電炉業界の動向やランキング、現状などを分析しています。

電炉業界

ELECTRICFURNACE

2020-2021年の電炉業界の動向や現状、ランキング&シェアなどを分析しています。電炉業界の過去の業界規模の推移をはじめ、電気炉の粗鋼生産量の推移や2020-2021年のコロナの影響、今後の成長に向けた各社の取り組みなどをグラフを交えて紹介しています。ビジネスや投資、就職や転職などの参考資料としてご活用下さい。

業界規模

1.0兆円

成長率

-0.8%

利益率

+3.3%

平均年収

651万円

※矢印は前年比の増減、成長率は直近3年間の平均。平均年収は上場企業の平均ですので、実態よりも高めに出る傾向があります。

目次

電炉業界の現状と動向(2021年版)

グラフは電炉業界の業界規模(対象企業の10計)の推移をグラフで表したものです。

電炉業界の規模の推移を見ることでその市場の大まかな現状や動向を把握することができます。

2020年-2021年の電炉業界の業界規模(主要対象企業10社の売上高の合計)は1兆0,313億円となっています。

  • 10年
  • 11年
  • 12年
  • 13年
  • 14年
  • 15年
  • 16年
  • 17年
  • 18年
  • 19年
  • 20年

電炉業界の過去11年間の業界規模の推移

2020年の電炉粗鋼生産量13%減、コロナ禍で建築需要が縮小

電炉業界の過去の業界規模の推移を見ますと、2010年から14年ごろまでは横ばい、15年からは減少に転じ、17年以降は増加基調です。19年から2020年にかけては再び減少傾向です。

下のグラフは、電気炉の粗鋼生産量の推移を示しています。経済産業省の生産動態統計年報(2021年5月28日公表)によると、2020年の電気炉の粗鋼生産量は、前年比12.9%減の2,085万トンでした。

電気炉の粗鋼生産量の推移(出所:経済産業省、グラフは業界動向サーチが作成)

電気炉の粗鋼生産量の推移を見ますと、2010年から18年までは多少の増減はあるものの横ばいで推移し、2019年以降は減少に転じています。2020年は前年から大幅に減少、10年間でもっとも低水準となり、2千万トンを割り込む勢いです。

2020年の電炉業界は、新型コロナウイルスの感染拡大により、建築資材分野が影響を受けました。国内の鉄鋼需要は低迷し、生産量・出荷量ともに前年を下回っています。また、原料の鉄スクラップ価格が上昇した一方で、製品価格が下落したことも業績圧迫の要因となりました。

鉄鋼の製造は『高炉』と『電炉』があり、『高炉』は鉄鉱石を原料に鉄鋼を製造、高級材や大量生産に向き、主に自動車に利用します。『電炉』は解体や廃棄した自動車やビルなどの「鉄スクラップ(鉄くず)」を溶かし不純物を除去して鉄鋼を作ります。

鉄スクラップはリサイクル鉄のため成分調整が難しく、主に建設向け鉄筋や側溝などに使用します。CO2排出量が少なく建設コストが安いメリットがある一方、鉄スクラップの価格変動に左右されやすい傾向があります。

電炉業界 売上高ランキング

2020年の電気業界売上高ランキングでは、首位が共英製鋼、2位が東京製鐵、3位が合同製鐵でした。首位の共英製鋼は日本製鉄系の電炉大手で、建築用鋼材を中心に製造し、なかでも鉄筋の『棒鋼』に強みを持ちます。

2位の東京製鐵は『電炉の雄』と呼ばれ、独立系の電炉大手です。主力は建材ですが、高炉メーカーが得意とする熱延鋼板にも進出しています。3位の合同製鐵も日本製鉄系で、主力は建材用鋼材の『棒鋼・線材』です。

脱炭素で電炉に注目 競争激化で『海外・高級材』を強化

世界的な脱炭素の高まりから、環境負担の小さい電炉が注目されています。一方、高炉メーカーの電炉参入や原料の鉄スクラップの価格高騰など、電炉メーカーは厳しい状況です。業界では今後の成長に向け『海外事業や高級材の強化』に取り組んでいます

鉄筋シェア国内トップの共栄製鉄は、成長戦略の一つに『海外事業の強化』を掲げています。ベトナム、米国、カナダへ進出し、海外への製品出荷量は53.3%を占め、すでに国内出荷量を上回っています。今後は190億円を投じてベトナムやカナダの生産能力を強化し、建設向けの鉄筋の生産量を増やしていきます。

共栄製鉄の「海外鉄鋼事業」

共栄製鉄の「海外鉄鋼事業」

東京製鉄は、電炉での『コイル・厚板』生産に強みを持ちます。高い技術力を武器に高炉メーカーの独占品種へ参入しており、高級鋼の製造を拡大しています。今後も「鉄スクラップの高度利用の促進」を掲げ、レーザ切断性に優れる鋼板や特寸H形鋼の拡販に力を入れていきます。

中山製鉄所は2021年4月に中部鉄鋼と包括提携を結び、厚板製品の一部製造の委託や電炉の更新で協力していきます。世界7か国で展開中の大和工業では今後、鉄鋼需要が見込める東南アジアでの事業拡大を進めます。

2020年の電炉業界は、新型コロナの影響による鉄鋼需要の縮小が響きました。さらに、人口減少による内需の縮小や高炉メーカとの競争激化、コストの増加など厳しい状況です。一方、海外事業や高級材の研究などにも注力しており、今後の成長と拡大に期待したいところです。

電炉業界シェア&ランキング(2021年版)

電炉業界内における売上高及びシェアのランキングをはじめ、純利益、利益率、総資産、従業員数、勤続年数、平均年収をランキング形式でまとめました。
各々のランキングを比較することで電炉市場内のシェアや現状、動向を知ることができます。

電炉業界 売上高&シェアランキング(2020年-2021年)

順位 企業名 売上高 シェア
1 共英製鋼 2,263 21.9
2 東京製鐵 1,414 13.7
3 合同製鐵 1,378 13.4
4 大和工業 1,360 13.2
5 中山製鋼所 1,132 11.0
6 大阪製鐵 766 7.4
7 トピー工業 756 7.3
8 東京鐵鋼 623 6.0
9 中部鋼鈑 403 3.9
10 北越メタル 218 2.1
※合同製鐵、トピー工業は鉄鋼事業の売上高です。シェアとは電炉業界の規模(対象企業の10社合計)に対する各企業の売上高が占める割合です。シェアを比較することで電炉市場における各企業の占有率を知ることができます。各ランキングをクリックするとそれぞれ電炉業界の詳細ランキングページにジャンプします。矢印は各企業の売上高の前年比の増減を表しています。

電炉業界 その他のランキング

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電炉業界 対象企業一覧
共英製鋼、東京製鐵、合同製鐵、大和工業、中山製鋼所、大阪製鐵、トピー工業、東京鐵鋼、中部鋼鈑、北越メタルの計10社
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