航空業界の動向や現状、ランキング&シェアなどを研究しています。航空業界の過去の業界規模の推移をはじめ、国内線や国際線の推移、2022年の旅客数の月次動向、貨物航空やLCCの動きなどを詳しく解説しています。
業界規模
1.8兆円
成長率
-9.4%
利益率
-16.2%
平均年収
557万円
航空業界の過去の業界規模の推移を見ますと、2020年に大幅な減少を記録しましたが、2021年には若干の反発を見せています。
国土交通省の航空輸送統計調査によると、2021年度の国内線の旅客数は、前年比47.1%増の4,969万人、国際線は117.3%増の176万人でした。
国内線・国際線 旅客数の推移(出所:国土交通省、グラフは業界動向サーチが作成)
コロナ前の2019年と比較しますと、国内線は51%減、国際線は91%減の水準となっています。2021年度は大幅に減少した昨年から増加に転じましたが、コロナ前と比較しますと、依然として低い水準にあることが分かります。
2021-2022年の航空業界は、旅客数、業績ともに前年から回復しました。大手航空会社は6社とも最終赤字となりましたが、前年と比較して赤字幅は大幅に縮小しています。2021年は新型コロナの感染が依然として続くものの、年後半の経済再開の動きに伴い、国内線の旅客数が回復傾向にあります。
2022年も1-3月は新型コロナの影響で減少となったものの、GWや夏場の経済再開の動きから再び回復基調にあります。各社とも、コロナ収束時には積極的に臨時便を出すなど回復する需要の取り込みを進めています。
2021-2022年の航空業界の売上高ランキングを見ますと、ANAとJALの売上高の規模が大きいことが分かります。国内の航空業界ではANAとJALの2強と言えるでしょう。
2021-2022年は、大手航空会社5社中5社が増益となりました。前年に比べて業績を大きく回復させています。
続いて、2022年の航空業界の動向と現状を詳しく見ていきます。以下は2022年までの旅客数の月次推移となります。
国土交通省の航空輸送統計調査によると、2022年10月の国内線の旅客数は848.2万人、国際線の旅客数は74.2万人でした。
航空旅客数(国内・国際線)の月次推移(出所:国土交通省、グラフは業界動向サーチが作成)
グラフを見ますと、2021年の旅客数は1月から12月まで増加傾向にあることが分かります。2022年の1月-2月は新型コロナの感染拡大により一時的に減少しましたが、2022年も3月以降は再び増加傾向になっています。
一方、国際線は戻りが悪く、2022年3月には10万人を超え、8月には70万人を超えました。2022年1月まで低空飛行を続けてきた国際線の旅客数ですが、ようやく回復の兆しが見え始めました。
※2022年の10月11日から1日5万人としていた訪日外国人の入国上限撤廃、ビザなし個人旅行が再開されました。今までは外国人に手間のかかるビザ取得を求めており、これが外国人の訪日を妨げる要因となっていました。ビザが免除されたことで多くの外国人が訪日する可能性が高く、航空業界にとっては強い追い風となります(2022年9月23日追記)。
2022年の航空業界の主なニュースを厳選してまとめました。直近の航空業界の動向を把握するのにお役立て下さい。
新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、未曽有の危機にある航空業界ですが、こうした危機をどのように乗り越えようとしているのでしょうか。コロナ禍での航空各社の取り組みをご紹介します。
航空大手各社は、手元資金の確保に加え、採算の悪い国内線の減便、保有機材数の削減、社員の外部出向など徹底したコスト削減策に取り組んでいます。そんな中、大幅に落ち込んだ旅客需要を補うため航空各社が注力しているのが国際貨物事業です。コロナ禍で需要が高まる電子部品や半導体、自動車、医薬品や医療機器などの国際輸送の需要が高まっています。
ANAの国際貨物重量の月次推移(出所:ANA HD月次輸送実績、グラフは業界動向サーチが作成)
上のグラフは航空首位のANAの国際貨物重量の月次推移を示したものです。2020年半ばから2021年にかけて順調に増加しており、2021年はコロナ前の2019年の貨物量を上回る水準で推移しています。ANAは戦略的に貨物量を増やしており、減少した旅客分を貨物輸送で補う戦略を取っています。
JALは成田をハブとしたLCC戦略を本格的に始動させました。日本初の中長距離国際線LCCである「ZIPAIR」は2021年7月にホノルル線を再開、9月にはシンガポール線を就航しました。2021年6月には春秋航空を子会社化し、JALは「Jetstar」、「ZIPAIR」、「春秋航空」の3社がグループLCCとなりました。ポストコロナを見据えたLCC体制の構築が着々と進んでいます。
2021年の航空業界は大幅に減少した昨年から一転して、増加となりました。、2021年以降はコロナ後の新常態のなかで、業績をいかに以前の水準まで戻すかのフェーズに入ります。回復傾向にある国内線を軸に、国際貨物輸送やLCCなど、様々な施策が実行されるでしょう
すべては今後のコロナ次第ですが、危機対応で磨かれた精神をもとに、この難局を乗り越えてほしいです。
航空業界の売上高ランキング&シェアをはじめ、純利益、利益率、総資産、従業員数、勤続年数、平均年収などをランキング形式でまとめました。各種ランキングを比較することで航空市場のシェアや現状、動向を知ることができます。
順位 | 企業名 | 売上高(億円) | シェア | |
1 | ANA HD | 10,203 | ||
2 | 日本航空 | 6,827 | ||
3 | スカイマーク | 471 | ||
4 | AIRDO | 273 | ||
5 | ソラシドエア | 261 | ||
6 | スターフライヤー | 211 |
※シェアとは航空業界全体に対する各企業の売上高が占める割合です。シェアを比較することで航空市場における各企業の占有率を知ることができます。矢印は対前年比の増減を表しています。下記のランキングをクリックするとそれぞれ航空業界の詳細ランキングページにジャンプします。
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