空港業界の動向や現状、ランキングなどを解説

空港から飛び立つ飛行機

空港業界の動向や現状、ランキングなどを解説しています。データは2022-2023年。空港業界の過去の市場規模の推移をはじめ、国管理空港と羽田空港の営業収益の推移グラフ、売上高ランキングなどについて解説しています。

空港業界(2022-2023年)

空港業界の推移と基本情報

業界規模

0.3兆円

成長率

-5.2

利益率

-1.5

平均年収

699万円

  • 12年
  • 13年
  • 14年
  • 15年
  • 16年
  • 17年
  • 18年
  • 19年
  • 20年
  • 21年
  • 22年

空港業界の過去の業界規模の推移を見ますと、2020年、2021年と大幅に減少しましたが、2022年には若干の回復を見せています。

空港業界の動向と現状(2022-2023年)

2022年は国内需要好調も回復弱く 23年は国際線も回復傾向

国土交通省の空港別収支(2022年12月公表)によると、2021年度の国管理空港の営業収益は、前年比30.6%増の1,798億円、羽田空港(東京国際空港)は前年比37.8%増の1,520億円でした。

国管理空港と羽田空港の営業収益の推移

国管理空港と羽田空港の営業収益の推移(出所:国土交通省、グラフは業界動向サーチが作成)

空港の営業収益は2018年まで上昇傾向にありましたが、2019年度に減少、2020年度はさらに大幅な減少を記録しています。一方、2021年度は前年度から約3割の増加となり、2年ぶりの増加となりました。若干の回復が見られますが、2020年度から2021年度の営業収益は新型コロナウイルスの影響をまともに受けた業績となっています。

続いて、2022年の空港業界の動向です。経済再開の動きに伴い航空利用者数は回復傾向にあります。国内では旅行支援の影響もあり国内線需要が回復しました。施設利用も増加するなど、コロナ前とほぼ同水準まで戻しています。一方、ビジネス利用の戻りは厳しい状況が続きました。

国際線においては2022年10月に出入国制限が大幅緩和されました。加えて、円安の進行も受け秋以降のインバウンド需要は昨年を上回りました

2022年の決算では、大手空港管理会社7社中3社が最終赤字となりました。昨年に比べて売上高、利益は若干の回復を見せましたが、国際線の戻りが弱く厳しい状況が続きました。2022年の業界規模は回復傾向にありますが低水準です。一方、2023年に入りインバウンド需要は好調に推移しており、2023年5月の国際線の旅客数は127万人に達しています。

空港業界は、航空会社への空港施設の貸与、旅客ターミナルの管理・運営、空港での物販販売や飲食サービスなどを手がける業界です。ターミナルビルなどの家賃や施設利用料、ターミナルでの物販が主な収入源となります。

続いて、空港業界の売上高ランキングを見ていきましょう。以下は2022-2023年の空港業界の売上高ランキングです。

空港業界 売上トップ5(2022-2023年)

順位 企業名 売上高(億円)
1 成田国際空港 1,313
2 日本空港ビルデング 1,130
3 新関西国際空港 563
4 関西国際空港土地保有 293
5 空港施設 255

2022-2023年の空港業界の売上高ランキングを見ますと、首位の成田国際空港日本空港ビルデングの売上高が大きいことが分かります。

日本空港ビルデングは羽田空港の航空会社への施設貸与や旅客ターミナルの管理・運営を、成田国際空港は成田空港の施設貸与、旅客ターミナルの整備・運営などを手掛けています。

2022年-2023年は上位5社中3社が前年比で上昇、2社が横ばいとなりました。低迷の長期化が懸念される中で、前年から増加での推移となりました。

空港各社は新たな収益源の模索 2024年にはコロナ前の水準超へ

空港の様子

2020年からの新型コロナウイルスの影響により、空港業界の状況は一変しました。

今後の動向はコロナ次第ですが、各社とも事業継続が最優先課題となっています。各社ともに当初計画の大幅見直しと施設閉鎖などの費用の削減、手元資金の確保を進めています。

こうした動向を見据え、空港各社は新たな収益源の模索をはじめています。羽田空港の管理や店舗運営などを手掛ける日本空港ビルデングは羽田空港のお土産を買えるネット通販「HANEDA Shopping」を開設しました。

羽田空港のEC「HANEDA Shopping」

羽田空港の限定商品も買える「HANEDA Shopping」

羽田空港でしか買えない「限定商品」や「世界の機内食」が食べられるグルメなど、羽田の持つブランドと希少性を武器に展開しています。

IATA(国際航空運送協会)によると、2022年の旅客輸送量(2023年2月公表)は前年比64.4%の増加でした。また、コロナ前である2019年の水準と比較すると68.5%まで回復しています。2022年2月時点の見通しでは、2024年には全面回復しコロナ前の水準を超えると示しています。一方で、コロナを機にプライベートジェットの需要の増加やワーケーション、地方移住など今までに見られなかったニーズや可能性が見られました。

今後はリバウンドによる世界的な空港需要の増加も考えられます。搭乗時の円滑化を図る「FAST TRAVEL」への対応などの対策も必要となります。空港業界にとっては厳しい状況が続きますが、適切な対応を重ね、来るべき回復期に備えたいとことです。

空港業界 ランキング&シェア

空港業界の売上高ランキング&シェアをはじめ、純利益、利益率、総資産、従業員数、勤続年数、平均年収などをランキング形式でまとめました。各種ランキングを比較することで空港市場のシェアや現状、動向を知ることができます。

空港業界 売上高&シェアランキング(2022年-2023年)

順位 企業名 売上高(億円)
1 成田国際空港 1,313
2 日本空港ビルデング 1,130
3 新関西国際空港 563
4 関西国際空港土地保有 293
5 空港施設 255
6 中部国際空港 245
7 エージーピー 110

※シェアとは空港業界全体に対する各企業の売上高が占める割合です。シェアを比較することで空港市場における各企業の占有率を知ることができます。矢印は対前年比の増減を表しています。下記のランキングをクリックするとそれぞれ空港業界の詳細ランキングページにジャンプします。

その他のランキング

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空港業界 対象企業一覧

成田国際空港、日本空港ビルデング、新関西国際空港、関西国際空港土地保有、空港施設、中部国際空港、エージーピーの計7社

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