電鉄、京成電鉄などが行っており、通勤ラッシュで悩む利用者のニーズに応えています。

鉄道業界は2019年まで堅調に推移していましたが、2020年になり状況は一転します。新型コロナウイルスの影響で、インバウンド需要は消滅、さらに2020年4~5月にかけては外出自粛やテレワークの普及によって鉄道の利用率が激減しました。緊急事態宣言の解除や政府による『 GoToトラベル』キャンペーンで、一時的に利用客は増えるも、本格的な回復にはいまだ至っていません。

鉄道各社は「非鉄道事業」を加速、経営多角化で収益増へ

近年の鉄道各社は「非鉄道事業」に力を入れており、特に、私鉄の非鉄道事業の強化はJRに比べて著しいと言えます。主に不動産、流通、運輸、レジャーやリゾートなどの事業を強化しており、「非鉄道事業」の売上比率は高くなっています。

主要私鉄6社の非鉄道事業の売上高割合

私鉄6社の非鉄道事業の売上高割合(各社有価証券報告書より業界動向サーチが作成)

私鉄各社は起点駅ではオフィスビルや百貨店、ショッピングセンター、駅ナカ、駅周辺にはマンションを展開しています。沿線上には戸建てやマンション、スーパー、終点駅にはホテルやレジャー施設を展開しています。その他にもバスの運行や旅行業、クレジットカードや交通系ICカードなど様々な事業が展開されています。

これら非鉄道事業は鉄道事業の売上にも貢献しています。開発で沿線の価値を高めて人を集めることで、鉄道の利用者が増えます。さらに鉄道の利便性を高めるため、他社の鉄道と相互直通や相互乗り入れなども増えています。

渋谷駅再開発の一つである東急スクランブルスクエアの商業施設は東急電鉄、JR東日本、東京メトロが共同で開発するなど、ライバル企業と組んだ地域開発も行われています。

鉄道各社は新しい取り組みも増えており、民泊の参入や農業の第6次産業の支援なども手掛けています。さらに2020年3月からは、東急電鉄が電車やバスの交通と映画、食事を合わせたサブスクリプション型サービス「サブスクパス」を開始しました。

大手は鉄道、リニアで海外展開も 国内ではMaaSで沿線活性化へ

今後、国内では少子高齢化による人口減少が見込まれているため、鉄道事業の収益減少が懸念されています。

国内の人口減少を見据え、大手鉄道会社では海外展開を進めており、マンション建設など不動産事業にも着手しています。JR東海では米国でリニア新幹線を展開中で、JR東日本はインドで鉄道事業を展開しています。なかでも経済成長著しい東南アジアでは交通渋滞が問題となっているため、今後東南アジアでの鉄道需要は高くなると予想されます。

国内では今後も拠点駅の開発や新幹線の開業が予定さています。注目の「高輪ゲートウェイ駅」は2020年3月に、同年6月には東京駅に駅ナカ最大規模の「グランスタ東京」が開業しました。鉄道では2027年開業のリニア中央新幹線に焦点が集まるなか、2022年度内には九州や北陸に、2030年度には北海道新幹線が開業予定となっています。

国内では沿線の活性化を目的に、モビリティーサービス(MaaS)の参入が増えつつあります。MaaSとは利用者の目的に合わせた複数の移動手段を組み合わせるサービスで、検索から予約、決済までのすべてが行えます。さらに高齢者の多い地域では移動の困難解消へ向けた郊外型サービスの提供を始めています。

鉄道業界の多角化は沿線の価値を改善し、鉄道の利便性や利用率を高めてくれます。人口減少による業績の悪化が懸念される現在では、同業のみならずあらゆる業種との連携が今後も増えていくとみられます。

鉄道業界シェア&ランキング(2021年版)

鉄道業界内における売上高及びシェアのランキングをはじめ、純利益、利益率、総資産、従業員数、勤続年数、平均年収をランキング形式でまとめました。
各々のランキングを比較することで鉄道市場内のシェアや現状、動向を知ることができます。

鉄道業界 売上高&シェアランキング(2020年-2021年)

順位 企業名 売上高 シェア
1 JR東日本 17,645 16.4
2 東急 9,359 8.7
3 JR西日本 8,981 8.4
4 JR東海 8,235 7.7
5 近鉄グループHD 6,972 6.5
6 阪急阪神HD 5,689 5.3
7 東武鉄道 4,963 4.6
8 名古屋鉄道 4,816 4.5
9 小田急電鉄 3,859 3.6
10 西日本鉄道 3,461 3.2
※シェアとは鉄道業界の規模(対象企業の48社合計)に対する各企業の売上高が占める割合です。シェアを比較することで鉄道市場における各企業の占有率を知ることができます。各ランキングをクリックするとそれぞれ鉄道会社の詳細ランキングページにジャンプします。矢印は各企業の売上高の前年比の増減を表しています。

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注意・免責事項
鉄道業界の動向、現状、ランキング、シェア等コンテンツ(2021年版)は上記企業の有価証券報告書に基づき掲載しております。鉄道業界のデータは上記企業のデータの合計または平均を表したものです。掲載企業に関しましてはできる限り多くの企業を反映させるよう努めていますが、全ての企業を反映したものではありません。あらかじめご了承ください。また、情報に関しましては精査をしておりますが、当サイトの情報を元に発生した諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負うものではありません。重要な判断を伴う情報の収集に関しましては、必ず各企業の有価証券報告書にてご確認ください。