MACHINE RENTAL
目次
グラフは建機レンタル業界の業界規模(対象企業の4計)の推移をグラフで表したものです。
建機レンタル業界の規模の推移を見ることでその市場の大まかな現状や動向を把握することができます。
2020年-2021年の建機レンタル業界の業界規模(主要対象企業4社の売上高の合計)は7,234億円となっています。
建機レンタル業界の過去9年間の業界規模の推移
建機レンタル業界は、建設機械(油圧ショベル、ブルドーザー、クレーンなど)を顧客に貸し出すことで収益を上げるビジネスです。建機レンタルは、大手をはじめ国内での展開が多く、業績は国内の土木や建設業界の動向の影響を受けます。
建機レンタルと建設、土木の業界規模の推移(業界動向サーチ調べ)
上のグラフは2012年から2020年までの建機レンタルと建設、土木の業界器規模の動向を示したものです。ここ数年、いずれの業界も規模を増加させていますが、建設、土木業界に比べて、建機レンタル業界の伸びが高いことが分かります。
2015年の関東・東北豪雨、2016年の熊本地震、2018年の西日本豪雨に代表されるように2015年から2019年にかけて日本国内では豪雨、台風、地震といった自然災害が相次ぎました。各地で洪水、浸水、土砂崩れなどが相次ぎ、局所的に甚大な被害を受けた地域もありました。こうした自然災害の増加に伴い、復興向け建機レンタル、防災向け建機レンタルの需要も高まりました。
ここ数年、復興工事、防災関連工事、インフラ再整備工事など建設需要は底堅く推移しており、これに伴う建機レンタル需要も同様に堅調に推移しています。今後、自然災害がどの程度起きるかは未知数ですが、今後もこうした動向は続くものと見られます。
国内の建機レンタル業界の現状を分析しますと、業界売上高は国内建設総投資額の2~3%、建機レンタルの総企業数は約2,000社です。そのうち全国に拠点を置く広域大手が40%弱ほどのシェアを占めています。
建機レンタル大手4社の売上高推移(各社公表資料、グラフは業界動向サーチが作成)
上のグラフは建機レンタル大手4社の売上高の推移です。2012年から広域大手4社の売上高は大きく増加しています。アクティオやカナモト、西尾レントオールなどの広域大手は国内を中心に展開しており、北海道から九州・沖縄まで営業網を持っています。各社ともに国内営業拠点の強化を経営戦略の一つに掲げており、競争は激化しています。
カナモトなど一部海外展開を模索する動きもありますが、業界としては依然として国内の割合が高く、今後の動向は国内の土木・建設需要に左右されます。
公共工事の下支えや首都圏を中心とした民間需要、災害復興・防災関連、リニア中央新幹線に代表される大型交通インフラ需要など建機レンタル業界は底堅く推移されると予想されていましたが、新型コロナウイルスの影響で工事の中断や見直しなどが相次ぎ、状況が一変しました。
工事の見直しに加え、長引くコロナウイルスによる実体経済の落ち込みから、民間の投資マインドの低下も懸念されます。今後、本格的な景気後退局面に突入した場合、その影響はさらに大きくなるでしょう。順調に拡大してきた建機レンタル業界ですが、ここにきて不確実性が増してきています。
順位 | 企業名 | 売上高 | シェア | 単位:億円 |
1 | アクティオ | 2,811 | 38.9 | |
2 | カナモト | 1,790 | 24.7 | |
3 | 西尾レントオール | 1,512 | 20.9 | |
4 | レンタルのニッケン | 1,121 | 15.5 |