リフォーム業界の動向や現状、ランキング&シェアなどを研究しています。データは2022-2023年。リフォーム業界の過去の市場規模の推移をはじめ、リフォーム受注高の推移グラフ、2022-2023年の動向と売上高ランキング、新規参入の動向や直近の各社の取り組みなどをご紹介しています。
業界規模
0.6兆円
成長率
1.0%
利益率
3.5%
平均年収
623万円
リフォーム業界の過去の業界規模の推移を見ますと、2020年は大きく下落しましたが、2021年、2022年と回復傾向にあります。
国土交通省の「建築物リフォーム・リニューアル調査報告」によると、2022年度の国内住宅のリフォーム受注高は前年度比4.6%増の3兆9,200億円でした。
住宅のリフォーム受注高の推移(出所:国土交通省、グラフは業界動向サーチが作成)
直近の国内のリフォーム受注高を見ますと、16年度あたりをピークに2022年にかけて緩やかに減少しています。2022年度は2年連続で増加しましたが、中長期的には減少傾向です。
2022年のリフォーム業界は、前年から引き続き業績は回復傾向にあります。一部では資材価格の値上直前に駆け込みによる反動減が見られましたが、総じて住宅リフォームの需要は堅調に推移しました。大型リフォームや高断熱の改修など、外出自粛によって在宅時間が増加したことを機に、快適な住まいへの関心が高まりました。
リフォームは一般的に、台所や浴室などの「部分リフォーム」と家全体の工事を行う「フルリフォーム」に分けられます。住宅の条件にもよりますが、フルリフォームは新築と比べて5~7割ほどの費用でできる利点があります。また、主要構造部を残すことで廃棄物の発生を抑えるなど、環境負荷低減のメリットがあります。日本は欧米と比べて、住宅のライフサイクルが短く、中古よりも新築のほうが好まれる傾向にあります。
※はリフォーム関連の部門売上高。2022年のリフォーム業界の売上高ランキングを見ますと、首位が住友不動産、2位が積水ハウス、3位が積水化学工業と続きます。首位の住友不動産は、オフィス賃貸などを主力としていますが、戸建て丸ごとリフォームの『新築そっくりさん』はリフォーム受注実績No.1を誇っています。2位以下はハウスメーカーが多くランクインしています。
2022年は上位5社中4社が前年から3~5%の横ばいでした。リフォーム業界全体では16社中12社が前年を上回りました。
現在のリフォーム業界は、小売企業などの新規参入も相次いでいます。
近年はハウスメーカーはもちろん、ヤマダ電機やエディオン、DCMやニトリなど家電量販店やホームセンターなどからの参入も目立ちます。いずれも国内での伸びが鈍化している業界からの参入で、今後もこうした状況は続くと見られます。
近年のリフォーム業界はコロナによる業績の低迷に加え、競争環境が厳しさを増しており、既存のパイを奪い合う構図となっています。こうした厳しい環境の中、各社は様々施策を講じています。
業界大手の積水ハウスは、新型コロナにより直接でのリフォーム提案を行うことが困難な中、自宅にいながらリフォーム体験ができる『おうちでリフォーム』を展開しました。『おうちでリフォーム』は、オンラインや電話によるリフォーム相談のほか、リフォーム後の住まいをイメージできる「バーチャル体験」などを展開しています。
積水ハウスのオンラインサービス『おうちでリフォーム』
『セキスイハイム』を展開する積水化学工業は、住宅の健康状態をプロが判断する「定期診断」を無償で実施。水回りや建具をはじめ、屋根や外壁などを定期的に点検・診断することで、顧客満足度とリフォーム受注率の向上をはかります。
名古屋でのリフォーム事業を中心に展開する安江工務店は、自然素材を使用したデザイン性の高いリフォーム提案を行っています。コロナによる在宅時間の増加により、住宅の「快適性」を重視したリフォーム提案を行っています。
リフォーム業界はコロナによる営業活動自粛により、厳しい時期を迎えました。一方で、在宅時間の増加やテレワークの導入など、私たちの「ライフスタイル」や「働き方」は変わりつつあります。
リフォーム業界にもこうした「新常態」の波が押し寄せており、今後新たなビジネスチャンスが生まれるでしょう。自宅で過ごす時間が増えたことで快適な空間を求め、消費者は住宅リフォームへの意識が高まり始めています。厳しい環境が続くリフォーム業界ですが、新常態での消費者ニーズを的確に捉えることで、業績回復の足掛かりにしたいところです。
リフォーム業界の売上高ランキング&シェアをはじめ、純利益、利益率、総資産、従業員数、勤続年数、平均年収などをランキング形式でまとめました。各種ランキングを比較することでリフォーム市場のシェアや現状、動向を知ることができます。
順位 | 企業名 | 売上高(億円) | シェア | |
1 | 住友不動産 ※ | 2,121 | ||
2 | 積水ハウス ※ | 1,659 | ||
3 | 積水化学工業 ※ | 963 | ||
4 | 住友林業 ※ | 661 | ||
5 | 旭化成 ※ | 544 | ||
6 | 三井デザインテック | 481 | ||
7 | 文化シヤッター ※ | 63 | ||
8 | 安江工務店 ※ | 55 | ||
9 | 土屋HD ※ | 43 | ||
10 | エムビーエス | 40 |
※住友不動産は完成工事事業、積水ハウス、積水化学工業、住友林業、旭化成、文化シヤッター、安江工務店、土屋HDはリフォーム事業の売上高です。シェアとはリフォーム業界全体に対する各企業の売上高が占める割合です。シェアを比較することでリフォーム市場における各企業の占有率を知ることができます。矢印は対前年比の増減を表しています。下記のランキングをクリックするとそれぞれリフォーム業界の詳細ランキングページにジャンプします。
リフォーム業界を見た人は他にこんなコンテンツも見ています。関連業種の現状や動向、ランキング、シェア等も併せてご覧ください。
住友不動産、積水ハウス、積水化学工業、住友林業、旭化成、三井デザインテック、文化シヤッター、安江工務店、土屋HD、エムビーエス、ニッソウ、ウィル、FUJIジャパン、日住サービス、エス・サイエンスの計15社
リフォーム業界の動向や現状、ランキング、シェア等のコンテンツ(2022-2023年)は上記企業の有価証券報告書または公開資料に基づき掲載しております。リフォーム業界のデータは上記企業のデータの合計または平均を表したものです。掲載企業に関しましてはできる限り多くの企業を反映させるよう努めていますが、全ての企業を反映したものではありません。あらかじめご了承ください。また、情報に関しましては精査をしておりますが、当サイトの情報を元に発生した諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負うものではありません。重要な判断を伴う情報の収集に関しましては、必ず各企業の有価証券報告書や公開資料にてご確認ください。